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2008年12月26日 (金)

混迷の2009年・鬼が笑う来年の予想

1.破綻する上場企業が100社を超える
今年は建設・不動産業界を中心に30社を超える上場企業が破綻に追い込まれました。来年はさらに不況が深刻化して、100社を超える上場企業が破綻すると思います。会社四季報で検索するとすでに200社近い会社に「継続の疑義」の注記がされています。疑義の注記がなくても資金繰りに行詰まれば予想外の企業が破綻することもありえます。帝国データバンクの江口一樹氏も「緊急保障制度で一時小康も09年後半から再び急増」と予想しています。確率90%。

2.任天堂の時価総額がトヨタ自動車を上回る
不況が深刻化すれば、外出は控えて家で多くの時間を過ごす巣ごもりの傾向が強まります。この傾向はゲーム業界にとっては追い風です。それにこれからは定年退職(または失業)で「時間はあるけどお金がない」という人がどんどん増えてきます。これもゲーム業界にとっては追い風です。トヨタの株価が2000円まで下落して、任天堂の株価が50000円に上昇すれば、時価総額は逆転しまいます。トヨタの株価か時価(2850円)前後で踏ん張っても任天堂の株価が70000円に上昇すれば、やはり時価総額は逆転します。確率50%。

3.明石家さんまが羽田美智子と結婚する
突然変な予想ですみません。少し面白くしないと。羽田美智子は中村玉緒を若くしたような雰囲気の人です。顔が似いてるわけではなくて天然ボケのところが似ています。最高に面白いです。姓名判断によればさんま師匠とは相性がバッチリです(ウソ)。さらに「さんま師匠と羽田美智子を結婚させる会」という陰謀組織が水面下でひそかに結成されているらしいです(これもウソ)。ウゾばっかついてどーゆーことやねん。しょーゆーことやねん。確率10%。

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2008年12月24日 (水)

テリー伊藤の名言・その2

何の番組だったか忘れましたが、テリー伊藤が

 「孤独死っていけないことなんですか?」

という意味のことを言っていました。テリー伊藤はたまにいいことを言いいます。「孤独死は悪」と決めつけるようなマスコミの報道に接すると、テリー伊藤のこの名言を思い出します。

人にはそれぞれ独自の人生観や価値観があります。死ぬ時ぐらいひとりでひっそりと死にたいと考えている人だってけっこういると思います。さらに死後はなるべく長期間発見されないでいたい、できれば永久に発見されないまま朽ち果てたいと考えている人だっていると思います。孤独死撲滅運動などは、たとえそれが善意にもとづくものであったとしても、ある種の人にとっては余計なお世話になってしまうかもしれません。

平安末期の歌人・西行法師に、

 ねかはくは 花のしたにて 春しなん そのきさらきの もちつきのころ (山家集)

という有名な歌があります。西行法師は元祖世捨て人みたいな人ですが、この歌を現代語に意訳すると、「できることなら人里離れた山桜の花の下でひっそりと死にたい。春爛漫の満月の晩がいい」といった感じになります。

騎兵隊で有名な幕末のヒーロー・高杉晋作は西行法師に憧れていました。できることなら西行のように生きて西行のように死にたいと願いつつ、現実のしがらみから倒幕という権力闘争に加担せざるをえませんでした。そんなままならない浮世の悲しみを次のように歌っています。

 西へ行く 人を慕うて 東行く 我が心をば 神や知るらむ

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2008年12月23日 (火)

テレビドラマ「赤い糸」・第3話を観る

小説の「赤い糸」のあらすじを読むと、この小説は単純な恋愛物語ではなさそうです。数奇な運命をたどる芽衣という少女の成長物語といった感じで、恋愛感情のない性交渉、家出、輪姦、記憶喪失、ドラッグ、裏切り、嫉妬、暴力など、剥き出しの欲望が渦巻く壮絶な世界が描かれているようです。

テレビでは純愛ドラマ風にアレンジされていますが今後どういう展開になっていくのか気になります。せっかく遅い時間帯に放送しているのだからテレビドラマの限界に挑戦して欲しい気もしますが、南沢奈央のあの芽衣を見ているとあまりドロドロした世界は似合わないような気もします。

