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2007年7月16日 (月)

「反転 闇社会の守護神と呼ばれて」(田中森一・幻冬舎)

ライブドア事件の副読本のような本です。

東京地検特捜部の鬼検事から闇社会の守護神(弁護士)に転向、やがて古巣の特捜部に詐欺容疑で逮捕されて実刑の判決を受けるまでの自叙伝です(現在最高裁に上告中)。カネに目がくらんで舞い上がってしまった日々の回想は面白いことは面白いですが文学的香りはゼロです。

世の中の「勝ち組」には、表社会の勝ち組と裏社会の勝ち組がありますが、あるレベルを超えてくると表社会と裏社会が同じ勝ち組ということで微妙に重なってくるようです。何が表で何か裏なのかわからなくなってくるような奇怪な世界です。表だ裏だといってもコースが違うだけでたどり着く場所は同じなのかもしれません。まあ、一般庶民には関係ないし、あまり近づきたくない世界ですね。

著者の体験からすると、検察組織のデタラメぶりに比べれば義理も人情もある裏社会のほうがマシだということになるのかもしれません。ただ、読後感は後味が悪かったです。個々のエピソードは面白くても、この著者の人生観はどこか潤いが欠けています。

人間は、嘘がバレない限り、嘘をついているほうが嘘の分だけよく見えるものです。気前のいい接待や気配りや人心掌握術に感服させられたら、まず100%騙されていると思ったほうがいいです。

検察組織やヤクザ組織に限らず階層秩序が支配している世界というのは息苦しいものです(上に甘く、下に厳しい世界)。異物を排除して日本の国全体を階層秩序で覆い尽くせば、それが「美しい国」ということになるのかもしれません。でも、そういう「美しい国」は国民全体にとっては不幸な国です。できれば遠慮したいですね。

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