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2012年3月25日 (日)

「週刊少年ジャンプ」(WJ)・がんばれ、いぬまるくん!!

週刊少年ジャンプ(WJ)に連載中のマンガの連載回数とアニメ化の関係を調べてみました。

 連載回数 タ イ ト ル (作 者)
○ 不 明 こちら葛飾区亀有公園前派出所 (秋本治)
◎ 660 ONE PIECE (尾田栄一郎)
◎ 578 NARUTO‐ナルト‐疾風伝 (岸本斉史)
◎ 484 BLEACH (久保帯人)
◎ 392 銀魂 (空知英秋)
○ 377 家庭教師ヒットマンREBORN! (天野明)
◎ 340 HUNTER×HUNTER (冨樫義博)
◎ 225 SKET DANCE (篠原健太)
○ 194 ぬらりひょんの孫 (椎橋寛)
◎ 179 トリコ (島袋光年)
◎ 171 バクマン。(大場つぐみ 小幡健)
● 170 いぬまるだしっ (大石浩二)
△ 157 黒子のバスケ (藤巻忠俊)
◎ 148 べるぜバブ (田村隆平)
△ 138 めだかボックス (西尾維新 暁月あきら)
●  51 magico (岩本直輝)
●  35 ST&RS‐スターズ‐ (竹内良輔 ヨミカワ将)
●  27 クロガネ (池沢春人)
●  18 ニセコイ (古味直志)
●  17 バッキー (レツ)
●   5 ハイキュー!! (古舘春一)
●   4 パジャマな彼女 (濱田浩輔)

連載回数は2012年4月2日号(16号)現在です。○は過去にアニメ化されたマンガ、◎は現在アニメが放送中のマンガ、△は4月からアニメが放送されるマンガ、●はまだアニメ化されていないマンガです。

WJ誌上で連載期間が2年以上(≒連載100回以上)のマンガは、そのほとんどがTVアニメ化されています。2年以上連載が続いているのにアニメ化されていない唯一の例外は「いぬまるだしっ」(大石浩二)のみです。

「いぬまるだしっ」というのは、下半身まるだしのいぬまるくんという幼稚園児が主人公のギャグマンガです。いぬまるくんは絶対にパンツをはきません。もちろんズボンもはきません。いつもフルチンでがんばっています。パンツは断固拒否、信念の幼稚園児です。このマンガは下ネタのギャグが多いですが、芥川龍之介の短編小説のような味わいもあります。読まず嫌いの人は面白いと思って読んでみてください。面白いですから。もしアニメ化されれば「クレヨンしんちゃん」の座を脅かす大ヒット作になるかもしれません。それなのにどうしてアニメ化されないのでしょうか。内容が公序良俗(?)に反しているためスポンサーに敬遠されているのでしょうか。それとも、作者の大石浩二氏がいぬまるくんのような変人で、アニメ化のオファーがあっても断固拒否しているのでしょうか。

「いぬまるだしっ」の連載が200回を超えても依然としてアニメ化の話がなかったら、これはちょっとた「事件」です。

そんなわけで、「がんばれ、いぬまるくん!!」です。

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「バクマン。2」・第25話<票と表>を観る

テレビアニメ「バクマン。2」も最終回になりました。この物語は、ハッピーエンドのゴールが決まっていて、そこに辿り着くまでの紆余曲折が延々と続きます。

 1.亜城木夢叶のマンガがアニメ化される
 2.そのアニメのヒロインを亜豆美保が担当する
 3.約束した夢が叶って真城最高と亜豆美保が結婚する ←これがゴールです。

この第2シリーズは、亜城木夢叶の3作目の連載が始まったところまでです。連載3作目のタイトルは「PCP‐完全犯罪党‐」です(PCPはPERFECT CRIME PARTYの略)。「PCP‐完全犯罪党‐」は同時に掲載された福田真太の入魂の読切「ロードレーサー淵切」をぶっちぎって読者アンケートでダントツの1位に輝きました。しかし「1位で当り前の1話」です。本当の勝負は連載が始まったこれからです。
 
 
今回、新連載が始まったということで亜城木夢叶のところにアシスタントが三人やってきました。ひとりは半年前にもいた折原くんです。残りの二人は服部さんの紹介による森屋秀一と白鳥シュンです。

白鳥くんは美大の入試に失敗して、絵を描く仕事ならということでマンガ家のアシスタントを希望した人です。画力はありますがマンガはまだ描いたことがありません。優しげな顔に似合わず思ったことをビシバシ言います。

