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2007年3月14日 (水)

ホリエモンの主張・相続税率100%

一部の資産家以外には縁のない相続税という税金があります。この相続税について以前テレビでホリエモンが「相続税の税率は100%でいい」と、問題提起(?)をしたことがありました。

ホリエモンは鋭くポイントをついた主張をよくしますが、説明がヘタクソというか、説明をしないというか、いきなり結論だけを言って誤解されてしまう悪癖(?)があります。

この相続税率100%というのは、相続はまったく認めないということではなくて、基礎控除額(5000万円+1000万円×相続人の数)を超えて相続税の対象となる相続財産に対して100%の税金を課すという意味だと思います。

単純化のために基礎控除額を一律1億円と仮定すると、

1.遺産が1億円までは自由に無税で相続できる
2.遺産が1億2000万円のときは2000万円を国庫に納める
3.遺産が100億円のときは99億円を国庫に納める

イメージとしてはだいたいこんな感じだと思います。今の日本では相続税の対象となる遺産を遺せる人は5%程度(20人に1人)といわれています。つまり相続税率が100%になったとしても影響を受けるのは20人に1人の資産家だけです。大多数の国民にとってはまったく関係がありません。むしろ相続税の増収によつてほかの税負担が軽減されると考えれば、一般の庶民にとっては歓迎すべき税制であるといえます。

実際「相続税率100%」の意味をきちんと説明して、その是非を国民に問えば圧倒的多数の賛成が得られると思います。そうだとすれば、なぜ「相続税率100%」の大キャンペーンが起きないのでしょうか。理由は3つ考えられます。

ひとつは相続税とは無縁の低所得者層(≒低資産家層)が選挙を棄権するからです。低所得者層のためになる政治をこころがけても、棄権されたのでは票になりません。低所得者層の意思が政治に反映されず、「あいつら(低所得者層)はほっとけ」ということになってしまうのです。若年層や低所得者層がもっと積極的に選挙に参加して、投票率が80%ぐらいになれば日本の政治も大きくかわるのではないでしょうか(低所得者層の意思を無視できなくなる)。

もうひとつの理由は政治家(国会議員)の多くが資産家であることです。「相続税率100%」などという自分で自分の首を絞めるような税制が、資産家の政治家から提案されることはまず考えられません。与野党を問わず、有力な政治家は資産家でもあるというケースが多く、こうした資産家いじめの税制は永田町では話題にすることさえタブー視されているのではないでしょうか。

3つめの理由はマスコミの幹部がすでに相続税の対象とされる資産家になってしまっていることです。これまた自分にとって不利益な「相続税率100%」のキャンペーンなど支配下のテレビや新聞に許すはずがありません。知事の退職金がどうの公務員宿舎の優遇がどうのというキャンペーンはやっても、「相続税率を100%にしたらどうか」などという問いかけは従業員の平均年収が1000万円を超えているような大手のマスコミから出て来るはずもありません。

既得権がからんでいて実現は難しいとしても、ホリエモンの「相続税率100%」という主張は正論だと思います。もし、相続税とは縁のない一般の国民が、相続税率100%というのを聞いて、「わずかばかりの親の預金も相続できなくなる」と考えたとしたらそれは誤解です。この誤解は「相続税率100%」に絶対反対の大資産家にとっては喜ばしい誤解です。いつまでも誤解していてくれることを願っていると思います。

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