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2009年9月 9日 (水)

「ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~」・第9話を観る

あのさあ。直輝(山下智久)が寄り道していたとしても、せいぜい10分か20分程度の話ですよ。それ以上は何もなかったと思うのですがね。練習が早く終わったとしたら、多少寄り道したとしても約束の時間には間に合ったのではないですか。それにあの公園はアパートの部屋から見えるんだから、莉子(北川景子)がわざわざ土砂降りの雨の中で傘を差して待っているというのは不自然ですよ……まあいいか。

ところで、いくらお寿司が好きでも毎日お寿司ばかり食べていればたまにはラーメンが食べたくなりますね。それが人情というものです。でもね。そういう現実的な人間の心理(浮気心やスケベ心)を恋愛ドラマ持ち込んでしまうと、身も蓋もなくなってしまいます。

 誤 → 純愛ドラマはキレイごとじゃない

 正 → 純愛ドラマはキレイごとだ

優れた小説というのはパーツはすべて虚構であるのにその虚構の積み重ねがひとつの真実を表現していたりします。テレビドラマだって事情は同じです。現実にはありえない「キレイごと」にいかにリアリティを与えるか、それが恋愛ドラマの肝です。奇を衒って意表を突くだけのドラマが面白くないのはリアリティがないからです。ここでリアリティというのは、虚構の積み重ねが生み出す真実味のことです。
 

さて、「ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~」・第9話ですが、莉子にとっては大変つらい展開になってきました。直輝に抱きしめられたときの感触を思い出してニタニタしていられたのはほんの数週間のことでした。つかの間の幸せでした。好きな人(直輝)が何を考えているのか分からなくなってしまった莉子は疑心暗鬼に苛まれます。

莉子の疑心暗鬼は決して根も葉もない思い過ごしではありません。直輝が口でなんと言おうと、直輝自身が自分の本当の気持に気がついていないということもありえます。

(莉子の不安を視聴者に共有してもらうために)、直輝のこんな独白がありました。

「このときオレの頭の中には、莉子の笑顔じゃなくて菜月(相武紗季)の小さな後姿が浮かんでいた」

そりゃないでしょう、直輝くん!!

それから代々木廉(金子ノブアキ)の菜月評に直輝が激怒するシーンもありました。

「お前、よくあんな女と何年も続いたな。あいつやっぱ疲れるよ。みんなの前じゃ優等生気取りなのに中身はもろビッチだし……超性格悪いし、やっぱオレ無理だ……どこがそんなよかった?やっぱ顔?」

ビッチというのは、「不良、ふしだら、淫乱」という意味です。直輝に通じたかどうかわかりませんが、女性に対しては最大級の蔑みの言葉です。ここで廉に挑発された直輝は廉と殴り合いの大喧嘩をしてしまいます。直輝の無意識が「菜月が好きだ」と叫んでいます。

直輝の気持が信じられなくなって自分の不安や疑念を真正面からぶつける莉子に対して、直輝の言葉はあまりにも残酷でした。

 「莉子は……オレと菜月のこと知らないだろ」

そりゃないでしょう、直輝くん!!

菜月によって植えつけられた不安が莉子の心の中で膨らんでいきます。月9のようなテレビドラマでそういう展開が許されるかどうかわかりませんが、小説の世界では不安定な恋愛状態に耐えられなくなってやがては発狂したり自殺したりというのはよくあるパターンです(村上春樹の小説とか)。特に莉子のような真面目な女性は気をつけなくてはいけません。

ところで、今回、なんといってもかっこよかったのは麻衣(貫地谷しほり)です。

 「とにかく、莉子を不幸にするようなことがあったらあたし許しませんから」

こう言って、キッと直輝を睨んだときの顔がすごくよかったです(うーん、寝てみたい)。秀治(溝端淳平)にはもったいないですね。

今回も悪女・菜月は全開でした。あの神をも恐れぬ底意地の悪さには恐れ入ってしまいます。ただ菜月も宇都宮さん(永井大)といるときだけは何だか別人のように素直です。宇都宮さんの片想いの人って、ひょっとすると菜月かもしれませんね。

川崎ヘッドコーチ(伊藤英明)は予定を繰り上げて帰国してきました。そして突然亡霊のように莉子のアパートに現れました。莉子は直輝が好きであることをはっきりと告げてプレゼントの指輪を返そうとします。そういうことならと半ば諦めかけた川崎ヘッドコーチでしたが、直輝に本当に愛されているのか、莉子のこころは確信が持てずに揺れていました。ラストは莉子の一瞬の心のすきを突いて、川崎ヘッドコーチが莉子を抱きしめてしまうシーンでした。それを拒絶できない莉子というのはあまりにも悲しすぎます……見たくないシーンでした。

