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2006年9月10日 (日)

「オウム事件はなぜ起きたのか 魂の虜囚 上・下」(江川紹子・新風舎文庫)

裁判の傍聴を通してオウム事件の全貌を明らかにしよとした労作です。重いテーマがぎっしりと詰まっていて読み応えがあります。教祖の呪縛というか、いわゆる「マインド・コントロール」がいかに深くオウム信者の心を支配していたかが裁判の過程で明らかになっていきます。わたしなんぞは「マインド・コントロール」という言葉に漠然としたイメージしかありませんでしたが、思考も感性も麻痺してしまって、人間がロボットのようになってしまうということが現実に起きうるということを知って今さらながら愕然としています。

オウム事件を、自分とは関係のない特異な人間が引き起こした過去の凶悪事件と考えて忘却しつつある人に、是非一読をおすすめしたいです。

著者はあとがきのなかでこう述べています。

確かにオウムは特異な集団だった。けれど、いくつかの条件が重なれば、この社会がオウム化し、私たち自身もオウム的な発想に囚われてしまうかもしれない。そういう意識を、心のどこかに持っていたい。

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