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2009年2月10日 (火)

「考える人」(坪内祐三著・新潮文庫)を読む

この「考える人」という本は16人の作家・評論家の人物論です。表紙が小林秀雄、裏表紙が福田恆存で、その間に14人が挟まっています。しかし「考える人」というタイトルはかなり強引です。ある人にとっては歩くことが考えることであったり、ある人にとっては考えないことが考えることであったりします。つまりみんな考える人です。パロディで「考えない人」という本はありませんが、そういう本が出て来てもおかしくない内容の本です。

ただこの「考える人」の中には本格的な考える人も出て来ます。坪内祐三は福田恆存から次のようなことを学んだといいます。

紋切り表現を馬鹿にしてはいけない。紋切り表現を使う時にはそれに自覚的であること。いけないのは無自覚の紋切り表現である。いや本当に無自覚な紋切り表現ならかまわない。いけないのは紋切り表現を馬鹿にしていながら無自覚で紋切り表現を使うことである。

たしかに新聞記事のような紋切り表現(=様式化された型通りの表現)を無自覚に羅列しているようでは優れた文学者にはなれません。福田恆存からこういうことを学んでしまう坪内祐三が実は一番考える人だったというのがこの本のオチなのかもしれません。

巻末の解説を考えない人(のふりをしている)南伸坊が書いています。

はじめから、空虚なくせに、にやにや笑う。「空虚のふり。」   (太宰治)

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