2012年1月29日 (日)

「バクマン。2」・第17話<特別な仲と田舎>を観る

連載が決まったのは亜城木夢叶の「タント」ではなくて蒼樹紅の「青葉の頃」でした。見吉香耶とシュージンの結婚はおあずけです。見吉は婚姻届を用意してその気になっていたのに残念無念です。

連載が見送りになってサイコーたち以上にショックだったのは港浦さんです。期待していた亜城木夢叶の連載が見送りになっただけでなく、高浜さんの「Business Boy ケンイチ」が連載打ち切りになってしまいました。高浜さんの担当も港浦さんです。港浦さんは心労でげっそりとやつれてゾンビみたいになってしまいました。

「Business Boy ケンイチ」の連載が終われば高浜さんのところでアシスタントをしていた中井さんも仕事がなくなります。中井さんは連載が決まった蒼樹紅に復縁(?)を打診しましたが、当然のことながらあっさり断られてしまいました。

中井さんはいっしょにアシスタントをしていた加藤奈津実にもやんわりと(交際を)断られてしまい、失意のうちに田舎へ帰ることになりました。マンガを描く技術はあってもマンガ家として成功しようという意欲や熱意がもう中井さんにはなくなっていたんですね。サイコーは必死に中井さんを引き止めようとしましたが無駄でした。作画の実力を武器に女性を口説こうとしたのはいいけれど、あっちでもふられ、こっちでもふられ、さすがの中井さんも自分に嫌気がさしたみたいです。「ボクにはもうマンガを描く資格はない」とまで言い出しました。

 
 
連載が打ち切りとなった高浜さんは、自分の描きたいように描けないので担当の港浦さんを替えて欲しいと佐々木編集長に直談判にいきました。佐々木編集長は社内で打ち合わせ中だった港浦さんと亜城木夢叶(サイコーとシュージン)を呼んで、全員がそろったところで話し始めました。

 「自分の描きたいものを描かせてもらえない、これは自分に才能がないと自ら認めていることだ。(新妻エイジのように)描きたいように描いたものが圧倒的に面白い少年マンガならばそれが採用される。採用されないのはその力がないからだ」

佐々木編集長がサイコーとシュージンを呼んだのは、このふたりにも港浦さんへの不満があると見抜いていたからです(たぶん)。佐々木編集長は高浜さんと同時にサイコーとシュージンにも言い聞かせています。

 「わたしは、作品の結果が出なかったのを編集部や担当のせいにする作家は一番愚かだと考えている。担当と意見が喰い違い、どうしても自分のほうが正しいというのなら、ねじ伏せるほどの少年マンガを描けばいい。そうして成功した作品もある。そういう作品はある意味本物だとも考えている」

この本物というのは、たとえば、少年ジャンプに連載中の「バクマン。」です。「バクマン。」はどう考えても少年マンガの編集者が描けと勧めるようなマンガではありません。まさしく「(その面白さで)ねじ伏せるほどのマンガ」だと思います。だいたい中学生だった少年マンガの主人公が連載とともに成長して24歳になってしまうなんて普通ではありえません。

 「担当替えはしない。高浜くんが新人だからではない。どんな大御所作家の申し出でもこういった特例は作らん。どうしても港浦とはやっていけないというなら、他誌へ行ってもらってかまわない。契約は私の責任で切る」

マンガの神様といわれたあの手塚治虫も担当の編集者を替えて欲しいと申し出たことがあったそうです(どこの出版社かは不明)。そうしたら編集長から「どうしても担当を替えろというなら連載を打ち切る」と逆に脅されたとか。なんでもその担当の編集者はサボって原稿を描こうとしない手塚治虫をぶん殴ったらしいです。相手がどんな人気マンガ家でも、気に入らなかったらぶん殴るぐらいの根性がないと大物編集者にはなれないのかもしれません。
 
 
 
新人小説家の秋名愛子(岩瀬愛子)は、シュージンに対するライバル意識からマンガの原作者になろうとしていました。秋名愛子が遊栄社に持ち込んだ原稿を最初に見たのは服部さんです。以後、服部さんが秋名愛子の担当になりました。最初の担当が服部さんだったのはラッキーだったといえます。その人に才能がある限り、服部さんはその才能をきちんと見抜いて評価してくれます。