森屋くんはマンガ家を目指している芸術家肌のマンガ青年です。マンガの商業主義的なありかたに疑問を持っています。

初対面にもかかわらず、マンガに対する考え方の違う白鳥くんと森屋くんの間で期せずしてマンガ論争が始まってしまいました。

森屋 「アンケート順位とか、何か間違っていますよね。人気とるためにマンガ描いたら終わりです」

白鳥 「でも、マンガってみんなを楽しませるものでしょ。人気は大切なんじゃ……」

森屋 「そんな考えではよい作品は描けない。もっとも白鳥君はマンガ描かないから関係ないか」

白鳥 「じゃあ、森屋さんの理想とするマンガって、何なんですか?」

森屋 「ボクにとってマンガは自己表現であり、芸術です。すべての作品がそうあるべきだと思っています」

白鳥 「芸術か……それって、自己満足で終わって売れないパターンですよ。ジャックは商業誌なんだから多くの人に楽しんでもらわなければならない。順位や売上を意識するのは当たり前じゃないですか?そんなことも理解せずにジャックに描こうなんて……」

ちょっと雰囲気が険悪になってきました。サイコーが慌てて待ったをかけました。

 「ぼくたちは売れたいと思って描いています。でもそれは自分たちに才能がないから。昔、今もいるかもしれないけど、マンガを読むとバカになる、そう言って子供には読ませない親がいた。だけど、だんだんマンガが文化として認められるようになってきている。だから本当は内容も質も文化としてし恥じることのない作品を描くべきだと思う。でも、そこまで力のないボクたちは、読者の人気をどうすれば取れるかを考えて描くしかないんです。才能に応じて描く作品は人それぞれでいいんだと思います」

ここでの「才能」は「資質または個性」と言い換えるべきです。マンガは読者のために描くのか、自己満足のために描くのか、要はバランスの問題です。優れたマンガ家というのは、自分の描きたいマンガを描きつつ、その一方で読者に対するサービス精神も忘れていません。ここでのサイコーの意見は半分は謙遜です。

なにはともあれ、第2シリーズも無事終了しました。

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2012年3月23日 (金)

テレビドラマ「最後から二番目の恋」・そして振り出しに戻った

  「あれですね。モテキ終了って感じですね。お互いに」

吉野千明(小泉今日子)と長倉和平(中井貴一)に訪れていたモテキが終了しました。

ふと気がついてみると、千明は46歳のおばさんだし、和平は50歳のおじさんです。千明と和平に厳しい現実を気づかせてくれたのは、長倉真平(坂口憲二)と大橋知美(佐津川愛美)のふたりでした。真平と知美を見ていて、千明と和平はもう若くはない自分をしみじみと実感したんだと思います。

 「たぶんキープしていたんですよね。その真平くんていう素敵な恋人がいるという状況を……キープしてたんですよね。これを逃したらもう恋愛はないなって思っていたから。最低ですよね。ホント最低なんですよ」

千明と真平の関係はどこか醒めていました。妙にプラトニックでした。仮面夫婦ならぬ仮面恋人のようでした。千明としては、本気で真平に恋をしたというよりも真平の優しさにつけ込んで「素敵な恋人がいるという状況」をキープしていたかったのかもしれません。男にたとえてみると、結婚して妻がいる状況をキープしておいて、こっそり浮気をするといったような……ちょっと違うかな?
 
 
千明は真平に別れ話をしました。自分に真平を束縛する権利はないと考えたのだと思います。真平は「失恋させてくれてありがとう。失恋も恋愛のうちだよね」と言ってくれたそうです。真平はあくまでも天使です。

千明が真平に別れ話をしたように、和平も知美の好意をキッパリと拒絶しました。自分が五十のおっさんであることを自覚したのです。

 「あなた(千明さん)のおっしゃる通りです。困った困ったみたいな顔をしてはっきりさせなかったのは、やっぱり嬉しかったんだと思います。だって、(知美ちゃんのような)あんなに若くてかわいい子とつきあえるなんて、五十のおっさんからしたら夢みたいなことじゃないですか。それになんだかんだいって、いっしょにいると……楽しかった」

