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2007年6月 2日 (土)

永井荷風の反戦思想

「永井荷風という生き方」(集英社新書)からの孫引きですが、昭和16年6月15日の永井荷風の日記です。

日支今回の戦争は日本軍の張作霖暗殺及び満州侵略に始まる。日本軍は暴支膺懲と称して支那の領土を侵略し始めしが、長期戦争に窮し果て俄かに名目を変じて聖戦と称する無意味の語を用いだしたり。欧州戦乱以後英軍振はざるに乗じ、日本政府は独伊の旗下に随従し南洋進出を企図するに至れるなり。然れどもこれは無智の軍人等及猛悪なる壮士等の企るところにして一般人民のよろこぶところに非らず。国民一般の政府の命令に服従して南京米を喰ひて不平を言わざるは恐怖の結果なり。麻布聯隊叛乱の状を見て恐怖せし結果なり。今日にては忠孝を看板にし新政府の気に入るやうにして一稼なさむんと焦慮するがためなり。元来日本人には理想なく強きものに従ひ其日ゝゝを気楽に送ることを第一となすなり。今回の政治革新戊辰の革命も一般の人民に取りては何等の差別もなし。

昭和16年前後の年表を参照しながら注を作ると、

 日支今回の戦争 → 日中戦争
 張作霖暗殺及び満州侵略 → 満州事変
 欧州戦乱 → 第二次世界大戦
 英軍振はざる → ドイツ軍、英本土爆撃
 南洋進出 → 日本軍、北部仏印に進駐
 無知の軍人 → ?
 猛悪なる壮士 → ?
 南京米 → まずい輸入米
 麻布聯隊叛乱 → 2.26事件
 今回の政治革新 → 軍部主導による戦時体制
 戊辰の革命 → 明治維新(ただし永井荷風は薩長嫌い)

こんなところです。

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