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2006年12月20日 (水)

ベルシステム24のEB債(他社株転換社債)

最近はあまり聞かなくなりましたが、以前証券会社が個人投資家向けにEB債というのを盛んに売っていた時期がありました。EB債というのは、株価が一定水準以上になったら元本が金銭で償還されて、株価が一定水準を下回ったらその値下がりした株で償還されるという社債です。もちろん金利はあるし、その金利は高めに設定されていたと思います。しかし、リスクに見合った金利とはとてもいいがたく、典型的なハイリスク・ローリターンの金融商品です。証券会社にすすめられて購入してしまい、大損したという人も多かったのではないでしょうか。

 「値上りしてもあまり儲からない、値下がりするとしっかり損する」

これが個人投資家にとってのEB債です。

ところで、今回問題となっている日興コーディアルグループの「不適切な利益計上についてですが、これはEB債を利用したものでした。

1.特別目的会社のNPIHがベルシステム24のEB債を発行する
2.親会社のNPIがこのEB債を購入する
3.NPIHがベルシステム24株を市場で買付けさらにTOBをかける

通常TOB価格は市場価格よりも高く設定されますから、TOBの実施が事前にわかっていれば、一般的にはリスクの高いEB債でも安心して購入できます。NPIが購入したEB債は予定通り(?)評価益が発生して本体・日興コーディアルグループの連結決算に反映されました。これが「不適切な利益計上」とみなされたようです。

要するに、日興コーディアルグループの連結対象であるNPIを儲けさせるために、発行体が損をするようなEB債を非連結のNPIHに発行させていたということのよです。このEB債に限っていえば、NPIの利益はNPIHの損失になっているはずです。さらに、NPIにより多く儲けさせるために後日EB債の発行日を操作していたというおまけまでついています。

特別目的会社のNPIHはNPIが100%出資していて役員も全員兼務しているそうです。いってみればNPIHは実質的にはNPIと一心同体です。ここで俄然興味がわいてくるのは、ベルシステム24のEB債についてです。金利や基準価格など、どういう条件になっていたのでしょうか。もともとNPIを儲けさせるためのEB債ですから、発行体(NPIH)にとっては相当不利な条件が盛り込まれていたのではないかと推測されます。

しかし、こういうややっこしいことをするなら、サラ金並みの高金利で(非連結会社に)融資をして金利収入を利益に計上したほうがスッキリして簡単だと思うのですが、そういうわけにもいかないんでしょうかね(非常識な高金利はやはり「不当利益」になるのかな)。

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