このドラマも来週は「最終章」ということです。もう終わってしまうのでしょうか。再来週(9月21日)まであると思っていたのですが……。
 

最後に一言。北川景子って、すっぴんのほうがかわいいのではなかろうか、清楚な感じで。

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コメント

こんにちは

直輝と約束した時間が[19時には行けると思う]、で
莉子が携帯で時間を確かめた時刻が19:21

で、次のシーンが
菜月[別れた女に、こんな中途半端に優しい事しないで]
  [行かないで]

で、その後、心配になった莉子が直輝に電話した
時刻が19:27、でも繋がらない

そして直輝が[用事あるんだ]と菜月を見送り
雨の中を走り途中で電話するけど電池が切れていて繋がらない
そこから必死に走って公園に向かったので
19:30は確実に過ぎているかと

まぁ時間の事は置いておいて
莉子が公園を離れなれなかったのは
アパートに戻ったらすれ違いで直輝が来るではないか
という思いと、少しでも早く会いたいという気持ちが強くて
その場を離れなれれないという微妙な心が伝わってくる
とても良いシーンだと思って見てましたよ

投稿: 銅鑼魔湖 | 2009年9月11日 (金) 08時55分

銅鑼魔湖さん、はじめまして。コメントありがとうございます。
 
せっかくのところケチをつけてすみません。このドラマ基本的には好きなんですよ、ケチをつけたくなるくらい。全体として、莉子の気持はどんどんエスカレートしていくのに、直輝のほうはストイックでさめているといった温度差の感じはよく出ていたと思います。
 

ついでだからもうふたつばかりケチをつけさせてください。
 
アパートのキッチンで直輝が麻衣に、莉子のことは川崎さんが帰国したらきちんと話をするからそれまではみんなには黙っていてくれと頼むシーンがありました。聞かれもしないのにです。
 
麻衣は莉子と直輝の現場を目撃しているし、莉子に聞いてもいるでしょうから莉子と直輝の親密になった関係を知っていても不思議はありません。でも、麻衣が知っているということをどうして直輝が知ったのでしょうか?直輝が自分から言い出さない限り、麻衣は知っていても知らない振りをしていたと思いますよ、たぶん。
 
それからロッカールームで直輝と廉が殴り合いの喧嘩をするシーンがありましたが、あのときの廉のセリフも不自然でした。廉は聞かれもしないのに自分のほうから自発的に菜月のことをあーだこーだと話すようなタイプの男ではありません。直輝に問い詰められて、かったるそうに「じゃあいうけどよ」という前置きが欲しかったです。

投稿: むぎ | 2009年9月11日 (金) 22時54分

こんにちは

ケチ1.
麻衣が気づいているという事を直輝が知ったのは直前のセリフ

 麻衣[また集めているのそのシール、
   もう一個貰ったら上矢くんにあげるんだって]

 直輝[そうなんですか]

莉子がマグカップがもらえるシールを直輝のために集めていると
聞いた時だと理解しています


ケチ2.
インカレで直輝に負けた年に留学するなど直輝に対して
尋常でない対抗意識を持っている廉は菜月を奪って捨てる事に
優越感と少し挑発してみたい気持ちが絡まり、ついポロっと
口を滑らせたと理解してます

投稿: 銅鑼魔湖 | 2009年9月12日 (土) 08時56分

銅鑼魔湖さん、貴重なご意見をありがとうございます。

その1
マグカップのシールですか……なるほどです。少し納得しました。

直輝 「それまで、莉子のこと、秀治とか、ほかのみんなに言わないでもらっていいですか」
麻衣 「(すっとぼけて)何のことですか?」
直輝 「えっ!?」
麻衣 「あたし何にも知りませんけど」

こういう展開もありだったです。それにしても麻衣が知っているのに秀治が知らないと思っている直輝も相当おめでたいです。
  

その2
直輝は雨の日の菜月の様子から菜月と廉の間に何かあったのではないかと考え始めていたと思います。さらにその後、廉がしおんと仲良く肩を組んで歩いている現場を目撃したりもしています。ロッカールームで廉に近づいていったのは直輝のほうからでした。直輝が廉に話しかけたほうが流れとしては自然だったと思います。

録画を見直してみると、黙っていても直輝が話しかけてくる雰囲気を察知して、廉が「聞かれる前に言ってやれ」という感じで切り出したようにも受け取れます。ここは、しばらくふたりが並んだままでどちらが先に切り出すかという気まずい沈黙のシーンが欲しかったです。

投稿: むぎ | 2009年9月12日 (土) 21時07分

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