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2009年12月 8日 (火)

「無花果の森」・第24回(12/7)

「日本映画・テレビスクリプター協会」(会員74名)というのがあって、HPでスクリプターの仕事を次のように紹介しています。

皆さん、そもそも『スクリプター』という仕事を知ってますか。監督の横にぴったりと貼りつき、撮影行程の全てを把握し、管理・記録するスクリプター。女性の専門職と言われてますが、いったいどんな仕事なのでしょうか。

(中略)

まずは【準備段階】。
台本を読んでその台本がどのくらいの長さになるのか「時間(尺)」を出します。長い場合は監督に短くするよう提案もします。それから「衣裳合わせ」では、どんな衣裳を着るか、タバコは吸うか?時計やメガネは?設定が結婚しているなら指輪をしているか、など細かく決めて記録します。そして「美術打ち合わせ」で撮影の方法を話し合ったり、リハーサルにも立ち合います。

これで、やっと【撮影】クランクイン。
まずは監督のコンテを把握し、スタッフに伝えなければいけません。それから「スクリプト用紙」という紙に1カットにつき一枚づつセリフや動き、秒数などを細かく記録し、編集の方法をその紙を介して編集部に伝達します。そして、皆さんよくご存知の「芝居のつながり」も見なければいけません。撮影はシーン順に撮るわけではなく、バラバラに撮るので、いつも前後の事を考えます。髪は耳にかけていたか、目線はどうか、その時コップを左右どちらの手でどう持ち、水をどのくらい飲んだか、走ってきたのなら息遣いを荒くするところからつなげたり、"動き"や"セリフ"のテンションが自然につながるように配慮します。「歌」がある場合はあらかじめ録音した歌に合わせて唄う必要が出てきます。「つながり」と一口にいっても色々あるんです。その上、セリフが台本通りかもチェックしなければいけません。「音」についても理解していないとつながりません。勿論、出来あがった作品が長くなり過ぎないように時間の長さの管理もします。とにかくあらゆる事を予測しながら、編集のことを考え、全てが当たり前につながるように計算してゆきます。

そして【仕上げ】。
編集に立ち合い、監督のやりたい事を編集マンに伝えます。アフレコで役者さんにセリフを話すタイミングを指示したりします。ダビング(音楽や効果音、セリフの整音など)の準備をし、最後の最後まで立ち合います。 さぁ、映画が出来あがりました。でも、それでもまだやる事があります。「完成台本」です。 撮影前の台本と出来あがった作品はセリフも内容も順番も変わっています。ですから副音声用や海外字幕用に正しいセリフや芝居、効果音、音楽などを書き入れた"目で見る映画の台本"を作らなければならないのです。 やっと全てが終りました。スクリプターは準備から仕上げまで監督と常に共に行動し、監督の日々のテンションも把握・理解した上で現場の全てに対処するので『監督の女房役』などといわれるのかもしれません。

詳しくは → http://www.jss.sakura.ne.jp/scripter/scripter.html

こうした多岐に渡る仕事内容を考えると、スクリプターがしっかりしていれば、監督が少々クルクルパーでもいい映画は作れそうです。ベテランのスクリプターの中には、監督を尊敬するどころが、監督の馬鹿さ加減にうんざりしている人もいるのではないでしょうか。ある意味では、映画監督というのは、女房役のスクリプターに尊敬されるようになって初めて一人前といえるのかもしれません。

もっとも、ここで紹介されている仕事内容は、スクリプターの地位向上を目指している「日本映画・テレビスクリプター協会」によるものです。スクリプターの仕事を美化しているきらいはあります。実際は縁の下の力持ち的な大変な仕事なのだと思います。

「無花果の森」でも、「ベテラン技師たちからは、時にゴミでも扱うように無視され」たり、意地悪な女優から「アルミの灰皿を投げつけられたり」して、若き日の新谷泉さんもいろいろ苦労したようです。

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