服部さんが秋名愛子にまず驚ろかされたのはその学習能力の高さです。秋名愛子は打てば響くように服部さんのアドバイスを忠実に作品に反映させてきます。すでに少年マンガの基本を理解しているようです。小説家としては秋名愛子はプロです。少年マンガの基本さえ外さなければあとは自由に書いてもらっても大丈夫です。

服部さんはすでに原作・秋名愛子の連載マンガを考えています。原作が新人賞の女流作家ということになれば話題性は十分です。問題はだれが作画を担当するかですが、これについても服部さんはすでに決めていました。

服部さんは秋名愛子が書いた1話目の原稿を持って、なんと新妻エイジの仕事場に出かけていきました。違いがわかる男・新妻エイジは秋名愛子の原稿を読んですっかり気に入ってしまいました。エイジがマンガの原作を読んでその面白さに興奮したのはシュージンのとき以来だと思います。作画の担当がまだ決まっていないことを知るとエイジは眼を輝かせて立候補してきました。

服部さんは、秋名愛子と新妻エイジを組ませることによって、このところ沈滞気味の亜城木夢叶を刺激してやろうと考えています。港浦さんが頼りないので援護射撃です。

ところで新妻エイジはすでに「CROW」をジャック誌上に連載しています。同じ作家が2本同時に連載というのは前例がありません。最初から新妻エイジが作画を担当することを明らかにしてしまうと連載会議で反対される恐れがあります。そこで服部さんは秘密の作戦を考えました。まず、原作・秋名愛子、作画は謎の新人ということにしてとにかく連載会議で連載を決めてしまうのです。しかる後に実は作画は新妻エイジが担当するということを明かします。

 「(連載会議を)通してしまって、新妻くんが描けると言えば、やるしかないでしょ」

新妻エイジはネームが1日(ホントは30分)、ペン入れが2日で一週間のうちの残りの4日は遊んでいます。最初は消極的だった雄二郎さんもエイジなら2本同時連載でもいけると考えるようになりました。とにかく新妻エイジが大乗り気でテンションが上がっています。この2本同時連載が成功すればエイジを担当している雄二郎さんに出世の道が開けるかもしれません。うまくいったら手柄は半々ということで雄二郎さんも服部さんの秘密作戦に乗り気になってきました。現金な人です。

注)「現金な人」というのは損得勘定で態度をコロコロ変える人のことです。

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2012年1月22日 (日)

「バクマン。2」・第16話<王子と救世主>を観る

ジャックで「KIYOSHI騎士」を連載している福田真太は、

 「オレたちでジャックを変える!!」

と前々から宣言していました。「オレたち」というのは、福田真太、新妻エイジ、亜城木夢叶、蒼樹紅、平丸一也、それに中井巧朗の7人です。福田真太はこのメンバーを勝手に(?)福田組と称しています。メンバー全員が連載を勝ち取ってジャック誌上で競い合っていけば「オレたちでジャックを変える!!」という福田真太の野望(?)も夢ではありません。

福田真太は才女でクソ真面目な蒼樹紅のような女性は好みではないらしいです。でも蒼樹紅も福田組のメンバーです。メンバーが困っている時は助けなくてはいけません。そこで、中井さんとの関係がこじれて作画も自分で担当しなくてはいけなくなった蒼樹紅に、蒼樹紅がもっとも苦手とするバンチラ(=男の子が喜ぶ絵)の指導を買って出ました。

福田真太は少年の劣情を刺激するバンチラマンガが得意です。ジャックに連載中の「KIYOSHI騎士」もパンチラだけで連載が続いていると言っても過言ではありません。

 「だからそうじゃねえって、何度言ったらわかるんだ!?」
 「そんな乱暴な言い方しなくてもいいじゃないですか」
 「教えてんのはオレだ。文句言うんじゃねえ」

ファックスで送られてきた蒼樹紅のネームを見ながら、福田真太が電話で檄を飛ばしています。

 「変にスカートの中アップにすんなって言ったろうが。あんたの作品にこういうのは合わないんだよ。普通に着替えたり風呂入ったりさせりゃいいんだ」
 「だからちゃんとお風呂に入る前に着替えのシーン入れたじゃないですか」
 「何で風呂入る着替えでローアングルからスカートの中なんだよ。おかしいだろ。こうなるとセンスのありなしを通り越してるぞ。だいじょぶか?ここはパンツが足元に落ちたとことか、パンツから足を抜くアップだろ。それで風呂入るを表現しろや」