 「彼女は何て?」

 「怒られました。好きでいることを断られるのはおかしいと思います。自分の気持は自分で決めます」

 「いいですねえ。知美ちゃん」

千明が反省してしみじみと言いました。

 「いい年して、年下に甘えて、傷つけて、最低ですよ、あたしたち」
 
 
このドラマはそんな「最低な」大人たちの切ない恋の物語でした。千明は真平との恋が終了したことを悪友(?)の荒木啓子(森口博子)と水野祥子(渡辺真起子)に報告しました。うらぶれた独身女三人組のいつもの女子会です。

祥子 「まあ、45のラブコメなんて、楽しんでくれるの少数派だろうけどね」

啓子 「そうだねえ、若い子はさあ、興味ないっていうか、痛いのひと言で終わりだよね、きっと」

千明 「あたしたちも若いころはさあ、四十代とか五十代の恋愛とか、勘弁してくださいよって思ってたよね。すいませんでしたって過去にいいたいよね、戻って」

自分の書いたドラマを自分で論評すんな、つーの。
 
 
 
 もし、これから誰かと恋をするとしたら、

 それを最後の恋だと思うのはやめよう。

 次の恋は最後から二番目の恋だ。

 そのほうが、人生はファンキーだ。

 
まだ最後ではない、まだ最後が残っていると思えば、切羽詰ったさもしさからは解放されます。好いた惚れたが死ぬの生きるのという話になってしまう心配もありません。次もあると思えば余裕を持って恋愛が出来ます。でも、そういうのって、不誠実というか、ちょっとずるくありませんか?

  
最後になりましたが、長倉和平はこんなことも言っていました。

 「年を増すごとにどんどんわからなくなっている。特に女性とか恋とか。わかってたつもりでいたことがどんどんわからなくなる。でもね。わかったふりはしていたい。わかったようなことはいいたい。これが大人になったってことなんですかね。本当になさけない」

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2012年3月18日 (日)

「バクマン。2」・第24話<表現力と想像力>を観る

連載会議では佐々木編集長が「負け」に一票を投じたため、負け4対勝ち3になってしまいました。このままだと連載はなしということになってしまいます。ところが負けに一票を投じた大西さんから待ったがかかりました。

大西 「ボクは勝ちに変えます。これで4対3、亜城木くんはありですよね。そもそも、こんな多数決で亜城木夢叶くんをジャックから手放すなんて馬鹿げている。作家をもっと大切にするべきです」

相田 「そうだ。俺たちは作家の人生を左右してしまう立場にある」

瓶子 「たしかに。7対0ならともかく、こんな僅差で作家を放り出すのはおかしいかもしれませんね。一度負けと判断しましたがやはりここは読者の判断に委ねるべき。わたしは亜城木くんの勝ちに、いえ、勝って欲しいに一票投じます」

中野 「わたしも亜城木くんの勝ちに変えます」

編集長を除く全員が亜城木夢叶の勝ちになってしまいました。勝ち6対負け1です。その後どんな議論があったのかは不明です。結論としては無事に「完全犯罪クラブ」の連載が決まりました。佐々木編集長は最初からこうなることを予想していた節があります。同じ連載を決めるのでも、最初から満場一致という流れにしなかったのは、佐々木編集長に何か深慮遠謀があったのかもしれません。

「完全犯罪クラブ」の連載決定と同時に担当の変更もありました。「完全犯罪クラブ」は服部さんが担当、港浦さんはこれまで服部さんが担当していた「+NATURAL」(原作・秋名愛子/作画・新妻エイジ)の担当を引き継ぐことになりました。

 

担当の引継ぎで港浦さんといっしょに服部さんが亜城木夢叶の仕事場にやってきました。サイコーとシュージンはこれまで担当してくれた港浦さんにお礼を言うのも忘れて、いきなり服部さんとの打ち合わせが始まってしまいました。

連載が決まったものの、新妻エイジに勝っているか負けているかの判定は負け4対勝ち3で負けのほうが多かったと聞かされたサイコーとシュージンは、すでに完成しているネームを描き直すと言い出しまた。なんとしても目標は「打倒!新妻エイジ」です。

シュージン 「服部さん、僕たちのどこがエイジに負けていると思いますか」

服部    「そうだな、強いて挙げるとすればマンガとしての表現力かな。遠近感のつけ方や書き文字の置き方、感情も表現もストレートでメリハリがあり、セリフも洗練されていてわかりやすい。キャラに入り込んで描けている。逆に勝っているのはデッサン力。リアルな絵なら真城くんのほうが上だ。それから高木くんのアイディアの量」

