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2011年10月20日 (木)

ライブドア事件と陸山会事件

裁判というのは、客観的証拠さえ残さなければ何をやっても無罪になると思ったら大間違いです。たとえば、オウム真理教の地下鉄サリン事件。これは「弁護士阪口徳雄の自由発言」というブログからの受け売りですが、実行犯はみな麻原の指示でやったと自白しています。しかし、麻原がオレは指示はしていないと否認したらどうなるでしょうか。共同正犯(教唆犯?)の状況証拠は真っ黒でも指示したという客観的証拠はありません。本人が否認している以上、疑わしきは罰せずの精神に徹すると、信者が勝手にやったことで直接手を下していない麻原は無罪ということになってしまいます。それでいいのでしょうか。

阪口徳雄氏はブログで、特に贈収賄事件などの裁判では客観的証拠がなくても状況証拠(間接証拠)を積み重ねることによって事実認定されることがあることを詳しく解説してくれています。阪口氏の解説を乱暴に要約すると、

 1.客観的証拠はないが極めて疑わしい
 2.法廷での尋問に納得のいく証言がされない
 3.態度が不真面目で客観的事実さえ認めようとしない
 4.動かぬ証拠を要求して開き直る

こういう条件が揃ってしまうと、裁判官も人の子です。無罪にしたくてもできなくなってしまいます。

ここで思い出されるのはライブドア事件のホリエモンの裁判です。最初、本人は否認しているし客観的証拠もないのに同時に起訴されている幹部の一方的証言だけで有罪の判決はおかしいと思っていました。長らく裁判というのは「疑わしきは罰せず」だと思っていたからです。しかし実際はそういうものではないらしいです。

経済事件などの刑事裁判で被告人が留意すべき点として非常に示唆に富んでいる箇所が阪口徳雄氏のブログにありました。客観的証拠がないと思って甘くみているととんでもないことになります。

あるA事実の弁明が≪嘘≫だと思われるだけならA事実の弁明が信用されないだけであるが、同じ様にB,C、Dの明白な客観的事実まで合理的に説明しない、できないとなるとA、B,C、Dの弁明が信用されないだけでなく、一番重要な他のEの弁明まで信用されない可能性がある。

詳しくは → http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/63208706.html

裁判で嘘をついてもそのこと自体が罪に問われることはありません。しかし裁判官の心証を害することは確かです。裁判官に「被告人は嘘つきだ」と思われてしまったら、口先だけの弁明をどんなに続けても信用されなくなります。

(ホリエモンの場合)立件された案件に限定すれば証拠不十分で無罪(無実ではない)だったとしても、「これまでに危ないことを山ほどやってきているんだから、それをひっくるめた判決だと思って観念しなさい」ということだったのかもしれません。せめて期ずれの売上計上だけでも粉飾だったことを認めて反省していれば執行猶予になったかも……。

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