「ゲゲゲの女房」・水木プロダクション
『月刊漫画ガロ』の1968年6月号に水木プロダクションのアシスタント募集広告が載っていました。誰が考えたのか(おそらく水木さんでしょう)、とても味わい深い文面です。読んでいるだけでジワ~ッとおかしさがこみ上げてきます。
水木プロ
アシスタント募集一、給料
(コーヒー二杯つき)
二万円(下手な人)~五万円(うまい人)
ボーナスは少ない。
昇給年二回
二、すぐやめる人はキライ
三、日曜は休み
徹夜のときはあくる日休み
四、毎月十日とか十五日でも可
五、女でも男でもよい
宿泊の施設あり。
六、午後二時から十時まで
勤務時間は話し合いで何とでもなる。近くに住む人は午後二時から十二時まで このほうは給料がよい。(しかしつらいね)
七、絵は下手でもよい
誰でも二、三年すればうまくなる。しかし上手な人はなおさらよい。
期日はなく、常時募集していますが、アシスタントが多すぎるときはお断りします。来るとき、自分の作品を見せて下さい。
K・K水木プロダクション
調布市富士見町*の*の**
TEL 0424(82)****
昔はプライバシーがどうの個人情報がどうのといった社会通念がありませんでした。もちろん個人情報保護法などという法律もありませんでした。マンガ家の住所や電話番号など平気で雑誌の紙面に明記されていました(励ましのお便りを出そうとか)。
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コメント
1968年 月給2万から5万 というのが わかりにくいなぁ
私が3歳 覚えてないなぁ 子供の頃 菓子パンが 1個45円だったような記憶です。個人情報 有名人の家があったら 近くにいたら 見に行きますね。松山千春さんを 思い出しました。
投稿: 村石太マン | 2010年7月23日 (金) 12時32分
村石太マンさん、コメントありがとうございます。
「1968年〔ザ・20世紀〕」によると、当時の物価は、
【交通】国鉄普通旅客運賃 上野-青森2060円、新橋-大阪1730円。
【飲食】ビール127円(5月)130円(9月)、牛乳21円、かけそば70円
【たばこ】ピース(10本入)50円(5月)。
【新聞購読料】朝日新聞朝夕刊セット月決め660円(11月)
【郵便】封書15円 はがき7円
【初任給】大卒 3万290円
詳しくは → http://www001.upp.so-net.ne.jp/fukushi/year/1968.html
「思い出の昭和史 昭和43年」では、映画封切館500 円 、国鉄初乗り20 円、ラーメン120 円 、理髪450 円、大卒初任給 28402 円となっています。
詳しくは → http://www8.plala.or.jp/shinozaki/s43-1968.pdf
1968年の「月給2万円~月給5万円」というのは、現在の貨幣価値だと「月給16万円~月給40万円(時給だと800円~2000円)」といったところではないでしょうか。
ちなみに、最低賃金法に基づく現在の東京都の最低賃金は時間額791円です。
投稿: むぎ | 2010年7月23日 (金) 19時43分