続きが気になるのでついカンニング(=ネットで情報を仕入れる)をしてしまいますが、このドラマはなるべく先入観なしに楽しみたいと思います。

さて、第3話ですが、芽衣(南沢奈央)と敦史(溝端淳平)は中学3年になりました。クラスも同じです。1年先輩の悠哉(矢崎広)は中学校を卒業して高校生になっているはずですが、物語の進行上お役御免になったのかもう出てこなくなりました。どこの高校に進学したかも不明です。芽衣は失恋の痛手から立ち直って元気に学校生活を送っています。もっともドラマではアッという間に1年の歳月が流れています。1年間も夕日を眺めて感傷に浸っているわけにはいきませんよね。

芽衣の中学校で文化祭があって、芽衣のクラスは「占いの館」というのをやることになりました。クジ引きの結果、お客を連れてくるポン引き役が芽衣で占い師役が敦史に決まりました。文化祭の当日、敦史の占いは当たるというので大好評です(敦史はこっそり占いの本をカンニングしていた)。絶好調の敦史の隣りでは当たらない水晶占いをやっていました。「猫を飼っていますね」だって。

芽衣も占ってやるということになって、敦史は芽衣の誕生日を聞いてしまいます。芽衣の誕生日を聞いた敦史は愕然とします。4年に一度の珍しい誕生日(2月29日)は敦史も同じです。敦史に幼いころの記憶が蘇ってきます。幼いころにデコレーションケーキの板チョコを袋に入れてプレゼントしてくれたあの少女が目の前にいる芽衣だったことを敦史は確信します。芽衣は敦史があのときの少年だったことにまだ気がついていません。

    1度めの出会いは偶然で
    2度目の出会いは運命。
     もし、それが本当なら
 すれ違ってしまうのも、運命なのですか

第3話はここまでです。続きは来年です。うむ、楽しみじゃ。

ところで、芽衣のクラスメートにたかチャン(木村了)という大衆食堂のバカ息子がいます。ロックバンドの筋肉少女帯に憧れているひょうきんものです。たかチャンは基本的に芽衣が好きなのですが、ゴスロリのオタク少女・沙良(桜庭ななみ)にもなぜか優しいです。でもあんまり優しくすると勘違いするから気をつけたほうがいいです。変な女に好かれると後が面倒です。

来年の1月10日に放送される予定の第4話の予告編で、たかチャンが沙良に向って「オレは芽衣が好きだ」と言ってしまうシーンが出てきました。ひそかにたかチャンを恋していた沙良は失恋のショックに耐えられません。いつも孤独で妄想の世界に生きている沙良は恋敵(?)の芽衣に捨てゼリフを残して屋上から身を投げてしまいます。しかし早まった真似はしないほうがいいです。人生長いんだからそのうちいいこともあります。投身自殺が未遂に終わることを祈るばかりです。途中で木の枝にでも引っかかってしまいなさい。

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2008年12月20日 (土)

パナソニックは慈善事業団体か?

パナソニック、三洋電機と資本・業務提携で最終合意…TOBを実施へ
12月19日22時11分配信 レスポンス

パナソニックと三洋電機は、資本・業務提携契約を締結したと発表した。今後、株式公開買付け(TOB)で、パナソニックは、三洋電機のA種優先株式、B種優先株式の普通株式への転換後の議決権の過半数の取得を目指す。将来的には両社の組織再編も視野に入れ、両社は緊密な協業関係を構築する。

TOBは、国内外の競争法に基づいて必要な手続、対応を終えた後、可能な限り早期に実施する。
 
世界的な景気後退局面で、パナソニックと三洋電機は、既存戦略の加速だけでなく、成長性の更なる強化に向けた抜本的なアクションが必要との課題認識を共有。今回の提携により、両社がこれまで培ってきた技術やモノづくりの力を結集し、グローバル競争力強化に向けたシナジーを追求することで企業価値の最大化を目指すとしている。
 
TOBは全株式が対象で、買付価格は普通株式が1株当たり131円、A種優先株式・B種優先株式が1株当たり1310円の予定。
 
全株式の過半数が買付予定数の下限として設定する。三洋電機の大株主であるオーシャンズ・ホールディングス有限会社(ゴールドマン・サックス・グループの関連会社)、エボリューション・インベストメンツ(大和証券エスエムビーシープリンシパル・インベストメンツの完全子会社)、株式会社三井住友銀行は応募する見通しで、この3社のTOBの応募だけで優先株の普通株への転換後、議決権の70.5%を取得する。
 
