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2011年2月17日 (木)

姫野カオルコの「計算による自己紹介」を読む

日経新聞の夕刊には「プロムナード」というコラムが掲載されています。曜日ごとに担当者が決まっていて、水曜日は姫野カオルコさんの担当です。「計算による自己紹介」というのは、この「プロムナード」の2月16日(水)のタイトルです。なかなか含蓄のあるタイトルです。

日経新聞のサイトによれば、夕刊の販売部数は161万3701部だそうです。この数字をベースにして作家・姫野カオルコさんは次のような推論をしています。

 私の欄の読まれ率は3割半とふむ。56万4795人だ。うち新聞だけでなく本を読むのが好きな人は2割。うち小説を読むのが好きな人となると1割の1万1296人だ。

推論の数字はともかくとして、この推論は推論そのものが論理的におかしいです。何がおかしいかというと、本を読むのが好きな人は必ず「プロムナード」を読むという前提になっているからです。「プロムナード」は読まなくても本を読むのが好きな人はけっこういます(むしろそのほうが多いかもしれません)。「私の欄の読まれ率は3割半」というありえない高い読まれ率を想定せざるをえなくなったのは、「プロムナード」は読まなくても本を読むのは好きという読者を忘れているからです。

さらに付け加えると、ここでの推論には家庭での回し読みという視点も欠けています。販売部数が161万部なら、実際の読者(テレビ欄だけを見る読者も含む)は少なくとも300万人は超えていると思います。

 

       姫野くん、推論をやり直したまえ  by 怖い編集者

 

日経新聞というのはマーケット欄(特に株式欄)を読むために購読している人が大半です。読者の多くは、文化欄やマーケットに関係のないコラムにはほとんど興味がないと思います。日経新聞は意外と文化欄が充実しているのですが、悲しいことにそのことに気がついている人は少ないです(たぶん)。

きのう(2/16)の日経新聞の夕刊が残っていたら、是非7面のコラム「計算による自己紹介」を読んでみてください。最後のオチが笑えます。

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コメント

度々コメントすみません。
誤解されないように、すべては私の個人的意見、見解で他人に押しつける者ではないので一意見で読んで下さいね。

発行部数に置ける数字でふっと思い出したのは、最近の新聞の広告での芥川賞受賞の二人の作品の部数。西村さんの方がリード。私も二作読みました。こちらもボクシングでも書きましたが、対照的でした。方や文学サラブレットで、貴族的。方や中卒で家庭事情も複雑。しかし、マーどちらも両極端な気もします。源氏物語は挫折中ですが、最初の方に書かれた事の内容の解釈の一つに、中間層が一番いい的な。金持ち貧乏それぞれ大変な訳で中間=普通。その普通が一番難しいと・・・話はそれましたが、審査員の一人、石原慎太郎氏の意見が、文藝春秋で私と同じな感じでしたね。教科書向きな朝吹さんは私は退屈でした。西村さんは、小説の本来の読み方?書物対読者。こっそりと読み、内心共感し、一人ニヤケル。私はそんな感じでしたね。時代背景を考えても西村さんに私は軍配を上げました。源氏物語や風と共に去りぬ等に置け世間体であるなら朝吹さんを支持した方が無難ですかね?!

今、直木賞の木内さんの作品読んでいますが、こちらも今の時代の転換期?混乱を江戸から明治にかけての混乱をうまくとらえ、文体も朝吹さんより上とみました。人間の抽象的感情をうまく押さえとらえてると。あえて私なりに順位をつけました。蟹となんとか・・・はまだ読んでいません。

いつも一方的なコメントな気がして申し訳なく思います。

あまり文学等話す友達がいなくて・・・

しかし、こちらのブログはとても好きです。

今までのコメントからも、あなた様のしっかりした考え、周りから信頼を得ている方だと思いました。

投稿: 帷朔 | 2011年2月17日 (木) 16時36分

いつもコメントをありがとうございます。

芥川賞の小説はまだ読んでいないので何とも言えませんが、今回の芥川賞で驚いたのは受賞こそ逃したものの予選を通過した作品に小谷野敦の「母子寮前」があったことです。小谷野敦といえば文芸評論家だとばかり思っていました。小説も書いていたんですね(変わった名前なのでまさか同姓同名ではないと思う)。

個人的には、日ごろ偉そうなことを言っている文芸評論家がどんな小説を書いたのか、この落選作品のほうに興味があります。

投稿: むぎ | 2011年2月17日 (木) 22時38分

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