小説版の「+NATURAL」が来年出版されます。内容はほぼ新妻エイジに渡されてる原稿のままです。たまたま港浦さんが持っていた小説版の「+NATURAL」とジャックに連載中の「+NATURAL」をサイコーとシュージンは読み比べてみました。読み比べてみると新妻エイジの天才ぶりが浮き彫りになってきます。

服部    「原作の余計なところは思い切って省いて、必要に応じて原作にないシーンを入れてるだろ。読み比べると、新妻くんの表現力が+NATURALをより面白くしていることがわかる」

サイコー  「はい。ここまでくると、表現力というより想像力ですね」

服部    「なるほど想像力か」

サイコー  「あと、間を生かすコマ割り、セリフのないコマ、背景だけのコマ、ズームアウトして全体を見せるコマ、無言のキャラのアップ。これ、読者が自由に意味をもたせられるし、想像力を膨らませられる」

いまさら何を言っているんだという気がしないでもないですが、問題はそういうマンガ特有のコマ割りの効果が的確にビシッと決まっているかどうかです。考えるだけならどんなマンガ家もそれなりに考えいると思います。

これまで、亜城木夢叶は、シュージンが作成した汚らしい(?)ネームをサイコーが清書していました。サイコーはこのやり方を改めようと言い出しました。「+NATURAL」と同じように原作は文章だけにしたいというのです。

 「文章だけのほうが想像できるんです。ネームになっているとどうしてもそれに引っ張られてしまう。ならいっそ、文章だけのほうが自由に描ける。間のコマも自分で決められる」

サイコーは原作者のシュージンと服部さんの了解を得て、ネームの作成を自分の担当にしてもらうことにしました。おそらくシュージンは文章を書くのは得意でもネームを切るのはそれほど得意ではありません。ネームはサイコーに任せてしまって、原作は文章だけにしてもらったほうがシュージンとしてもエネルギーを原作に集中できます。シュージンの原作がレベルアップして、そのレベルアップした原作をサイコーさらに面白くする……なるほどなかなかいいアイディアです。サイコーが言い出さなければ、服部さんが同じ提案をしていたかもしれません。

少し新妻エイジの背中が見えてきました。

 
続きは → http://mugigicat.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/post-9aa0.html

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2012年3月17日 (土)

テレビドラマ「最後から二番目の恋」・吉野千明にはモデルがいるの?

第10話です。

吉野千明(小泉今日子)はテレビ局のドラマプロデューサーです。スタッフとのミーティングで、新進気鋭(?)の脚本家・栗山はるか(益若つばさ)が安易に登場人物を殺したがるのにダメ出しをしました。

 「ドラマでさあ、病気とか死とかやろうとするとさあ、それだけになっちゃうじゃん。重い病気だとさあ、誰だって辛く見えちゃうし、人の死はどうやったって悲しくなっちゃうでしょ。なんかそれ以外に描きようがなくなっちゃうっていうかさあ。もちろん、あれだよ。死をテーマにしたドラマとかそういうのって過去にいっぱい名作があるよ。でもさあ、あたしはさあ、いろんな人のいろんな気持をドラマにしたいわけ。だから恋愛ドラマを作っているわけよ」

恋愛ドラマに限らずどんなジャンルのドラマでも本当に作りたくて作っているという感じが伝わってこないドラマは面白くないです(テレビドラマが面白くなるかどうかのポイントは、一にシナリオ、二にキャスティング、三、四がなくて五に主題歌です)。

 
 「恋愛って、なんかこうおっかしいでしょ。恥ずかしいしさあ、みっともないしさあ、人間ぽいでしょ。悲しいけどさあ、やっぱなんかちょっとおかしいみたいなさあ、こっけいで切なかったりするでしょ。あたしはそういうのが好きなわけよ。だから、あたしのドラマでは安易に人は殺さないの」

千明の話に聴き入っていた万理子(内田有紀)の頬に涙が光っていました。万理子は自分の気持に寄り添ってくれる千明の言葉に感動してしいました。万理子はテレビ局で仕事をするようになってドラマの制作に興味を持つようになりました。テレビドラマの歴史やシナリオの書き方などを猛烈に勉強しています。万理子は感受性が豊かです。アスペルガー症候群みたいなところがありますが頭も悪くないです。万理子が本気出せば栗山はるかを凌ぐシナリオライターになってしまうかもしれません。
 
 