パナソニックが三洋電機を子会社化後も三洋電機の上場は維持することで合意しており、上場廃止に抵触する場合は必要な手を打つ、としている。

優先株が普通株に転換されると三洋電機の発行済普通株式数は18.7億株から約60億株に膨れ上がります。三洋電機の時価総額を大甘に見積もって約3000億円としてもそのときの妥当株価は1株50円です。それをパナソニックは1株131円で買おうというのです。パナソニックの経営陣は何を考えているのでしょうか。三洋電機の優先株を保有する銀行や証券会社を儲けさせるためにパナソニックに損害を与えるような経営判断がまかり通ってもいいのでしょうか。不思議なことにまかり通ってしまうようです。

ちなみに、パナソニックが三洋電機の優先株4.28億株を1株1310円ですべて買取るには約5600億円の資金が必要になります。5600億という金額はNECの時価総額(約5000億円)を上回る金額です。

日本経済もいよいよリッチ企業(つまりパナソニック)の「慈善事業」に頼らないと回らなくなってきているのかもしれません。すさまじい時代になったものです。

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2008年12月19日 (金)

「赤い糸」・自分に嘘ついてまでいい子でいる意味わかんねえよ

「赤い糸」の原作はケータイ小説だそうですが、このドラマには甘くてほろ苦い思い出がぎっしりと詰まっています。どんなジジイやババアにも中学生のころというのはあったものです。「赤い糸」は遠い昔が懐かしく思い出される郷愁のドラマです。

ヒロインは中学2年生の芽衣(南沢奈央)です。芽衣には2つ年上の姉・春菜(岩田さゆり)がいます。芽衣は幼馴染みの悠哉(矢崎広)にひそかに恋心を抱いていましたが、悠哉が好きだったのは芽衣ではなく姉の春菜でした。芽衣は告白することもできないままに失恋してしまいます。芽衣が悲しい気持をグッと堪(こら)えて明るく振舞おうとするときの表情が実にいいです。複雑な胸中が言葉ではなく無言の表情によって表現されています。恋愛ドラマはこうでなくてはいけません。

芽衣が悠哉から姉の春菜が好きだと打ち明けられたとき、「あたしは悠哉が好き!」と叫んで泣き崩れたらどういう展開になっただろうか、などと想像しながら楽しんでいます。もっとも芽衣にそういう芸当ができるようなら告白できずに10年間も思い続けているなんてこともなかったと思います。ぶきっちょなところが芽衣の魅力でもあります。悠哉が芽衣に「春菜が好きだ」と打ち明けたのは、芽衣の気持を薄々感づいていて、芽衣に「あたしは悠哉が好き!」と言って欲しかったのかも知れません。そうでなかったら悠哉はいくらなんでも鈍感過ぎます。鈍感罪で死刑だね。

このドラマを観始めた時、最初は運命の赤い糸で結ばれているのは芽衣と悠哉だと思っていました。プロローグに出てきた自転車の少年も最初は悠哉だと思っていました。しかし、幼いころの芽衣と出会ったあの少年は悠哉ではなく敦史(溝端淳平)でした。神様が運命の赤い糸で芽衣と結びつけていたのはどうやら敦史だったようです。

中学2年生になって芽衣は敦史と同じクラスになります。席も隣り同士です。敦史は幼い日に出会った少女が芽衣であることに気がついているのかどうかは不明です。気がついていれば話をしないとおかしいですが、屈折していて偏屈な敦史は気がついていても話さないかもしれません。芽衣のほうは明らかに気がついていないようです。芽衣は幼いころの誕生日に敦史にチョコレートをプレゼントしたことも忘れているかも知れません。

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2008年12月17日 (水)

