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2006年11月30日 (木)

「『噂の真相』25年戦記」(岡留安則・集英社新書)

ライブドア裁判は、堀江被告が裁判長に感謝の辞を述べるほど公平な裁判だったようです。判決はともかくとして、公判における堀江被告への対応は破格の扱いだったのではないかという気がします。

「『噂の真相』25年戦記」は、ライブドア裁判の成り行きをウオッチしていて検察に不信感を抱くようになった人に是非おススメの一冊です。『噂の真相』も1995年6月に東京地検特捜部から名誉毀損罪で起訴されています。その公判たるやひどいものです。もちろん当事者の見解として多少割り引いて受け止める必要はあると思いますが、それにしてもデタラメもいいとこです。

要点をまとめると、

1.検察批判を続ける『噂の真相』を狙い撃ちにした恣意的起訴
2.公判で検察は立証責任を放棄
3.裁判長は公判中に鼾をかいて居眠り
4.判決は懲役8ヶ月執行猶予2年(岡留氏場合)の有罪

足掛け8年にわたる裁判の判決趣旨は「記事の一部でも私生活の行状(プライバシー)を書けば、記事全体が名誉毀損にあたる」というもので、岡留氏(『噂の真相』編集長)に言わせれば、この判決がまかり通れば「現在発売されているスキャンダリズムを指向している週刊誌記事のほとんどに適用される事態」になるそうです。まさに一罰百戒の狙い撃ちです。その後、控訴しても何の審理もないまま控訴棄却、現在は最高裁に上告中とか。

普通なら「はいはいわかりました」と反省して、無駄な抵抗はしないものですが、転んでもタダでは起きないのが『噂の真相』のすごいところです。「裁検一体」裁判で勝ち目はなくても法廷外で検察のスキャンダルを次々と暴露して徹底抗戦を続けたようです。起訴されてしまえば怖いものなしです。おそらく検察に睨まれるのが怖くて記事が書けない他社の記者から『噂の真相』に多くのスキャンダル情報が寄せられたのではないかと推測されます。

低俗な暴露趣味の雑誌でも、そこに反権威・反権力のポリシーが貫かれていると「白く塗りたる墓よりもボロは着てても心の錦」ということで、かえって爽やかな印象を受けます。

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