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2007年4月11日 (水)

やさしい経済学

日経新聞に連載されている「やさしい経済学」をたまに読みます。今は大阪大学の小野善康教授が担当しています。今日(4月11日)は、「4.乗数効果の弊害」と題して次のように述べています。

財政資金は税金で国民から集めてきたものである。たとえ赤字国債で集めても、国債償還時に税金がかかるから、いずれにしても同規模の税負担がある。そのため、支出が乗数効果を生むなら、税負担は同規模のマイナス効果を生むはずである。つまり、同額のカネを集めて払いもどすだけだから、金額はどうあれ乗数効果は相殺され、何の効果も残らない。
したがって、公共投資にともなう資金の流れは、就業者から失業保険料を取って、失業者に失業手当を渡す場合と本質的に同じである。この二つの違いは、支払いの名目が公共事業給与か失業手当かということにすぎない。

時間差による世代間の不公平を無視したかなり乱暴な見解ですが、次に何を主張したいかはだいたい予測が出来ます。

1.失業者の存在は社会的なマイナスである
2.失業を撲滅して多少なりとも社会に役立つ仕事をさせるべきだ

おそらくこういう結論になるんだろうと思います。しかし、たとえ社会的に有益な仕事であっても、無理に仕事をさせようとすれば本人(失業者)にとっては負担になるし、その「仕事」をセッティングするコストを考えると、トータルでは社会全体の福祉がかえってマイナスになるケースも多いのではないかと思います。

ケインズの時代のように失業すればホームレスになるしかなくて場合によっては餓死するかもしれなかった時代の失業者と、現代のように失業しても食べるだけなら特に困らない社会での失業者とでは、失業の深刻さが全く違います。成熟した豊かな社会では、本質的意味での失業者というのはほとんどいないと思います。定義はどうあれ、時給700円の仕事があっても見向きもしないような人まで、職を求めているというだけで「失業者」と考えるのは(経済学的に)どうかと思います。

小野善康教授の見解を私なりに解釈すると、

 「失業者は囚人である。遊ばせておいてタダメシ食わせるのはもつたいない。なにか仕事をさせろ」

こう主張しているように思えてなりません。

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