日電産が東洋電のTOB断念、長期化は株主価値損ねる恐れ

12月15日19時45分配信 ロイター
 [東京 15日 ロイター] 日本電産<6594.OS>は15日、東洋電機製造<6505.T>に対して行っていた資本・業務提携提案をこれ以上行わないと発表した。
 同日会見した永守重信社長は、交渉の長期化が日本電産の株主価値を損ねる可能性があるのを懸念したほか、2度行われた東洋電との会談をふまえ、「この経営者とは一緒にやっていけないと思った」ことなどが、交渉打ち切りを決定した理由と説明した。
 ただ、今後も鉄道分野に進出する意思に変わりはなく、「東洋電機以外にも世界には(モーターメーカーが)あるので、そのようなところに興味をもってみていく」と語った。
 日本電産は、9月16日に東洋電機に対し1株あたり635円で株式公開買い付け(TOB)を行うほか、業務提携の提案を行い、3カ月後の12月15日を提案書の有効期限日として交渉を続けてきた。紙面のやりとりのほか、両社の社長を含む会談1回、実務者レベルの会談も1回行われた。
 永守社長は、これ以上の提案を東洋電機に行わない決定をした背景と関連し、東洋電機の経営陣について「最初からこの案件(提案)をつぶしたいという前提で議論していたと思う。自分の会社の価値を上げるとか、格調高い視点が欲しかった」と非難した。
 そのうえで自身の経営戦略について、企業の価値向上には「M&Aがすべてだとは思わないが、(買収や資本提携をテコに成長する)方針を見直すつもりはない」と述べた。また、「(今回を)あきらめて無念、残念という気持ちもない。全然疲れていないし意欲はますます出ている」と語り、今後も積極的にM&Aを行う意欲をみせた。
(ロイターニュース 江本 恵美記者)

交渉打ち切りのニュースを受けて16日の東洋電機製造の株価はストップ安比例配分でした(258円)。TOBの思惑がなくなれば150円~200円程度が東洋電機製造の妥当株価だと思います。日本電産が提示した1株あたり635円というTOB価格はあまりにも破格です。(日本電産が親会社なら)会社の価値が毀損される恐れもありません。会社の将来を考えるならむしろ東洋電機製造のほうから資本・業務提携の提案をしてもおかしくない案件だったと思います。願ってもないような日本電産の提案に同意できない東洋電機製造の経営陣(&労働組合)というのは、自分たちの保身しか考えていないと思われてもしかたありません。日本ではこういう経営陣でも株主からクビにされないから不思議です。

これまで日本電産はM&Aに失敗したことはなく、今回が初めての失敗らしいです。日本電産が降りてしまったのは、3ヶ月が経過して今の相場環境ではさすがに635円のTOB価格は高すぎると考えたのだと思います。内心では東洋電機製造がゴネてくれてホッとしているかもしれません。

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2008年12月16日 (火)

がんばれジョニ男くん

「ライオンのごきげんよう」にイワイガワ(井川修司、岩井ジョニ男)というお笑いコンビが出ています。12日(金)から登場して今日が3日目です。井川修司は(見た目は)普通の人ですが、岩井ジョニ男は見た目が変です。トニー谷みたいなチョビヒゲで黒縁メガネをかけています。初日にわざとらしいヘタクソなギャグを連発してスベっていました。なんだこいつと思ってあまりいい印象ではなかったのですが、しばらく見ているうちに「こいつひょっとして面白いんじゃないの」という気がしてきました。慣れてきたらすっかり気に入ってしまって、2日目はジョニ男の顔を見てるだけで笑いこけていました。うーむ、なかなかいい味だしてるじゃないの。往年のトニー谷と植木等を合体してみすぼらしくしたような感じです。じわーっと漂ってくるそのみすぼらしさがいいです。

ジョニ男はタモリの付き人をしていたことがあるそうで若いんだか年寄りなんだかよくわからない怪人物です。公式(?)プロフィールは年齢不詳ですが、はしのえみよりひとつ年下の1974年生まれらしいです。技ではなく味で勝負するタイプの芸人ですね。がんばれジョニ男くん。

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2008年12月12日 (金)

米国は社会主義国家か?

