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2009年11月27日 (金)

小池真理子の「無花果の森」を読む・第15回(11/26)

新谷泉はホテルを出て、岐阜大崖のさびれたアーケード街を歩いていました。

地方都市の商店街というのはどこでも似たようなものです。スーパーとコンビニとファーストフードなどのお店がしのぎを削っていますが、すべて大手のチェーン店です。昔ながらの個人商店はほとんど壊滅状態です。個人商店でもかろうじて元気なのは、鮮度で勝負ができる魚屋と八百屋と精肉店ぐらいなものです。

岐阜大崖の商店街も衰退が進んでいます。定休日でもないのにお店の「三軒に一軒はシャッターが閉じられたまま」です。

開いている店にも人影は見えない。それなのに、アーケードに取り付けられた拡声器からは、場違いなほど賑やかな音楽が流れ続けていて、時折、そこに甲高い女の声が混ざる。

地方都市の商店街に流ている音楽というのは、そのときに流行っているテレビドラマの主題歌だったりすることが多いです。時には昔の洋画(「ブーベの恋人」とか「夕陽のガンマン」とか)のテーマ曲が流れていたりもします。いくらなんでもひど過ぎると思ったのは、ベートーベンの「エリーゼのために」が閑散とした商店街に大音量で流れていたことがありました。完全なるミスマッチです。

それから、街頭放送のアナウンスが「アニメの女の子のような声」ならまだマシなほうです。黄色い声のお婆さんが奇妙な抑揚をつけたしゃべり方でアナウンスをしている商店街もあります。

 

挿絵に描かれている岐阜大崖の街は、浮世離れしたゴーストタウンのような雰囲気で不気味です。泉のような世捨て人がひっそりと住むにはふさわしい街かもしれません。泉はどう思っているのでしょうか……もう東京に帰りたくなったかな?

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