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2006年12月 9日 (土)

電子メールの証拠能力

人間は嘘もつくし、冗談も言います。メールでのやりとりでは、相手が笑っているのか、怒っているのか、泣いているのか、文面だけでは判断できないこともしばしばです。殺意がなくても冗談のつもりで「ぶっ殺してやる」などど打つ場合もあります。

ネットの掲示板では、身振りも表情も声色もない活字だけのやり取りから、あらぬ誤解が生じて凄惨な誹謗中傷合戦が始まったりすることがよくあります。これは本人の表現したい意図とは関係なく言葉の持つ剥き出しの意味だけがストレートに相手に伝わってしまうからだと思われます。

大鹿靖明の「ヒルズ黙示録・最終章」(大鹿靖明・朝日新書)では、村上ファンド側とライブドア側の友人同士でのメールのやり取りとして、こんな例が紹介されていました。

「月曜のmtg.についてだけど、戦略的話になる。こちらは3割取れる」

「でも無理くさいね」

「やっぱりダメかもね」

東京地検特捜部は、最初の1行を重要な物的証拠と考えたようです。しかし、その後にそれを否定するようなやり取りが続いていました。この場合はたまたま続きのやり取りがあったからいいようなものの、「バカいってんじゃないよ」と思いつつ返信をしないで最初のメールだけが残ってしまうケースだってありえます。人間は皮肉も言うし、反語も使います。大言壮語で大風呂敷を広げてみたり、わざと心にもないことを言ってみたりもするものです。日常会話では消えていってしまうたわいもない発言も、メールでは残ります。メールがなければ存在しないはずの矛盾した膨大な発言のなかから、都合のいい部分だけを切り取ってきて証拠にしょうとするのはちょっと無理があります。

さらに言えば、電子メールは知識があれば簡単に偽造できます。捜査当局は本人が納得していない供述調書に強引に署名捺印をさせて証拠として提出しているという話をよく聞きます。善人とは限らない捜査当局が電子メールを証拠として偽造するようになったら大変なことになります。民事裁判ではメールが浮気の重要な証拠となるようですが、刑事裁判でメールを証拠として採用するのばどんなものでしょうか。冤罪が増えるような気がします。

記憶に新しい国会質問での偽メール事件はすぐに「ガセネタ」と分かったからよかったものの、あれがもっと巧妙に偽装された偽メールだったらどうなっていたか・・・。

 メールの証拠能力についての外国の事情
        ↓
 http://journal.mycom.co.jp/column/svalley/168/

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