米自動車救済法案めぐる協議が難航

12月12日13時36分配信 ロイター

 [ワシントン 11日 ロイター] 米上院の共和党議員は11日、140億ドル規模の米自動車メーカー救済策について、賃金や他の問題に関する労組側の譲歩の日程をめぐり、交渉が難航していると明らかにした。記者団に語った。
 複数の議会筋によると、妥協点を見出すため民主党指導部と交渉している共和党のボブ・コーカー上院議員は、2009年に労働者側の追加的な譲歩を求めているのに対し、全米自動車労組(UAW)側は譲歩の時期を2011年にしたい考えだという。
 共和党上院議員は、上院での法案採決がすぐにできるかどうか分からない、としている。

ここでいう「労働者側の追加的な譲歩」というのは「人件費を外国メーカー従業員並みに引き下げること」を指しているのだそうです。今さら何を言っているんだという感じです。唖然とします。破綻寸前で政府に救済を求めている企業の話とは思えません。

次期大統領のオバマ氏はビッグスリーの経営陣の高待遇を批判して「日本企業を見習え」といったそうですが、あきれるほどの高待遇は経営陣だけではなさそうです。米国の市場原理主義というのもけっこう表面的でいろいろと既得権による聖域があるのではないでしょうかね。自動車メーカーなどは親方日の丸(親方星条旗?)でどっぷりと社会主義思想に浸かっていたような気がします。

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2008年12月 8日 (月)

岡野宏文と豊崎由美の対談集「百年の誤読」を読む

面白い本を見つけました。「百年の誤読」(ちくま文庫)です。この本は、20世紀の100年間を10年ごとに区切って、各10年ごとに10冊、計100冊のベストセラー本を岡野宏文と豊崎由美が読んでその感想を率直に語り合うという構成になっています。ひとはそれぞれ感性が違いますから、同じ作品に対して評価が違っていても別に不思議はありません。なぜ評価が食い違うのかを考えながら読むと「百年の誤読」という本は結構奥深いです。それに、文豪と呼ばれているような大家の作品でも、いわゆる文学史的な評価は無視してあくまでも自分の感性による印象を述べているのがいいです。

たとえば、夏目漱石の「それから」の主人公・代助に対して、豊崎由美がこんな感想を述べています。

で、食卓につくと、<熱い紅茶を啜りながら焼麺麭(パン)に牛酪(バタ)を付けている>って、……プーのくせにっ!こういう小説読んで明治時代の庶民は反感覚えなかったんでしょうかね。

いいなあ、この感想。わたしは昭和生まれの庶民ですが、正直言って代助のものの考え方や生活ぶりにはムカッとしました。夏目漱石の小説に出てくる高等遊民のなかでも代助は最低最悪です。社会のダニです。それでいて社会のダニとしての自覚がありません。回し蹴りをくらわせてドブの中に放り込んでやりたくなります。夏目漱石は「虞美人草」の藤尾のような女が大嫌いだったようですが、わたしは「それから」の代助のような男が大嫌いです。「生れてすみませんぐらい言え、バカヤロー」といった感じです。「それから」を読むと太宰治が夏目漱石を徹底的に嫌っていた理由が何となく理解できます。

「百年の誤読」で紹介されているベストセラー作品で実際に読んだことがあるのは3割程度(おもに明治・大正時代の小説)ですが、未読の作品で是非読んでみたくなったのは谷崎潤一郎の「細雪」です。感想を読んだだけでも実に面白そうです(谷崎潤一郎は長生きしてしまったために著作権がまだ残っていて「DS文学全集」には収録されていない)。

「百年の誤読」には異論を唱えたくなる感想も出てきます。でも、個人の印象なんだから仕方ありません。人それぞれです。

岡野宏文は「百年の誤読」の序文で「本の世界には、昭和三十五年に謎がある」として、昭和三十五年を境にして読書傾向がガラッと変わっていることを指摘しています。単純に考えればテレビの影響ということになりますが、徐々にではなくたった一年で劇的に変化しているとなるとテレビの影響というだけでは説明のつかない何かがあるのかもしれません。まあ、岡野宏文の気のせいという可能性もあります。

「百年の誤読」は、第一章が1900年からスタートしているため、実際は101年になっています。誰もミスに気がつかなかったのか、「誤読」にちなんで愛嬌でわざとこうしてあるのかは不明です。

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2008年12月 7日 (日)

「風のガーデン」と総選挙

こんな記事を見つけました。

2008年12月4日(木)21時38分配信 時事通信

 自民党の杉村太蔵衆院議員(比例代表南関東ブロック)は4日夜、札幌市内のホテルで記者会見し、次期衆院選に北海道1区から出馬する考えを表明した。同党は同選挙区で新人の長谷川岳氏の公認を内定しているが、杉村氏は「どういう形になれ、最終的には国民の審判を受ける」と述べ、自民党の公認が得られない場合は無所属でも立候補する考えを示した。

