すべては「地上の星」のから始まった!
「トレンド記者が教える消費を読むツボ62」(石鍋仁美著・日経ビジネス文庫)に、大分県豊後高田市にある「昭和の町」が紹介されていました。人工的に造られたテーマタウンではなく、寂れ果てた町並みが昭和30年代の面影をとどめていたため、その景観を活用して町おこしをしたところ、今では(本物の?)「昭和の町」として一躍人気観光地になっているそうです。人口2万弱の町に多い日には1日50台ものバスが乗りつけるとか。
何だかすごいことになっていますが、あまりリアルに昔のままだと、その時代の厳しい現実も再現してしまうことになるのではないかとちょつと心配になってきます。「本物」を売りにするのもいいけれど、あまりにリアル過ぎると興ざめがしてノスタルジックな気分は味わえなくなってしまうのではないでしょうかね。本物志向でリアルさを追求しつつも、リアル過ぎないよう適当なところで歯止めをかけるというのが「昭和の町」のブームを長続きさせるコツではないかと思います。
昨今のこれでもかといわんばかりの「昭和30年代ブーム」ですが、昔を懐かしむのはいいとしても、ブームの背景に仕掛け人がいたりして団塊の世代を狙った商業主義的な戦略が透けて見えてしまうと、どうも素直に共感できなくなってきます。
このブームを団塊の世代のニーズを的確にとらえたマーケティングの成果と考えるべきか、つくられたトレンドに団塊の世代が乗せられているだけとみるべきか・・・判断の難しいところです。
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