わざとらしく露骨にスカートの中を描いてしまう蒼樹紅に福田真太がイラついています。シュージンからも言われているはずなんですが、蒼樹紅にはまだチラリズムの美学(?)というのがわかっていません。

 「ちょっと待ってください。メモします」
 「覚えろよ。いい大学行ってんだろ」
 「うるさい。大学は関係ありません」

なんだか掛け合い漫才みたいになってきました。

 「なんで風呂でからだ洗いながらもの思いに耽ってんの?ありえねえだろ」
 「女の子がからだ洗ってんですよ。男の子喜ぶじゃないですか」
 「こういうシーンは普通バスタブに浸かってるもんなんだよ。あんた、ケツ洗いながらもの思いに耽ってんのかよ」

福田真太は編集者よりも厳しく容赦なくダメ出しをします。言葉も荒っぽいです。それでも何とかいいマンガを描いてほしいという熱意は伝わってきます。なにはともあれ、この福田真太の親身の指導(?)が功を奏して蒼樹紅の「青葉の頃」もすっかり少年マンガらしくなってきました。蒼樹紅の作品の変貌ぶりに、編集の吉田さんや山久さんはバックに強力なブレーンがついたのではないかと噂していました。

蒼樹紅の「青葉の頃」はもう一度本誌の読切で試す予定でしたが、これなら連載でも行けるということになって、亜城木夢叶の「ひらめきタントくん」とともに連載会議かけられることになりました。連載はほぼ確実だと思われていた亜城木夢叶に強力なライバルが登場してきた感じです。連載が決まればシュージンは見吉と結婚することになっていたのですが……。

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2012年1月19日 (木)

2012年冬ドラマの視聴率を予想する

冬ドラマの視聴率について3つの予想をしてみました。大はずれで赤っ恥をかくかもしれませんが、3つ予想しておけば1つぐらいは当ると思います。いずれもまさかと思われる予想であるところがミソです。

1.TBSの日曜劇場「運命の人」はフジテレビのドラマチックサンデー「早海さんと呼ばれる日」に視聴率で追い越されます(可能性は80%)。「運命の人」のような社会派的骨太のドラマはどんなに力作でも視聴率的には厳しいです。世間の空気がこういうドラマを望んでいないんですね。象徴的だったのは「坂の上の雲 第3部(日露戦争)」です。日露戦争を克明に描いたあれだけの重厚なドラマの平均視聴率がわずか11.5%でした。「世の中間違ってる」と言いたくなりますが、悲しいことにこれが現実です。
「早海さんと呼ばれる日」の松下奈緒は変な刑事役よりも家庭的なダメ嫁のほうが似合っています。したがって日曜劇場とドラマチックサンデーの視聴率が初めて逆転します。

2.フジテレビの月9ドラマ「ラッキーセブン」はそのうち視聴率がひとケタになります(可能性は50%)。いくら松嶋菜々子を出演させてもこのドラマはシナリオがメチャクチヤです。松潤や瑛太の裸で視聴率を稼ごうとしているのがバレて視聴者に嫌がられたら終わりですぞ。

3.NHKの大河ドラマ「平清盛」はそのうち視聴率が20%を超えます(可能性は30%)。画面が汚いという批判がありますが、「龍馬伝」の岩崎弥太郎(香川照之)に比べたらたいしたことはないです。そういえば「龍馬伝」も画面が汚かったです。リアリズムを追及するとああいう画面になるのかもしれません。
「平清盛」には王家という言葉がさかんに出てきます。たしかに時代背景を考えると天皇家という言い方はちょっと変です。でも王家というのも何だか不自然です。学術用語としては王家とするのが正しいのかもしれませんが、一般的には馴染みがありません。平安時代は天皇のことを帝(みかど)と称していたんだから、王家ではなくて帝(みかど)一族ぐらいにしておけばよかったのにね。

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