注目したいのは小泉チルドレンの杉村太蔵氏ではなく北海道1区で自民党の公認が内定しているという長谷川岳氏です。「岳」という名前が気になって調べたところ、この人は学生時代に「YOSAKOIソーラン祭り」を創設した人だそうです。

テレビドラマ「風のガーデン」に「YOSAKOIソーラン祭り」が出てきました。そして主人公・白鳥貞美(中井貴一)の息子の名前が「岳」です。何も知らずにドラマを見ていましたが、もし「風のガーデン」の放映中に衆議院が解散されて総選挙ということになっていたら、「風のガーデン」というテレビドラマが選挙期間中に特定の候補を応援する形になっていたと思います。こういうのが公職選挙法違反に問われるかどうかわかりませんが、単なる偶然とは考えにくいです。むしろ総選挙があることを意識して「YOSAKOIソーラン祭り」を「風のガーデン」に組み込んだような気がします。何か嫌な感じです。変な政治色を持ち込まれるとせっかく面白かったテレビドラマが興ざめになります。がっかりです。

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2008年12月 6日 (土)

裁判員制度は憲法違反である?

受け取り拒否でも免除なし、候補通知未開封で返送の人も
12月5日16時13分配信 読売新聞

 来年5月に始まる裁判員制度で、裁判員候補者名簿に登録された人が、先月末に最高裁から郵送されてきた通知を開封せず、送り返すケースがあることが分かった。

 候補者が通知の受け取りを拒んでも、今後、裁判所からの呼び出しが免除されることはなく、最高裁刑事局は「通知には調査票が同封され、辞退を希望する月を2か月まで書き込める。まずは通知を開封してほしい」と呼びかけている。

 裁判員候補者への通知は先月28日、普通郵便で全国の候補者約29万5000人に送られた。ただ、普通郵便は開封しないまま「受け取り拒絶」などと書いてポストに入れると、差出人に返送される。北海道在住の30代の男性は「自分には人を裁く資格などない」という考えから、未開封の通知を最高裁に返送したという。

 最高裁は、受け取り拒絶で通知を返送した人については調査票への回答がなく、辞退を希望する時期がないものと見なすとしている。

裁判員に選ばれてしまった国民が正当な理由なしにこれを拒否をすれば罰せられるそうですが、そういう法律は法律そのものが憲法違反ではないでしょうか?

日本国憲法の関係ありそうな条文をピックアップすると、

第十一条【基本的人権の享有と性質】
 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

第十八条【奴隷的拘束及び苦役からの自由】
 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

第十九条【思想及び良心の自由】
 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

幸せそうにとんかつを食べている国民がいたとします。裁判員制度はその国民を強制的に屠殺場につれていって豚の屠殺作業に従事させようとしているようなものです。

プロの裁判官というのは人を裁くという苦役に従事しているから高額な給料を貰っているのだと思います。同じ仕事をただ同然のはした金でしかも法律で強制して国民にやらせようというのはどうも納得がいきません。

まあ、どうしても嫌なら行政罰を受けなさい(=罰金を払いなさい)ということのようです。

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2008年12月 5日 (金)

「風のガーデン」は大人のドラマです

最近「風のガーデン」を録画して観ています。面白いです。このドラマは末期癌に冒された麻酔科医の白鳥貞美(中井貴一)が主人公です。貞美は弱い人間で女グセが悪く、不倫をして妻は自殺、勘当されて故郷の富良野には住めなくなりました。

下半身にだらしのない貞美ですが医者としての腕は確からしく東京の病院で頼れる麻酔科医として働いていました。しかし、私生活はあいかわらずで、愛人だの恋人だのじっこんの間柄の女友達だのがあっちにもこっちにもいたりしてヘラヘラしています。そんな貞美に天罰が下りました。すい臓癌です。貞美は自分が末期癌で余命いくばくもないことを知ると、死に場所を求めたのかそれれともこの世にまだ未練があったのか、医療器具が搭載されたキャンピングカーに乗ってこっそりと故郷の富良野に帰っていきました。富良野には訪問医をしている厳父(尾形拳)とガーデンで働いている二人の子供がいます。昔なじみの友人もいます。現代版「父帰る」のような物語です。

