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2010年4月 1日 (木)

小池真理子の「無花果の森」第113回(3/31)まで

泉が買い物から帰ってくると、玄関ドアの隙間に白い角封筒が挟んでありました。

 封筒の封は糊づけされてあった。表に「高田洋子様」と横書きで書かれていた。差出人の名はなかった。
 高田洋子、という泉の偽名を知っているのは、八重子の他に大崖のホテルのフロントマン、『ブルー・ベルベット』のサクラ、塚本鉄治しかいない。

 

封筒の中には、連絡してほしい旨の手紙が入っていました。手紙には塚本鉄治の署名と携帯の電話番号が記されていました。泉としては、いつまでも分からないことだらけでモヤモヤしているよりもはやく塚本と会って、何がどうなっているのか納得のいく説明をしてもらいたかっただろうと思います。

 電話してみよう、と泉は思った。塚本からこのような形で手紙を届けられてみて初めて、泉は自分のほうこそ、一刻も早く彼と連絡を取りたがっていたことを思い知らされた。

 

ところで、「タカダ」という苗字を漢字で表記する場合、必ずしも「高田」であるとは限りません。鷹田や貴田の可能性もあります。名前の「ヨウコ」となると、容子、洋子、曜子、葉子、陽子など、候補はいくらでもあります。塚本鉄治は「タカダヨウコ」の漢字表記がなぜ「高田洋子」だとわかったのでしょうか。

泉にとっては、名刺を見せられるまでは「塚本鉄治」は「ツカモト」でした。電話で「ツカモト」とだけ名乗られても、「塚本」なのか「塚元」なのか、はたまた「柄本」なのか、「ツカモト」を漢字でどう書くのかわからなかったからです。

今回、泉宛の封筒に書かれていた宛名がいきなり「高田洋子様」というのはいかにも不自然です。ここは「タカダヨウコ様」がよかったのではないでしょうか。

塚本鉄治は、封筒をドアに挟む直前に表札を見て宛名を書いたのかもしれません。しかし、かりに泉が表札を出していたとしても、常識的に考えれば、表札は「高田」だけです。下の名前までは記されていないと思います。

まあ、『ブルー・ベルベット』で泉がトイレに行っている間に、天坊八重子が「漢字で書くと高田浩吉の高田に南田洋子の洋子だよ。よく働いてくれて助かっているよ」などと話していたことにしておきます。

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