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2006年11月29日 (水)

それは誤解です

スチール・パートナーズのTOBが締め切られましたが、どうやら失敗だったようです。応募株式数がゼロというのも当然といえば当然です。株式新聞ニュースによれば、

 スティールのウォーレン・リヒテンシュタイン代表はTOB終了に対し、「両社の大株主として業務提携の内容を公開資料を元に精査した結果、成熟市場である即席めん市場におけるリーディング・カンパニーとして将来的企業価値向上に資する経営戦略だと判断し、日清食品<2897.T>の公開買い付けを支持し本TOBを終了する決断をした。スティールは今後とも、両社の大株主として両社をサポートしていく」とのコメントを出した。

とのことです。

この報道を信じる限り、スチール・パートナーズは引き続き明星食品の大株主にとどまる方針のようです。リスクや資金効率を考えれば素直に日清食品のTOBに応じたほうが得策だと思うのですが、何を考えているのでしょうかね。敵対的TOBに失敗してすぐでは、(ホワイトナイトを)待っていたようでバツが悪いので、世間体を気にしつつ、しばらく時間をおいてから結局は応募するんでしょうかね。

スチール・パートナーズが日清食品のTOBに応じた場合、明星食品株についてスチール・パートナーズの投資収益率は「3年間の保有で5割余り」(日経新聞)だそうです。これをもって、「凄腕」と賞賛したり「ボロ儲け」と非難したりするのは明らかに間違っていると思います。3年前を基準にすれば、大雑把に言って日経平均だって10000円が15000円に50%上昇しています。特に東証2部指数に限っていえば、2005年は1年間だけで70%上昇しています。この間、明星食品の株価はほとんど横ばいでした。長期間鳴かず飛ばずの株を抱え込んで耐えていた経緯をみないで、売り抜ける瞬間だけとらえて「ボロ儲け」というのはちょっと違うと思います。もっとも投資ファンドとしては、ボロ儲けしていると誤解されたほうが商売はやり易い(=資金が集まる)ので、世間の誤解に感謝しなくてはいけません。

ところで、スチール・パートナーズが日清食品のTOBに応募してしまうと、明星食品の上場廃止リスクが一段と高まります。明星食品の経営陣や大株主が上場廃止でもかまわないと考えていればこのまま一件落着ですが、上場維持にこだわるようだともうひと波乱ありそうです。日清食品と資本業務提携はしたものの「話が違う」ということになるかもしれません。もっとも、明星食品のホームページを見る限り、この会社は上場していてもあまり意味がないような気がします。

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