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2009年6月18日 (木)

津島美知子の「回想の太宰治」(講談社学芸文庫)を読む

「戦中戦後の十年間、妻であった著者が、共に暮らした日々のさま、友人知人との交流、疎開した青森の思い出など、豊富なエピソードで綴る回想記」です。

「回想の太宰治」を読んでいると、著者の端正な人柄がひしひしと伝わってきます。こういう人でなければ長くは太宰治の奥さんは務まらなかっただろうと思います。太宰治は見栄っ張りで虚言癖のある飲んだくれの女たらしでした。作家としての才能がなければ、生活力の欠落した単なる粗大ゴミです。

決して恨み節というのではなく、半ばあきれながら、半ば愛情を込めて、等身大(と思われる)の太宰治のあんなことやこんなことが綴られています。

太宰治が玉川上水に入水した翌年の昭和24年、国学院大学で催された「太宰を偲ぶ会」の座談会で、国文学の巨人・折口信夫は、無頼派の作家・太宰治をこう評したそうです。

   「天才とは矛盾だらけのものですよ」

この一言は私の胸にいしぶみのように刻まれた。矛盾だらけ、ほんとうに、矛盾のかたまりのような人だった。先生に言われて、はじめて納得いったような気持で、生前の太宰を回想するたびにこのお言葉が同時に蘇ってくる。

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