さて、本日(何月何日だよ?)は吉野千明の46歳の誕生日です。長倉家では日ごろお世話になっている(?)千明の誕生日を盛大にお祝いしようということになりました。

バースデーケーキのローソクは、10年を太いの1本にすれば、46歳なら太いの4本と細いの6本です。ところが千明のために用意されたバースデーケーキには46本の細いローソクがびっしりと刺さっていました。和平(中井貴一)の仕業です。バースデーケーキを埋め尽くしているおびただしい数のローソクを見て千明は何か悪意のようなものを感じてしまいました。
 
 「なんかこんなふうにお祝いしていただいているところ申し訳ないんですけど、女心ってあるじゃないですか。歳を取る度にね、こうローソクが増えていく感じ、ちょっとへこむわけですよ」

ローソク係だった和平は、千明が「誕生日を祝うような歳じゃない」と言い出すことは想定ずみでした。千明が御託を並べ始めたので、和平は待ってましたとばかりに誕生日の意義について講釈を始めました。

 「誕生日にはお祝いすることが2つあるんです。ひとつは、もちろんあなたがこの世に誕生してきたこと。もうひとつは、今あなたが元気で生きていること。お誕生日やるようなめでたい歳じゃないんですとか、誕生日が来るのが嫌なんですっていう人がいますけど、あれ絶対におかしいんです。むしろ逆で、歳を取れば取るほどめでたいことなんです。素晴らしいことなんです」

いつもは正しいことしか言わなくてつまんない和平も、たまには正しくてためになることを言います。千明から1本取ってやろうと作戦を練っていたに違いありません。

 「胸張って下さいよ、あなたらしくもない。だいたいこのローソクの数はこれまであなたが頑張ってきた証なんです。あなたはこんなにたくさん頑張ってきたんですよ。それを10年を太い1本でなんて、そんな大雑把なことはできません」

これにはさすがの千明も参ってしまいました。珍しく完敗を認めて和平の意見に同意しました。両親のいなかった長倉家では、誕生日だけは気合を入れて盛大にお祝いしてきました。真平(坂口憲二)の病気のこともあって、誕生日が来るたびに1年間無事に生きてこられたことを感謝していたのかもしれません。
 
 
 
千明のセリフではないですが、このドラマには「いろんな人のいろんな気持」が描かれています。
 
大橋秀子(美保純)は和平を踏み台にして韓流スターのような年下のイケメンと仲良くなってしまいました。和平との恋は本格的(?)恋愛をするための予行演習でした。しかし大橋秀子はどうも典子(飯島直子)とキャラがかぶります。どうせうまくいかないです(たぶん)。和平としては、ホッとしたような残念なような……。
 
 
典子は別居中の夫の水谷広行(浅野和之)に呼び出されました。よりを戻す話かと思ったら本格的な別れ話を切り出されてしまいました。好きな人が出来たとまで言われてしまいました。広行にとって典子との思い出は悪いことばかりじゃなかったはずです。このまま長年連れ添ってきた典子と別れてしまったら後悔することになるかもしれません。それでも広行は覚悟を決めていました。広行は破滅型の人みたいです。

 「したいんですよ、後悔。なんにもないよりそのほうがましだ」

  
典子には出会い系サイトで知り合ったメル友がいます。顔も名前もわからないこのメル友は観光推進課の田所勉(松尾諭)に違いないと思っていました。ところが新たな有力候補が現れました。奥さんに内緒でキャバクラ通いをしているクレーマーの一条さん(織本順吉)です。顔も名前もわからなければ、典子の愛する(?)メル友が推定年齢85歳の一条さんだったとしても不思議はありません。
 

大橋知美(佐津川愛美)は真平とのトークバトルが板についてきました。そのうち真平を意識するようになって、自転車がパンクしたふりをしてひそかに真平が来るのを待っていたり、スーパーに買い物に行ったときに真平がいないかキョロキョロ探すようになったりするのではないでしょうか。それが女心というものです(しったかかよ?)。

 
 
このドラマもいよいよ来週が最終回です。いろいろ考えてはみたものの、このドラマのタイトル「最後から二番目の恋」というのがどういう意味なのかイマイチよくわかりません。テレビドラマでこれだけタイトルの意味がわからないドラマも珍しいです。来週はその謎が明らかになると思います。ならないかもしれません(最後まで謎のままだったりして)。

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2012年3月12日 (月)

テレビドラマ「最後から二番目の恋」・内田有紀はかわいい?