「風のガーデン」は映像が綺麗です。平原綾香のテーマソングも心に沁みます。こっそり会いにきた自分の父親(中井貴一)を大天使ガブリエルと信じて疑わない岳くん(神木隆之介)がとてもかわいいです。岳くんは知的障害を持っていますが、音感と記憶力は異常に発達しています。ピアノの音がちょっとでもおかしいとすぐ気がついて直してしまうし、ガーデンに咲く花にお爺ちゃん(尾形拳)が気まぐれでつけた花言葉を一度聞いただけで覚えてしまいます。お爺ちゃんは忘れても岳くんはしっかり覚えています。どこで覚えたのか「無礼者!」などと言ったりもします。わたしはすっかり岳くんのファンになってしまいました。

「風のガーデン」も最終回が近づいてきましたが、岳くんは最後まで大天使ガブリエルが自分の父親だとは気がつかないのかもしれません。

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2008年12月 2日 (火)

綾小路きみまろ大人気

今年も歳末福引大売出しの季節がやってまいりました。福引の特別賞はなんと

    「綾小路きみまろ爆笑ライブ100名様ご招待」

です。2009年2月8日(日)に伊勢原市民文化会館で綾小路きみまろの爆笑スーパーライブがあります。チケットの一般販売はすでに終了のようです(全席指定5500円)。見たい人は福引で当てましょう。

中高年のアイドル・綾小路きみまろは奇跡の漫談家です。あの絶妙の間合いはちょっと真似ができません。落語でもあそこまで面白いのはめったにないと思います。世の中には2種類の人間がいます。綾小路きみまろの面白さがわかる人とわからない人と。

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2008年12月 1日 (月)

二葉亭四迷の「平凡」を読む

二葉亭四迷の「平凡」は39歳の貧乏文士が恥多き半生を告白するというスタイルの小説です。ある意味では自然主義のパロディ小説ともいえます。

近頃は自然主義とか云つて、何でも作者の経験した愚にも附かぬ事を、聊(いささか)かも技巧を加へず、有りの儘に、だらだらと、牛の涎(よだれ)のように書くのが流行るそうだ。好い事が流行る。私も矢張り其(それ)で行く。

二葉亭四迷は小説の中でこのような悪たれ口を叩いていますが、これを嫌味ととるかユーモアと感じるかは意見の分かれるところだと思います。いずれにしても「平凡」という小説は決して牛の涎のような小説ではありません。緻密な心理描写が冴え渡っているし、落語的な可笑し味もあります。「作者の経験した愚にも附かぬ事」を装いながら実はフィクションだったりもします。とにかく面白いです。

「平凡」にはひとつのエピソードとして主人公が少年時代に仲良くしていた愛犬の思い出が出てきます。この愛犬はポチといいますが、犬殺しに殺されてしまいます。愛犬家にとって飼い犬がいかなる存在であるのかを知るのに二葉亭四迷の「平凡」はかなり参考になると思います。「平凡」を読むと、元厚生次官連続殺傷事件の容疑者の「飼い犬の仇(あだ)討ち」という動機がそれほど不可解ではなくなってきます。もちろん殺人はもっての他だし元厚生次官を標的するというのは全くの筋違いです。でも、仇(あだ)討ちをしたかったという気持は何となく理解できます。

「犬の仇」不可解な動機解けるか 元厚生次官ら連続殺傷
11月30日0時39分配信 産経新聞

 元厚生次官ら連続殺傷事件は、小泉毅(たけし)容疑者=銃刀法違反容疑で逮捕=が警視庁に出頭してから29日で1週間。小泉容疑者は「飼い犬の仇(あだ)討ち」「官僚は悪」と一貫して供述しているが、34年前の心の傷が元次官を標的にした連続殺害計画につながるのか、不可解さは消えない。勾留(こうりゅう)期限の12月4日にも、さいたま市の山口剛彦さん(66)夫妻殺害で、埼玉県警が殺人容疑で再逮捕する見込みで、捜査の焦点は謎の多い動機の解明に移る。

この事件の容疑者に二葉亭四迷の「平凡」を読ませたら号泣するのではないでしょうか。

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