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2010年12月16日 (木)

小池真理子の「無花果の森」・最終回(12/14)まで

最終回はネタバレになっています。単行本が出たらまとめて読もうと思っている人は注意してください。

天坊八重子の告別式会場で泉を待っていたのはサクラでした。サクラは泉から連絡を受けて岐阜大崖からはるばる上京してきました。

少し遅れて塚本鉄治も告別式に駆けつけました。天坊八重子は一応有名人です。鉄治は新聞に掲載された八重子の訃報を見たのだと思います。

鉄治は冤罪が晴れて釈放された後、泉を訪ねて岐阜大崖の天坊八重子の長屋に行きました。しかしそこにはもう八重子も泉もいませんでした。どこに引っ越したのかは不明です。鉄治は泉の電話番号を控えていなかったため電話連絡もできません。困ったことになりました。鉄治のほうからは泉に連絡する方法がありません。

鉄治は『週刊時代』の編集部に、こういう女性から電話があったら連絡先を訊いておいてくれと頼んでありましたが、泉からはいっこうに連絡がありませんでした。

そんなわけで、泉と鉄治が運命の再会を果たすことになるのは、天坊八重子の告別式まで待たなければなりませんでした。なるほどうまくセッティングしたものです。新聞小説らしく(?)ハッピーエンドでした。でも、何だか強引に終わらせてしまったような感じもします(長編小説は終わり方が難しい?)。
 
 
最後に何か言いたいことがあったらしく天坊八重子が蘇りました。煙草が吸いたいというので、1本渡して火をつけてあげると、老いた画家は煙を深く吸い、吐き出した後、ひと言、「なかなか悪くない小説じゃないか」と言いました。「芝居がかっているところなんざぁ、あたし好みだね」

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コメント

こんにちは。最終回までの解説、ありがとうございました。
この突っ込みどころ満載の小説を、
イライラしつつも投げ出さず最後まで読破できたのは、
併読するたび消化不良を解消してくれたこのブログのおかげでした。
色々と新しい知識になることもあり、楽しく読まさせて頂きました。
ありがとうございました。

投稿: ムトヨコ | 2010年12月22日 (水) 01時14分

トヨコムさん、このブログを読んでくれてありがとうございます。

たしかにこの小説は首をかしげたくなるところが多かったです。でも、自分としてはこんなに丁寧に小説を読んだのは初めてです。見なくていいところまで見えてしまったかもしれません。細かいことは気にせずに単行本でまとめて読むとまた印象は違ってくるかもしれません。そうであることを期待したいと思います。

投稿: むぎ | 2010年12月22日 (水) 22時57分

こんにちは^^
はじめまして。
小池文学ファンで・・・偶然ブログ発見しました。
こまめなブログに驚きました。
夕刊の毎日細かい分割を日々読まないといけないだけに・・・なかなかのめり込めない場合と次が楽しみ・・って時もありで・・・
小池さんが今の時代は毒が無い小説が少ないから・・・毒のある物語を・・・って感じで最初意気込みがあり・・・もちろん小池さんは最低ラインの小説家としてのラインは感じますが・・・もはや全盛期からは年と平行した・・・って毒舌ではありますが、、、
彼女は、内容は別としても、ある意味、淑女?というか育ちが良く、品のある方で、DV等に・・・つまり小池文学は食べ物、恋い、情景等の細かい描写で彼女が描けばすべてが上品で品が生まれ・・・だから暴力にも悪い意味での品が生まれ・・・そこからリアリズムから読者への道筋に矛盾が生まれ・・・

これは今の角田さんのボクシングの主人公目線からもいえて・・・

とても女性的目線を感じ・・・

もちろん女性が書いたから女性目線・・・では作家として・・・

生意気ですが、あくまで作家=読者で成り立ち、そこに虚構世界に入り込めない・・・

なかなかそこをクリアするのは難しいのか?

三島由紀夫の春の雪の聡子等女性目線をうまく描く作家もいるけど。

高村薫の男性を主人公にうまく描くし・・・

たまたま、今回の小池さんと角田さんの作品にどうしてもぬぐいされない女性目線や人生の投影が悪い風に影響されてる気がしました。

とても生意気なコメントですが、小池さんの全盛期を知りそれを今でも感じるから・・・

では

投稿: 帷朔 | 2011年2月 4日 (金) 18時11分

帷朔さん、コメントありがとうございます。

小池真理子さんの小説の特徴が何となくわかりました(実はあんまり詳しくないんです)。ただ「無花果の森」は最初の情景描写がよかったです。

小池文学というのは女性による女性のための小説という感じなんでしょうかね。

今後ともご贔屓に。

投稿: むぎ | 2011年2月 4日 (金) 22時02分

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