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2009年7月 1日 (水)

旧郵政公社のバルクセールについて・その2

不動産の売却に関して、旧郵政公社は一般競争入札でもっとも高い価格を提示したところに売却先を決定していたはずです。一部の特殊な事例だけを取り出してきてそれがすべてであるかのように叩き売りだの安売りだのと吹聴するのは品性下劣というものです。透けて見えてくるのは建前とは別の政治的思惑です。

政治的思惑、つまり郵政民営化の妨害を意図して叩き売りだ安売りだと騒ぐならそれはそれとしてしかたがないと思います。政治なんて所詮は手段を選ばない権力闘争ですから。でも、郵政民営化に反対なわけでもない一般の国民が、何も知らずに「叩き売りだ安売りだ」と思い込まされているとしたら、「あんた、目を覚ましたほうがいいですよ」といいたいです。

だいたいリスクもなしに転売してぼろ儲けができる物件なんてめったやたらにあるものではありません。世の中それほど甘くはないです。もしそういう物件があれば、必ずもっと高く買うという業者が出てきます。

個別の売却だろうとバルクセールだろうと、リスクを考慮してある程度儲かるかも知れないというギリギリのところで売却価格は決まっているはずです。

もちろん環境に恵まれていて不動産市況が右肩上がりのときなら、いつ買っても半年後1年後に転売すれば、ほとんどの場合に譲渡益が期待できます。しかし、いつ需給バランスが崩れて不動産価格が暴落するかわからないというリスクは常につきまといます。そのときは気がつかなくても振り返ってみたらバブルの絶頂期に目一杯売るに売れない不動産を買い込んでしまっていた、なんてことはよくある話です。

リーマンショック以降、去年から今年にかけて不動産関係の上場企業がバタバタと倒産しています。今年に入ってからだけでも以下の上場企業が逝ってしまいました。

1月 9日   クリード  負債総額650億円
2月 5日   日本総合地所  負債総額1975億円
2月13日   ニチモ  負債総額757億円  
3月10日   パシフィックHD   負債総額1636億円
3月12日   エスグラントコーポレーション   負債総額191億円
3月30日   アゼル・負債総額442億円
4月24日   中央コーポレーション  負債総額340億円
4月30日   ライフステージ   負債総額113億円
5月29日   ジョイント・コーポレーション   負債総額1476億円

ジョイント・コーポレーションは去年の9月にオリックスが総額100億円の第三者割当増資を引き受けて支援していた会社です(会社更生法申請)。ぼろ儲けどころかこれが100年に1度といわれている大不況の現実というものです。

結果論になりますが、旧郵政公社がこれまで実施した不動産売却はすべて成功だったといえます。今後これまで以上に高く売れる可能性はほとんどありません。

現在の日本郵政が直接保有している不動産は簿価で1400億円分あるそうです。この多くは売却対象だろうと思いますが、売却予定だったのに売却が間に合わなくていまいまだに保有している不動産はすべて失敗です。結果論的には「なぜもっと早く売らなかったんだ!!」ということになります。今や高く売るどころか売ること自体が困難な状況になりつつあります。

旧郵政公社の不動産売却で、もし何か問題があるとすれば、高い価格を提示した入札者がいたにもかかわらず、それを無視して低い価格を提示した入札者に売却した場合です。もしそういう事例があればこれは背任行為です。告発しなくてはいけません。もしそうでなければ、売却方法に多少の上手い下手があったからといって、姑の嫁イビリみたいなことはやめて、友愛の精神で大目に見てあげようではありませんか。

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