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2010年12月 1日 (水)

政党支部否認の法理

会社法には「法人格否認の法理」というのがあります。その意義と内容は以下の通りです。

意義と内容

法人格否認の法理とは、法人制度の目的に照らして、ある会社の形式的独立性を貫くことが正義・衡平の理念に反すると認められる場合、または会社という法形態が法人格の目的をこえて不法に利用されている場合に、その会社の存在を全面的に否定するのではなく、その法人としての存在を認めつつ、特定の事案の妥当な解決のために必要な範囲で、一時相対的に、法人格の機能(会社と社員の分離)を否定して、会社と社員(支配株主等)を同一視する法理。

詳しくは → http://www.law.okayama-u.ac.jp/~ryusuzu/022a02.htm

たとえば、会社と社員(支配株主等)は別だと主張しても(時と場合によっては)そういう屁理屈は通用しませんよ、ということです。次のような判例があります。

昭和44年最高裁判決(最判昭44.2.27民集23.2.511)

事案:複雑なので省略

判旨:「…法人格が全くの形骸にすぎない場合、またはそれが法の適用を回避するために濫用されるが如き場合においては、法人格を認めることは、法人格なるものの本来の目的に照らして許すべからざるものというべきであり、法人格を否認すべきことが要請される場合を生じるのである。…会社という法的形態の背後に存在する実態たる個人に迫る必要を生じるときは、会社名義でなされた取引であっても、相手方は会社という法人格を否認して恰も法人格がないのと同様、その取引をば背後者たる個人の行為であると認めて、その責任を追及することを得、そして、また、個人名義でなされた行為であっても、相手方は商法504条を俟つまでもなく、直ちにその行為を会社の行為であると認め得る…」

詳しくは → http://www.law.okayama-u.ac.jp/~ryusuzu/022a02.htm

どういう場合に法人格が否認されるかというと、その要件は以下の通りです。

法人格否認の要件

(1)法人格の濫用事例
 A支配の要件=法人格がその背後にあって支配している者により単なる道具として意のままに支配されていること。
 B目的の要件=法人格を違法・不当な目的のために利用するという目的。

(2)法人格の形骸化事例
 法人とは名ばかりで実質的には個人営業又は親会社の営業の一部門にすぎない場合。

詳しくは → http://www.law.okayama-u.ac.jp/~ryusuzu/022a02.htm

この「法人格否認の法理」というのはなかなか示唆に富んでいます。これと同じような考え方で、政治資金に関しても、迂回献金のような悪質な脱法行為を取り締ることはできないでしょうか。たとえば、政治団体同一の法理とか、政党支部否認の法理(政党支部と個人の資金管理団体を同一とみなす)とか。

会社法には形式よりも実態を重視する法人格否認の法理という考え方が厳然として存在しているのに、政治資金に関しては形式さえ整っていれば何でもありのデタラメ振りが横行しています。どうも納得できません。

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