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2011年9月17日 (土)

ビートルズ入門・どう聴けばいいの?

中山康樹氏の「これがビートルズだ」(講談社現代新書)で、"Golden Slumber" の手前、"She Came In Through The Bathroom Window"の解説を読んでいたら、なぜか突然涙が溢れてきました(ウソ)。

奇書・「これがビートルズだ」という本の主張を乱暴に要約すると、

 ダメなものはダメというこのわたしが、(一部の例外を除いて)こんなに絶賛しているんだから間違いない。ビートルズは素晴らしいんだ。

こんなところだと思います。無防備な一般の人を洗脳してビートルズ教に改宗してしまおうとする意図があるのかないのかわかりませんが、音楽の好みは人それぞれです。誰しもがビートルズをまるごと好きになる必要はありません。

そこで、ごく普通の人が、たとえば中山康樹氏の「これがビートルズだ」に感化されてビートルズでも聴いてみようかと思ったとします。そのとき、どうすればいいのかを考えてみました。

まず、ビートルズの活動期間を初期、中期、後期、晩期の四期に分けます。「これがビートルズだ」でとりあげている15枚のアルバムを分類すると次のようになります(一部順不同)。

初期
 1.「プリーズ・プリーズ・ミー」
 2.「ウィズ・ザ・ビートルズ」
 4.「ビートルズ・フォー・セール」

中期
 3.「ア・ハード・ディズ・ナイト」
 5.「ヘルプ」
 6.「ラバー・ソウル」

後期
 7.「リヴォルヴァー」
 8.「サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」
 9.「マジカル・ミステリー・ツアー」
10. (「イエロー・サブマリン」)

晩期
11.「ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)」
13.「アビー・ロード」
12.(「レット・イット・ビー」)

初期~中期
14.「パスト・マスターズ・Vol1」

中期~晩期
15.「パスト・マスターズ・Vol2」

 

それぞれの活動期間を代表するアルバムは次の通りです。

 初期・「プリーズ・プリーズ・ミー」
 中期・「ラバー・ソウル」
 後期・「サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」
 晩期・「アビー・ロード」

まずアルバム「プリーズ・プリーズ・ミー」を聴いてみます。「プリーズ・プリーズ・ミー」に収録されている曲を聴いてもピンとこないという人は、初期ビートルズの曲は性に合いません。「ウィズ・ザ・ビートルズ」「パスト・マスターズ・Vol1」は聴かないほうがいいです。聴いても無駄です。

次に「ラバー・ソウル」を聴きます。初期のビートルズの曲というのは白黒がはっきりしていて、一度聴けば好きか嫌いかはすぐに判断できます。ところが「ラバー・ソウル」になるとちょっとやっかいです。「ラバー・ソウル」のよさが実感できるようになるには少し時間がかかります。このアルバムを何度も繰り返し聴いていると、あら不思議、自分がビートルズの音の世界に引き込まれていることに気づく日がやってきます。単調なリズムの繰り返しから奇妙な心地よさが伝わってくるようになればしめたものです(何が?)。いくら「ラバー・ソウル」を聴いてもピンとこないという人は人間をやめなさい(うそ)。
「ラバー・ソウル」がどうもよくわからないという人は、「ア・ハード・ディズ・ナイト」「ヘルプ」を聴くのはやめたほうがいいです。期待はずれに終わります。

さらに「サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」を聴きます。このアルバムが好きになれない人は、「リヴォルヴァー」「マジカル・ミステリー・ツアー」は遠慮しておいたほうがいいです。
ビートルズのアルバムは収録曲の順番も含めてアルバム全体で一つの作品であることを教えてくれたのがこのアルバムでした。実際、ビートルズのアルバムというのは初期のころからすでにトータルアルバムとして構成されていました。漠然と曲が並べてあったわけではありません。
もっとも、どういう曲順で聴いても、繰り返し同じ曲順で聴いていると、そこにある必然が形成されてしまうというのもビートルズ・サウンドの特徴です。「ツイスト・アンド・シャウト」が終わると、どこからともなく「ラヴ・ミー・ドゥ」が聴こえてくるという人がいるはずです(幻聴)。

最後は「アビー・ロード」です。「アビー・ロード」が苦手という人は、これはもうビートルズとは縁のない人です。ジャズでも演歌でもクラシックでも、ビートルズ以外の自分の好きな音楽を聴いてください。
 
 
初期、中期、後期、晩期のすべてのビートルズの曲が楽しめるという人はビートルズ・ファンの資格十分です。全アルバムを買い込んでも損することはありません。全213曲を徹底的に聴きまくりましょう。カバー曲だけを集めて聴いてみたり、ジョージ・ハリスンを特集して聴いてみたり、英国でシングル発売された曲を発売順に聴いてみたり、工夫次第で楽しみ方はいろいろです。

「これは聴かなくてもいいかもしれない」と思うアルバムをあえて選ぶとしたら、「イエロー・サブマリン」「レット・イット・ビー」です。「レット・イット・ビー」がビートルズ最後のアルバムというのはあまりにも悲しいです。「レット・イット・ビー」はなかったことにしてカット、「アビー・ロード」を最後のアルバムにしたいです。「レット・イット・ビー」に収録されている捨てがたい名曲は「パスト・マスターズ・Vol2」にも収録されているので大丈夫です。
アルバム「イエロー・サブマリン」は、ビートルズのクレジットがあれば「イエロー・サブマリン」だって売れる、それを証明してしまったのがこのアルバムです(そんなこと言っちゃいけない?)。

とにかく、「プリーズ・プリーズ・ミー」、「ラバー・ソウル」、「サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」、「アビー・ロード」、この4枚のアルバムだけはしっかり聴いてほしいです。どうするかはそれからです。

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