「バクマン。2」・第1話<沈黙と宴>を観る
いよいよ第2シリーズのスタートです。
新しく亜城木夢叶の担当になった港浦(みうら)さんはちょっとハイテンションでおしゃべりですが、アシスタントの手配などはテキパキしていて抜かりがありません。悪い人ではなさそうです。どさくさに紛れて本質的なことをズバっと言ったりします。
「マンガっていうのは、他の作品と比べてどうこうじやないだろ。君たちの描くものが面白ければいいんだ」
新人は連載が決まると遊栄社との間にいろいろ取り決めがあります。港浦さんの話をまとめると、
1.年間契約料の支払い。いくらかは企業秘密(?)ですが、とにかくサイコーとシュージンがびっくりするぐらいの額です。
2.新人の連載原稿料は1ページ12000円。カラーはその1.5倍。
3.版権は遊栄社に帰属する。
4.他の雑誌に描いてはいけない。
後日、サイコーとシュージンはこんな内容の契約書にサインすることになります。
港浦さんは連載に備えて3人のアシスタント(小河直人、加藤奈津実、高浜昇陽)を見つけてきてくれました。
いやらしい話ですが、ここでお金の計算をしておきます。
「少年ジャック」に「疑探偵TRAP」を連載して、1ヵ月に連載4回分の72ページの原稿を描いたと仮定します。この場合、サイコーたちの1ヵ月の原稿料収入は、12000×72=864000(円)です。
3人のアシスタントに支払う給料は、(推定ですが)チーフの小河さんが月38万円、加藤さんが月20万円、高浜さんが月16万円で、合計74万円です。
原稿料収入が月86万4千円なのに、アシスタントの人件費だけで月74万円です。人件費以外の交通費や食費、その他の諸経費を考えたらおそらく赤字です。やっと連載に漕ぎつけてもコミックスが発売されて印税が入ってくるまではまさに「マンガ家残酷物語」です。
さて、年が明けて2011年になりました。1月には連載マンガ家と編集者が一同に会する「少年ジャック」恒例の新年会があります。会場は都内の某ホテルです(たぶん)。「疑探偵TRAP」(亜城木夢叶)の連載は2月からですが、サイコーとシュージンも連載マンガ家の端くれとしてこの新年会に招待されました。しかも、驚いたことに、高校生のクソガキ(?)を黒塗りのハイヤーがお出迎えです。偉くなったものです。
新年会には、同じく連載の決まった異色の新人・平丸一也(26)も出席していました。平丸一也は福田真太をクールにしたような感じの人です。どうも努力することが嫌いみたいで、突出した才能と怠け者が同居しています。あるいは連載のプレッシャーに押し潰されまいと、精一杯強がっているのかもしれません。
平丸一也は新妻エイジといっしょにいました。新妻エイジの天才を見抜く眼力は確かです。タイプは違うものの、同じ天才として、新妻エイジは平丸一也に親近感を感じています(一方的に?)。
新年会には、佐々木編集長よりも偉い鳥嶋和彦氏(マシリト)も顔を見せていました。鳥嶋氏はサイコーの叔父さんの川口たろうが「超ヒーロー伝説」を連載していたときの編集長です。今では遊栄社の取締役です。
鳥嶋氏はサイコーが川口たろうの甥であることを知っていました。新連載に対する激励の言葉を残して立ち去ろうとした鳥嶋氏にサイコーが言いました。
「叔父さんができなかったこと、やり残したことをやりたいと思っています……できなかったのは、マンガで一生食べていくこと。やり残したのはアンケートで1位をとることです……人気マンガ家として長く連載して1位をとっていきたいです。何年かかっても」
鳥嶋氏はギャグのセンスがあるのかピントがずれているのか、変な人です。
「可能性は0(ゼロ)じゃない、と考えるより、可能性は無限にあると考える。実現したらいい、と考えるのではなく、行動し実現させる……なんかの映画でそう言ってたぞ」
続きは → http://mugigicat.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/post-5735.html
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