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2011年7月29日 (金)

脚本・坂元裕二の「それでも、生きてゆく」第4話を観る

草間ファームという果樹農園は東京の八王子あたりにあります(たぶん)。この果樹農園の主(あるじ)・草間五郎(小野武彦)は、少年院出の少年少女を積極的に受け入れて彼らの社会復帰を支援している篤志家です。殺人事件を起こした三崎文哉(風間俊介)についてもその過去を知りながら受け入れてくれました。

少年院出身といっても殺人事件の加害者は別格です。さすがの草間五郎も最初は文哉(=雨宮健二)の受け入れに躊躇しました。しかし、いざ文哉を雇ってみると、真面目でよく働くので今ではすっかり文哉のことが気に入っています(この農園では文哉は健二と呼ばれている)。

草間五郎には真岐(佐藤江梨子)という出戻りの一人娘がいます。真岐は(「バクマン。」の見吉香耶のような)巨乳です。ひそかに(堂々と?)文哉に想いを寄せていて、巨乳を武器に文哉を誘惑しようとします。

草間五郎は「うちの娘(=真岐)に手を出さないように」と、遠まわしに文哉にクギをさします。今はどんなに更生していても殺人の過去を持つ男(文哉)と自分の娘(真岐)をいっしょにするわけにはいかないというのが草間五郎の率直な気持です。

心の狭い人間ならこういうときに逆恨みするのですが、文哉は草間五郎の親心を十分に理解しています。草間五郎に心配は無用であることをハッキリと告げます。

  「自分は人を想ったり、想われたりすることは、もう一生ないと思っています」

「それでも、生きてゆく」というこのドラマのタイトルは、虚無的な文哉にこそピッタリです。

真岐は文哉に拒絶されても未練たらしく次の機会を狙っています。「この男、なんとしても得てしがな」と思っているみたいです。
 
 
さて、草間ファームに新人が雇われることになりました。臼井紗歩(安藤サクラ)という性格の悪そうな女です。この果樹園で文哉は雨宮健二という偽名で働いていますが、紗歩はなぜか文哉の過去を知っていました。雨宮健二のはずの文哉に向かって意味ありげな目つきでいきなり「三崎文哉さん」などと呼びかけてきます。本物のワルみたいです。怖いよ~。
 
 

さて、第4話です。

響子(大竹しのぶ)が遠山家(=三崎家)に出かけていったのは、これまでのいやがらせを謝りにいったのだと勝手に思い込んでいました。しかし勘違いでした。そうではなかったです。響子の心にはまだ憎しみの炎が燃えていました。だとすると、いったい何をしに行ったのでしょうか?加害者家族の暮らしぶりを知りたくなったのでしょうか?

これまで駿輔(時任三郎)はわが子である文哉を捜そうともしませんでした。現在の家族を守るために、文哉を捨てたのです。双葉(満島ひかり)は文哉を捜していっしょに暮らしたいと思っています。双葉にとって文哉は大切な家族だからです。

双葉は父・駿輔のことを洋貴(瑛太)に次のように語っていました。

  「人って、逃げてばっかりいると、命より先に目が死ぬんだなって」
 
死んだような目をしながら駿輔が何に耐えていたのか、何に引け目を感じていたのか、そのことを双葉はまだ知りません。

駿輔は双葉の気持を受け入れて文哉を捜そうと決心します。しかし、駿輔が文哉を捜していっしょに暮らしたいと思っても、隆美(風吹ジュン)が同意してくれなければ埒が明きません。

  「この家に、人殺しは入れません」

隆美はあくまでも文哉を拒絶します。駿輔と口論となり、感情が激してきた隆美はとうとう言ってはならないことを口走ってしまいます。

  「母さんの子供じゃないの。あの子はね、母さんが産んだ子供じゃないの」

長年伏せられていた三崎家(遠山家)の秘密が明らかになりました。文哉と双葉は隆美が産んだ子どもではありませんでした。駿輔が文哉と双葉を連れて隆美と結婚したのです(たぶん)。そして、15年前の事件の後、灯里(福田麻由子)が生まれました。灯里だけは隆美がお腹を痛めて生んだ子どもです。隆美は灯里のことを心配するあまり、文哉と関わりあうことを極度に恐れていました。

 
隆美が自分の本当の母親ではないという事実は双葉にとっては寝耳に水です。本当の母親は今どこでどうしているのか、まだ生きているのか、どんな人なのか……初めて聞かされた事実に双葉は混乱します。

お互いに鬱積していた感情が噴き出して三崎家(遠山家)はもはや崩壊寸前です。ただ、灯里が見かけによらず意外としっかりしています。いざとなったら、血の繋がり云々を超えた真っ当な正論を主張しそうです。灯里が崩壊寸前の三崎家(遠山家)を救ってくれるかもしれません。
 
 
洋貴は加害者の家族であっても双葉のことはもうすっかり許している感じです。ちょっとピントがずれていて、それでも前を向いて必死に生きようとしている双葉のことをそろそろ愛おしく感じはじめているのではないでしょうか。しかし洋貴は文哉を殺すことをまだ完全に諦めたわけではありません。文哉の居場所を突き止めようとしています。文哉の出方次第では、洋貴に再び殺意が芽生えるかもしれません。
 
  
ところで、双葉の家族がかつて住んでいた跡地に日向夏(ひゅうがなつ)が置かれていました。文哉が置いたのです。八王子近辺で日向夏を栽培している果樹農園というのはそう多くはないと思います(日向夏の原産地は宮崎県)。詳しい住所はわからなくても、八王子近辺の日向夏を栽培している果樹農園を当たっていけば、案外簡単に草間ファームに辿り着けるのではないでしょうか。

文哉が置いた日向夏には、

  「俺はここにいる」

という無意識のメッセージが込められていると思います。駿輔や双葉に捜しに来て欲しいと思っているかどうかはわかりません。

続きは → http://mugigicat.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-5a29.html

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