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2009年11月 1日 (日)

母屋ではおかゆ 離れではすき焼き

第156回国会 財務金融委員会 第6号(平成15年2月25日(火曜日))

○上田(清)委員 プライマリーバランスをゼロにする、そういう方向性については賛同するところですが、具体的にはどんな形でなされる予定ですか。

○塩川国務大臣 私は、これには大変な構造改革が必要だろうと思うんです。
 その構造改革の中身を言いますと、まず、社会保障関係です。これの財政負担の問題を、きちっと、給付と、それから負担の関係をもう一度見直していく必要があるだろう。このままの制度の延長でいきましたら、いたずらに負担のみがふえてきて、財政的に行き詰まってしまうのではないかという心配を実はしております。ですから、この社会保障全般、四つ現在、医療、年金、介護、雇用、ございますが、この全体、セーフティーネットを見直していくということが大事だと思っている。
 それから、二番目の問題は、国と地方との財政のあり方です。この問題の中に一番大事なのは、シビルミニマムあるいはナショナルミニマムの限度というものをどの程度に見ていくかということでございまして、行政の質と量との関係をしっかりと見直していく。いわゆる高度経済成長時代と現在とは、そこに構造的な見方を変えなけりゃならぬのじゃないか。
 それからもう一つは、公共事業のあり方でございますが、一つは、公共事業の量というものも大事だと思いますけれども、同時に、質、仕様書をやはりもう少し現実的なものに見直していかなきゃならぬ。何でもかんでも特注特注、特注の名のもとにおいてコストを非常に引き上げていくということは、公共事業全体についての執行にやはり障害になってくるのではないかと思っております。
 この三つの柱、これをきちっと、小泉政権の中で明示したものをきちっとして、その上で将来の財政の予測をしっかり立てることだ、私はそう思っております。

○上田(清)委員 大枠で基本的には正しいと思いますが、何よりも一番今問題なのは、予算委員会でも御指摘をさせていただいておりますけれども、財政の仕組みの中で、一般会計、特別会計というふうに分かれて、三十二の特別会計、金額にすれば三百六十九兆、ダブルカウントとかいろいろ除けば二百六十兆、二百三十兆ぐらいになるかと思いますが、いずれにしても、財務省、財務大臣として熱心にさまざまな改革の提案をされても、事実上、各省庁にまたがっています特別会計に、財務省の所管でない特別会計の部分に関しては、いわば余りメスが入れられないような仕組みになっております。
 事務方にもいろいろ聞くと、なかなか財務省というのは弱いんだというような話を聞きまして、本当かなと思うんですけれども、そうだというようなこともお伺いしたりしているんですけれども、とにかく、一般会計八十一兆七千八百九十億七千七百六十六万六千円というこの数字が、いきなり五十兆ぼんと特別会計に入ってしまう、そして二十兆は補助金で流れてしまう、こういう仕組みを変えない限り、基本的には難しいんじゃないかというふうに私は思っています。
 4の図式を見ていただければ、日本国の金の流れは、財政そのものは実は特別会計だ、一般会計じゃない。本当の財布は特別会計だ、ここにメスが入らないじゃないか、私はこんなふうに思います。
 しかも、5で、たまたま経済産業省の予算額、八千八百九十億を見ていきますと、他会計への繰り入れで半分は使ってしまって、そしてまた、関係団体に、委託費だ、調査費だ、補助金だ、補給金だ、出資金だ、拠出金だ、分担金だ、貸付金だといって、大半を他の会計に入れてしまうんですよ。つまり、経済産業省としては、人件費その他で一割も使わない。全部補助金システムで流しているじゃないですか。ここに特殊法人や公益団体やらが巣くって、むだ金を使っているじゃないですか。
 ありましたよ。経済産業省で、とにかく雇用をふやすんだということで、全国チェーンストア協会に二億円の補助金を出した。さる高名な経済学者に講演料で百五十万を渡す。そして、そのコンビニエンス協会の方にほとんどの委託調査費を渡して、じゃ、そこで何が雇用につながったかなんというのは何の検証もなされない。わずか二億円ですけれども、この経済産業省のでは百億ぐらいのオーダーは山ほどありますよ、各種団体に、調査費、委託費。
 こういうのにメスを入れない限りこの国はよくならない、私はそう思っておりますが、大臣、御所見はいかがでしょうか。

