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2012年2月 8日 (水)

投資信託の分配金・不思議の国ニッポン

毎月分配型の投資信託は高配当で人気が高かった(?)そうです。しかし高配当を維持している原資がなんであるかに注意しないとひどい目に遭います。

1月27日の日経新聞朝刊に金融庁が投資信託法の改正を検討しているという記事がありました。その記事の中に「投信分配金に回せる原資の国際比較」という表がありました。この表を見て思わず愕然としました。あまりにもびっくりしたのでここに雑文を記しておきます。
 
投資信託の分配金(配当)に回せる原資については、厳しく規制している国と規制が緩い国があります。英国やフランスは規制が厳しく、分配金は「株や債権などの配当・金利収入」のみに限られています。いっぽうで米国では規制が緩く「株や債権などの値上がり益」も分配金の原資に回せます。

英国やフランスが値上り益を分配金の原資として認めていないのは、将来の値下りリスクを考慮しているからです。投資家保護の観点から元本の毀損を極力防止しようと考えれば、一時的な値上り益は配当に回すべきではありません。英国やフランスの法律は投資家を保護するという意味で筋が通っています。いっぽう規制が緩い米国についてはさすが市場原理主義の国です。契約の自由と自己責任を尊重しています。

さて、ここで問題となるのは日本です。日本の投信が分配金に回すことができる原資は、英国やフランスと同じでしょうか、それとも米国と同じでしょうか。

 1.英国やフランスよりも規制が厳しい
 2.英国やフランスと同じ
 3.米国と同じ
 4.米国よりも規制が緩い

   

答えは4の「米国よりも規制が緩い」です。

日本では「株や債権などの値上がり益」どころか元本そのものを配当してしまうというデタラメがまかり通っています。元本を分配金(配当)の原資にするなどというのはあの市場原理主義の米国でさえ認めていない暴挙(?)です。

投資信託法の改正によって金融庁が投資家保護に動くのは「リスクの高い投信を投資知識の乏しい高齢者に販売するといった事例が後を絶たないから」だそうです。こういうことは民主党政権になったら直ちに着手しなければいけなかったはずなのに何を今さらといった感じです。

昨年は「株価下落や円高で元本が目減りしたにもかかわらず、年率10%を超えるような配当を出し、元本をさらに減らす投信が相次いだ」そうです。

今にして思えば、何が「ハゲタカファンド、キャー怖い」だったのでしょうか。米国の投信がハゲタカファンドなら、日本の毎月分配型の投信は蛸足ファンドです。蛸足ファンドで悪ければ死神ファンドでも貧乏神ファンドでもいいです。市場原理主義の米国も真っ青です。

元本を配当に回してよければ、元本がなくなるまで年率5%だろうと10%だろうといくらでも配当ができます。元本が削られているとも知らずに儲かったつもりになって喜んでいた高齢者も多かったのではないでしょうか。

自分としては、日本のような詐欺商法まがいの悪どい投信が一般大衆向けに売られていて幅を利かせているのは資本主義の国ならどこでも同じだと思っていました。でも認識不足でした。日本は世界に例を見ない特殊な国です(たぶん)。

 1.金融機関が族議員に献金をする
 2.族議員が金融機関の意向を汲んでムチャな法律を強引に成立させる
 3.無知な投資家が金融機関の餌食になる
 
 
日本の政官業の癒着の構図というのは、金融業界に限らずどこも似たり寄ったりかもしれません。去年福島で原発事故が起きて、電力業界における政官業の癒着の構図があぶり出されても、国民の多くは怒ったり驚いたりはしていません。きわめて冷静です。しょせん世の中こんなものだと達観しているかのようです。日本の国民はまるで悟りをひらいたお坊さんか哲学者のようです。でも、何かを深く考えているようで実は何も考えていなかったりします。いつか暴動やデモが起きるのではないかと危惧しているのですが、今のところその兆しはまったくありません。

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