第9話です。

  「かすかな記憶なんですけど、チューとかしませんでした?」

千明(小泉今日子)は寝ぼけていて相手が誰だったかまでは覚えていないものの、何となく誰かとキスをした記憶がありました。和平(中井貴一)は酔っ払っていてまったく記憶がありません。犯人(?)の万理子(内田有紀)はすでに二階に逃げてしまいました。千明の目の前には和平しかいません。そこで、千明がキスをした相手は和平だということになってしまいました。

千明としては、ガキじゃあるまいし、大の大人がキスのひとつやふたつ、酔った上での笑い話で済まそうとしました。ところがクソ真面目の和平はそうはいきません。弟の彼女ととんでもないことをしてしまったと、自責の念と自己嫌悪で死んでお詫びをしたいと言い出しかねないほど落ち込んでしまいました。
 

万理子が今朝のチュー事件を最初に打ち明けたのは双子の弟の真平(坂口憲二)でした。すでに真平にチューの現場は見られています。万理子は千明に恋をしている自分の気持を正直に真平に伝えました。ただし、千明に対して性的な興味を抱いているわけではありません。そういう趣味はないみたいです。万理子の場合、千明に恋をしているというよりも憧れていると言った方が正確かもしれません。真平には双子の姉の気持がよくわかるみたいです。まあ、自分と同じ気持だということらしいです。

 「悲しいぐらい双子ですね」

 「そうだね」

 

  
千明が勤務しているテレビ局で、アルバイトのAP(アシスタント・プロデューサー)が突然いなくなってしまいました。どうやら逃げ出したみたいです。人手が足りなくなって困った千明は最後の手段を考えました。千明のそばにはフリーターで仕事のない人がいます。万理子です。

千明は万理子をテレビ局に呼んで仕事を手伝ってもらうことにしました。万理子は自閉症気味の変人ですが、千明が目をつけたところを見ると何か隠れた才能があるのかもしれません。
 
万理子の最初の仕事は台本のチェックでした。やらせてみたら驚いたことに、早速台本の矛盾を発見して大手柄です。万里子は千明に褒められてしまいました。

めったに人から褒められたことのない万理子はもう嬉しくてルンルン気分です。帰宅してからもいつになく動作も軽やかにスキップなんぞをして嬉しさを表現していました。和平や真平も久しぶりに万理子の明るい笑顔を見て、万理子を雇ってくれた千明には感謝の念で一杯になりました。
 
 

その日の夜、真平が夜道を歩いていると、ベンチに座っている若い女性がいました。その後姿が寂しそうだったので、真平はボランティア精神の癖でつい声をかけてしまいました。ところが、その女性は、なんと、和平の部下の大橋知美(佐津川愛美)でした。

 「背中が寂しそうだったんで、何かつい、自分でもよくわからず」

 「それって、ナンバですか?」

 「はい?」

 「あーやらしい。あーそうやって女の子に声かけてんだ。あー最低」

 「そこまで言わなくてもいいでしょ」

 「よくないですよ。わっホストみたい。わーやだー」

 「悪かったねえ。オレは、何かちょっと辛そうだったから、心配してただけでしょ」

 「余計なお世話ですよ。そういうことする人って、基本あれですよね。自分いけてる前提ですよね」

 「いやいや」

 「じゃなかったらそんなことできないもんな。女の子はみんな自分のことが好きって思ってるからそういうことができるんだよな。自信なかったムリムリ、できないそんなこと。あーやだ、あーやだやらしいのやだ、あーヒゲもやだ」

 「なんだよ。いいかげんにしろよ、ガキのくせに。子ども顔!アニメ声!」

 「ちょっと何よそれ」

 「自分のこと子どもっぽくていや。もっと大人になりたーい、とか思ってんでしょ。でもでもでも、そういうのに限って意外とそういう自分が嫌いじゃないんだよねえ」

 「なんでそんなのわかるのよ」

 「わかるよー。天使の活動してたから。いろんな女の人見てきたから。本当に大人っぽくなりたかったら、そのパッツンパッツンの前髪、何とかすれば」

 「あったま来た。マジであったま来た」

知美は和平に挑んだトークバトルは空振りに終わりましたが、真平とは期せずしてトークバトルになってしまいました。ふたりの間に言いたいことを言い合うトークバトルが成立するかどうかは、近からず遠からずの心理的距離というか、それなりの相性があるみたいです。このふたり、何だか怪しい関係になりそうです。
 
 
 