○塩川国務大臣 この件につきましては、十日ほど前でしたけれども、予算委員会で上田さんが指摘されましたね。私は、それを、非常に感銘を持って拝聴しました。というのは、私も、事実、ずっと長い議員生活の中では、これは実は疑問を持っておった点なのであります。要するに、母屋ではおかゆ食って、辛抱しようとけちけち節約しておるのに、離れ座敷で子供がすき焼き食っておる、そういう状況が実際行われておるんです。本当に私はそういう感じを持っておるんです。
 だったら、これをどうするのかということ、これについては、私一人の力ではとてもできるものじゃありません。政治の動きがずっとそっちへ流れていってしまった。そこに小泉の言っている構造改革が、行政改革の本体はそこにあると私は実は思うておるんです。これには、やはり国会の方も協力していただいて、要するに改革していかなきゃいかぬ、私は本当にそう思うておりまして、省内にも勉強する機会をつくっておるということでございまして、おいおいそれをやっていきたい。
 なかなか、そうは言っても、私は非力でございますからとてもできないけれども、しかし、言うことは言うていかなければこれはできない問題だと思うし、といって、言ったからといって、ようかんをかみそりで切ったようには、ぽっとあしたから変わるんや、そういううまいことはいかぬ。
 けれども、おっしゃる方向は、私は確かだ。まず、特殊法人を今度は改めていきますね、それから公益法人を改める。それから特別会計というのをやっていく。これはまさに、特別会計というのは護送船団の名残なんです。ですから、これはやはり真剣に見直していかないかぬ。けれども、特別会計というのは、それぞれの目的があってつくったんですから、その目的をきちっとやってくれるんだったらそれでいいですけれども、そこからルーズになっておるものが相当あると思いますので、その点をまず見直していくことが大事だと思います。

○上田(清)委員 ぜひ、財務省、あるいは横断的にでも、特別会計の見直しのプロジェクトをつくっていただきたいというふうに思っております。
 そこで、特別会計の方でも人件費を出したりしておりまして、どこにどんな人件費があるのかわからなくなってしまうぐらい、あちこちで、勘定ごとに人件費を出したり出さなかったりしております。それで、予算書を全部足し算するのも大変ですので、とりあえずは人数の少ないところだけ、足し算したり人数で割ったりしました。
 これ、資料の6ですが、人事院が発表するところの国家公務員の平均給与は六百二十七万だ、四十歳でですね。ところが、この6を見ていきますと、会計検査院、人事院、総務本省、外務本省、文部科学本省、これは人数の少ないところだけ選んだんです、足し算と割り算が簡単で済むように。そうすると、どれもこれも一千万ぐらいになっておる。いやいや、諸手当があるんです、管理職手当があるんです、超過勤務手当があるんですということで、こうなっているわけなんですと。(発言する者あり)実際はもっと高い、そういう場外からの声もありますが。
 何かこの辺が不思議でならないんですが、これ、杉本次長、国の予算で人件費の割合というのはどうなっておるんですか。どこにも書いていない。大体大枠で、御存じであれば教えてください。

○杉本政府参考人 今手元に資料がございませんので正確なことは申し上げられませんので、私の記憶で、間違ったらまた訂正させていただきます。
 一般会計の人件費で大体十兆円というふうに考えております。十兆何がしかだったというふうに記憶しております。これには、いわゆる義務教育の国庫負担金、三兆弱でございますが、それも含んで、かつ、先生のおっしゃる諸手当も含んだところの人件費の総額というふうに御理解していただければと思っております。

○上田(清)委員 今言われたのは一般会計だけですよね。特別会計に山ほど出ていますね、人件費が。
 そうすると、わけがわからなくなるんですね。例えば、地方の、県だとか市町村の平均的な人件費の割合は、歳出の中で大体三五%から四〇%ぐらいが多いんですけれども、国の歳出の中で人件費の割合は一体どうなっておるかという資料がないんですね。あちこち隠れているからわからなくなっているんですよ。これも不思議なもので、何かわざと隠しているんじゃないですか。違いますか。

○杉本政府参考人 手元に資料がございませんが、一般会計と特別会計を合わせました人件費総額が幾らになるかという資料も公表できると思っていまして、その数字はまた後刻にでもお知らせしたいと思っております。
 それから、結局、国全体の経費構造がどうなっているとか、そういう話もございますので、財政制度審議会の中で公企業会計小委員会というのをつくりまして、国全体の姿というものを、民間の企業会計の手法も活用しながら、どういった形でディスクローズしていくのがいいのか、どういった形で説明していくのがいいのかということを今検討していただいているところでございまして、そういった成果を踏まえまして、国の財政の中でそれぞれどういった経費がどういうふうに使われているのか、一般会計、特別会計、それから特殊法人、それから独立行政法人、そんなものも、そこまで視野に入れて、いろいろ検討していかなきゃいけないと思っておりまして、そういった検討を進めさせていただいているところでございます。

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