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2007年1月15日 (月)

「国家の罠」(佐藤優著・新潮社)

鈴木宗男事件は、「国策捜査」という点ではライブドア事件と共通する側面が多いですが、鈴木宗男を守ろうとする佐藤優の頑固さはちょっと半端ではありません。同じ完全否認でも、保釈を自ら拒否する精神的強靭さはホリエモンの比ではないです。

時代の転換点における「国策捜査」の意義を認めて、検察の「国策捜査」に理解を示しつつも、それでも事実は事実として無罪を主張するというかなり屈折した内容の本です。

全体を通して気になったのは、しきりに「国益」ということに言及していることです。元外交官の著者は国益に資するかどうかを自らの行動基準にしていて全くブレることがありません。自明の理であるかのように「国益」を基準として自らの行動を律しています。原理原則を貫いてひとつの理念に殉じようとするこの著者の態度には、この世のものとは思えない恐ろしさが漂っています。素人考えとしては、

 何が「国益」なのかはそう簡単には分からない

と思うのですがね。

たとえば、幕末において江戸幕府を倒すことが国益だったのか、それとも江戸幕府を護ることが国益だったのか、「国益」の内容は立場によってまったく逆になってしまうこともあります。錦の御旗のように「国益」という言葉が登場したとき、眉に唾をつけて警戒するのが素人の護身術です。

それにしても獄中での愛読書が「聖書」と「太平記」とヘーゲルの「精神現象学」だったというのが何とも奇怪です。こーゆー資質の人は、ドロドロした現実社会とかかわるよりも象牙の塔に篭っていたほうがいいのではないでしょうかね。

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