いっぽう千明のほうも大変です。千明の古民家はまるで人生相談所のようになってきました。夫にも息子にも相手にされないで落ち込んでいた典子(飯島直子)をなだめて寝かしつけると、今度は万理子が待っていました。

万理子は帰ろうとする和平を引き止めて千明と和平の前で、告白を始めました。

 「きのう、千明さんにチューをいたしましたのは、わたしです。それと、それともうひとつあるんですが、千明さん、あたし、千明さんに恋をしているみたいです。好きです」

万理子は千明を直視できずに和平に向ってしゃべっていました。和平は唖然としていましたが、千明は万理子から何を言われても動じません。千明にとって万理子はペットのようなものです。

 「ありがとう、万理子ちゃん。何かあれだね。こういうのもまあ何か嬉しいもんですね。もしかしたらさ、男に告白されるよりも嬉しいかもしんないよ」

すべてを受け入れてくれる千明に感激しながら万理子は自分の部屋に戻っていきました。最後まで残ったのが和平です。千明と和平はいつのまにか酒盛りを始めていました。

しらふの時は真面目な和平も酔っ払うと何だかしまりのない男になります。そして、今度は本当に千明とチューをしてしまいました。せっかく誤解が解けてホッとしたと思ったらこれです。和平は今朝のチューが誤解だったと知って少し寂しくなってしまったのかもしれません。

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2012年3月11日 (日)

「バクマン。2」・第23話<勝ちと負け>を観る

週刊少年ジャンプに連載中の「バクマン。」は、「REVERSI」のアニメ化が決まっていよいよ最終のクライマックスという感じになってきました。連載がいつ終了してもおかしくない雰囲気です。でも思わぬアクシデントが起きたりしてまだまだ続くかもしれません。
 
 
テレビアニメのほうはサイコーの夢が叶うまでまだ先が長いです。第2シリーズはもうすぐ終わりですが、秋からは第3シリーズが予定されています。「バクマン。」はEテレで子供向けの時間帯に放送するよりも民放の深夜にでも放送したほうが視聴率が上がると思います。もっともEテレなら視聴率がさえなくても打ち切りになることはなさそうです。このアニメの視聴率は2%ぐらいかもしれません(4%以下であることは確かです)。
 
 

さて、第23話です。

2013年12月24日のクリスマス・イヴは、サイコーとシュージンにとってはラストチャンスの連載会議の日でもあります。サイコーは新婚のシュージンと香耶ちゃんのところにお邪魔して3人でクリスマス・イヴを祝いながら連載会議の結果を待つことにしました。

第20話<大好きと否定>で佐々木編集長に直談判したとき、シュージンは次のように言っていました。

 「新妻エイジに勝ってみせます。だからタントは終わりにさせてください。契約は今年一杯ですよね。(タントを)やめさせてもらえれば、(3回ある今年中の)連載会議に、新妻エイジと競える作品を真城と作って見せます。それができなければ契約を切ってください。ジャックには描きません」

この日の連載会議で連載が決まらなければ、それはジャックとの契約打ち切りを意味します。しかも連載決定の条件は新妻エイジの「CROW」や「+NATURAL」と競える作品であるかどうかです。ハードルは絶望的に高いです。

 「シュージン、もしダメでもマンガ家やめないよな」

 「サイコー、何言ってんだよ!!」

 「だからもしだってば」

 「そのときは他で人気マンガ描いてエイジを抜く。それがいいっていうんじゃなく、それしか道がなくなる」

 「わりい。マンガ家やめない、それだけ確かめあえればいい」

 「当り前だろ。どんなに売れなくても野垂れ死ぬまでやってる」

サイコーとシュージンは万が一のケースも想定して覚悟を決めていました。もしそうなったら、香耶ちゃんが働きに出て(水商売?)、シュージンはヒモのような生活を送ることになりそうです。
 
 
ジャックの連載会議のメンバーは次の7人です。

 編集長
  佐々木尚(ささきひさし) 
 副編集長
  矢作(やはぎ)
  瓶子吉久(へいしよしひさ)
 班長
  相田聡一(あいだそういち)
  吉田幸司(よしだこうじ)
  中野博之(なかのひろゆき)
  大西恒平(おおにしこうへい)

連載会議のメインテーマは亜城木夢叶の「完全犯罪クラブ」の連載をどうするかです。「完全犯罪クラブ」は会議出席者全員の評価も高く簡単に連載がきまるはずでした。しかし佐々木編集長がゴネ出しました。

