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2009年12月 1日 (火)

小池真理子の「無花果の森」を読む・第18回(11/30)

小説を読んでいると、知っている人は知っているけど知らない人は知らない歌手や楽曲や映画などが出てくることがよくあります。名前ぐらいでも知っていればいいのですが、まったく馴染みがないと白けてしまいます。

「無花果の森」にもいきなりアンディ・ウィリアムスが出てきました。アンディ・ウィリアムス(1927~)は1960年代に活躍した米国の国民的ポピュラー歌手です。どういう縁があったのか、1991年にはNHKの紅白歌合戦にも出場したそうです。しかし、日本では今や知らない人のほうが多いのではないでしょうか。

 

「軽食喫茶・ガーベラ」には有線放送からアンディ・ウィリアムスの洗練された甘い歌声が流れていました。

『ある愛の詩』が終わり、次に流れてきたのは『モア』だった。

「ある愛の詩」(1971)というのは次のような曲です。

 

そして「世界残酷物語」(1962)のテーマ曲「モア」というのは次のような曲です。

 

泉の夫の新谷吉彦は映画監督です。昔の映画のこともよく知っていました。

 その美しくロマンティックなメロディからは想像もつかないが、『モア』という曲が『世界残酷物語』という恐ろしいタイトルの映画のテーマ音楽だったことを教えてくれたのは、まだ恋人にもなっていなかったころの新谷吉彦だった。

泉は「まだ恋人にもなっていなかったころ」の吉彦のことを思い出していました。しかし、読者には泉と吉彦がいつ出合って、いつ結婚したのかが知らされていません。この「まだ恋人にもなっていなかったころ」というのが、3年前なのか、5年前なのか、それとも10年以上前なのか……まあ、とにかく結婚前の話です。

気難しいことで有名だった吉彦が、泉の前では、少年のように無邪気に熱っぽく映画について語っていました。泉にはそんな吉彦が「親しみやすい魅力的な男」に思えたようです。なるほど女はギャップに弱いのかも知れません。

 

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