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2010年3月15日 (月)

鳩山首相の上申書要旨

 母から何年間も毎年1億8千万円を出してもらっていたことは知らなかった。貸し付けか贈与かは分からないが、借用書などもないし、私の政治・個人活動のために使われたのなら、贈与を受けたものとして贈与税の申告・納税をするべきだと考えた。税を免れようという気持ちはなかった。

2009/12/24 22:17   【共同通信】

この資金提供は貸付でも贈与でもなく違法な寄附です。民法上の贈与というのは双務契約です。

 贈与とは「ただでものをあげること」というのが私たちの常識です。ところが民法上は、「贈与の当事者同士が贈与契約を交わすこと」をいいます。つまり、一方が自分の財産を相手方に「ただであげますよ」といい、相手方が「はい、いただきましょう」といってはじめて成立するわけです。
 当然、どちらかが知らないといったことはあり得ません。相続税の調査のときに「あなたはお父さんから毎年100万円贈与を受けていたのですか?」と聞かれて、「いいえ、そんな話は聞いていませんでした」といえば、贈与契約は成立していないわけで、その預金は「お父さんのもの」ですから、相続財産に含めて申告しなければならないことになります。

詳しくは → http://www.tabisland.ne.jp/explain/zouyo/zoyo_009.htm

鳩山首相は「天地神明に誓って」母親からの資金提供を知らなかったと主張しています。知らなかったということは双務契約という条件を満たしておらず、民法上の贈与は成立していなかったことになります。

贈与でないとすれば、寄附と考えるのが自然です。母親からの資金提供は、普通の人が普通に考えれば明らかに寄附行為です。

「政治資金規正法のあらまし」によると、違法な寄附に関する罰則に次のような規定があります。

3.没収、追徴
寄附の量的、質的制限等違反による寄附に係る財産上の利益については、没収又は追徴されます。
また、匿名による寄附及び政治資金団体に係る寄附で振込みによらないでなされたものについては、国庫に帰属し、その保管者等が国庫に納付することとなります。

詳しくは →http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/news_seiji/pdf/seijishikinkiseihou_all.pdf

母親からの資金提供を知っていたと言ってしまえば贈与契約が成立して贈与税を脱税していたことになります。そこで鳩山首相はどうしても知らなかったと言わざるをえません。ところが、知らなかったということになると今度は贈与契約が成立しないことになり、母親からの資金提供は違法な寄附ということになってしまいます。もし違法な寄附であると認定されれば全額没収です。

鳩山首相は上申書で「税を免れようという気持ちはなかった」としていますが、「全額没収を免れようという気持」はあったのではないでしょうか。

何とかして全額没収を免れようとして、母親からの資金提供を認識した時点(去年の12月)で贈与契約が成立したことにして、あわてて贈与税を納めたのです。しかし、長年にわたる違法な寄附を、発覚した途端に贈与ということにして贈与税を納めて取り繕うというご都合主義が法治国家で通用するのでしょうか。

これでお咎めなしということになれば、国税当局は脱税の取締りが非常にやりにくくなると思います。ことあるごとに鳩山首相の例が引き合いに出されて、納税者から悪質なな脱法行為を認めるよう要求されることになるのではないでしょうか。

今のところ、鳩山首相側は国税当局に相談してその指示に従ったというわけではなく、一方的に贈与ということにして、申告書を郵送して贈与税を振り込んでいるだけです。国税当局がそれでいいと言っているわけではありません。国税当局には政治的圧力に屈することなく公平公正に厳しい税務調査を実施してもらいたいです。

鳩山首相約5億7500万円を納税=事務所が発表?実母からの贈与で

2009年 12月 28日  14:08

 鳩山由紀夫首相の事務所は28日、偽装献金事件をめぐり実母から多額の資金を提供されていたことに関し、約5億7500万円の贈与税を納付したと発表した。首相は27日、記者団には約6億円の贈与税を納付していたと説明していた。

 同事務所によると、2002年から08年までの7年間にわたり計11億7000万円の贈与について申告書を郵送し、振り込みで納付したとしている。09年分の贈与9000万円についても今後、申告し、納付する。

 同事務所は「(首相が)資金提供を受けていた事実を知らず、申告していなかった」と説明。また、「この申告・納税に対して国税庁がどのような解釈・運用を行うのかは承知していない」としている。

 首相は27日午前、記者団に対し贈与税納付に関し「手続きはした。修正ではなく、申告して納税した」と述べていた。 

[時事通信社]

資金提供があっても、鳩山首相がそれを認識していない限り贈与は成立しません。2002年から08年までの7年間にわたる計11億7000万円の資金提供も、それがもし贈与だったとしても、贈与が成立したのは鳩山首相がそれを認めた09年12月です。去年の贈与は今年の3月15日(本日)までに申告して納税すればいいわけで、何もあわてて年末に納税する必要はなかったんですけどね。

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