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2007年3月23日 (金)

ライブドア裁判・熊谷被告も控訴

1.自社株売却益還流に違法性はない。
2.架空売上は不適切な会計処理だった。

これが熊谷被告の認識です。起訴事実の一部を否認している熊谷被告の立場で今回の有罪判決をみるとどう見えるでしょうか。

3月19日付日経新聞夕刊に次のような記事がありました(小さな記事です)。

通販大手「ニッセン」(京都市)が大阪国税局の税務調査を受け、2005年12月期までの3年間で、約6億5千万円の申告漏れを指摘されたことが19日、わかった。過少申告加算税も含めた追徴税額は約3億2千万円。同社によると、03年から05年の在庫商品について、流行遅れなどで価値が下がったとして評価損を計上。しかし、大阪国税局は評価損の計上が実際より過大だった、などと認定したとみられる。

こうした不適切な評価損の計上と、来期に計上すべき売上を今期に計上した会計処理の問題はほとんど同じレベルだと思います。今期多く評価損を計上すればその分来期の評価損が減ります。来期に計上すべき売上を今期に計上してしまえば、その分来期の売上が減ります。不適切な会計処理というのは別に珍しいことではなく、それが判明したら普通はお詫びして訂正すれば済むことです。特に相手が国税局の場合は多少不満でも逆らうと怖いのでよほど理不尽な指摘でない限り素直に国税局の見解に従うというのが一般的だと思います(国税局というところは、利益の水増しには寛容でも、損失の水増しにはことのほか厳しいようです)。

熊谷被告の控訴は、不適切な会計処理でいきなり強制捜査をされて身柄を拘束された挙句に刑事裁判で有罪にされるというのは、たとえ執行猶予がついても納得できないということなのかもしれません。

今年の1月に経営破たんしたシステム開発会社アイ・エックス・アイは、

関係者によると、IXIは数年前から、帳簿上架空の商品を複数の取引先で売買し、売り上げを計上する「架空循環取引」と呼ばれる手口を繰り返し、売り上げを水増し。虚偽の決算書類を近畿財務局に提出した疑いがもたれている。
 一連の不正取引には同社の元常務らが関与、売り上げ全体の八~九割が水増しによるものだったとされる。同社の売り上げは2005年3月期の約170億円から06年3月期には約400億円に急増しており、粉飾総額は数百億円規模に上るもよう。
 粉飾した決算に基づき大阪ヘラクレスや東証2部に上場した可能性も出ている。
                            (2月28日付日経新聞夕刊)

その後、日本IBM部長の氏名印を偽造していた疑いも浮上しています。まさに確信犯です。こういうのを本当に悪質な粉飾決算というのではないでしょうかね。なにしろ債務超過の会社が粉飾によって増収増益の優良企業を装っていたのですから。それでもアイ・エックス・アイにはいきなりの強制捜査はありませんでした。家宅捜索が始まったのは破綻して上場廃止が決まってからです。

ライブドア事件の被告は控訴審で、東京地検の強制捜査の不当性を一致団結して訴えるべきではないでしょうか。これは有罪なんだからつべこべ言うなという問題ではないと思います。

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