 「わたしもいい評価をしたが、この作品がありかなしかは、まず、新妻エイジの作品、CROW、+NATURALに勝てるかどうかだ」

佐々木編集長は、将来的な可能性ではなく、あくまでも目の前にある「完全犯罪クラブ」が現時点で連載中の人気マンガ「CROW」や「+NATURAL」に勝っているかどうかを問題にしています。話し合いは賛否両論がぶつかり合いました。紛糾して埒があきません。何を考えたのか佐々木編集長が突然奇妙なことを言い出しました。

 「勝っているか負けているか多数決をとる」

連載のありかなしかを決めるのは編集長の専権事項です。第1シリーズの第25話「ありとなし」では、連載のありなしを佐々木編集長はツルの一声で決めていました。それなのに今回は判断を多数決に委ねるというのです。ジャックの今後の盛衰を左右するかもしれない大型新人の去就を多数決なんかで決めていいのでしょうか。

どうでもいいような作品のありかなしかを決めるのなら多数決に委ねてもかまわないと思います。しかしここ一番の重要なありかなしかは編集長が自らの責任と権限で決めるのが筋です。イザというときに多数決というのでは、編集長の権限よりも連載会議のメンバーの多数決のほうが権威があるということになってしまいます。それでいいのでしょうか?

だいたい新妻エイジに勝てるかどうかというのは亜城木夢叶が拘っていることであって、ジャック編集部としてはどうでもいいことです。ジャック編集部にとって重要なことはジャックが亜城木夢叶の作品を必要としているかどうかです。そういう視点で連載会議の議論をしないとピントがズレてしまって大切なものを切り捨てることになりかねません。議論の方向が間違っていることを班長の相田さんは一瞬指摘しようとしました。しかし思いとどまりました。「完全犯罪クラブ」なら新妻エイジとの勝ち負けの議論でも勝てると判断したのかもしれません。

多数決の結果は、勝ち3(吉田、相田、矢作)対負け3(大西、中野、瓶子)の同数でした。
最後に残った佐々木編集長は「負け」に一票でした。

 「完全犯罪クラブは面白い。が、ダメだな。CROW、+NATURALに勝てるとは思えん」

続きは → http://mugigicat.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/post-9ca7.html

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2012年3月 8日 (木)

テレビドラマ「最後から二番目の恋」・長倉家+隣りの古民家=一刻館?

「最後から二番目の恋」の脚本は岡田恵和という脚本家が書いています。どういう人なのかと思ってネットで調べたところ、この人、高橋留美子の「めぞん一刻」の大ファンだそうです。テレビドラマ版「めぞん一刻」の脚本も書いていました。
  

 
勝手に他人の家に上がり込んでくつろいだり、どこからともなく人が集まってきて宴会が始まったり、なるほどこのドラマは「めぞん一刻」のスラップスティック(どたばたギャグ)を彷彿とさせるところがあります。そういえば第8話にチラッと出てきた犬が「めぞん一刻」に出てきた惣一郎さん(犬の名前)にそっくりでした。ヒロインに小泉今日子(「めぞん一刻」のヒロインも名前は響子)を起用したのもまったくの偶然ではないかもしれません。ちなみに音無響子の旧姓は千明ならぬ千草です。
 

「めぞん一刻」では、

 0 音無
 1 一ノ瀬
 2 二階堂
 3 三鷹
 4 四谷
 5 五代
 6 六本木
 7 七尾
 8 八神
 9 九条

というふうに数字にちなんで登場人物の名前が決められていました。「最後から二番目の恋」にも似たような数字遊びがあります。出演している女優陣に注目すると、

 10代 白本彩奈・長倉えりな役
 20代 佐津川愛美・大橋知美役
 30代 内田有紀・長倉万理子役
 40代 飯島直子・水谷典子役
 50代 美保純・大橋秀子役

たまたまこうなったのかもしれませんが、意識的に並べた可能性もあります。詳しいことはわかりません。

 
「最後から二番目の恋」はいたるところにパロディやギャグが埋め込まれています。後から気がついて大笑いする楽屋オチもあります。第8話では、和平から「バブルの残り香が漂っている」と揶揄された千明が、売り言葉に買い言葉で和平に「平安時代の匂いまでしてくる」と毒づいていました。昭和30年代からいきなり平安時代です。何のことかと思ったら、中井貴一がNHKの大河ドラマで平忠盛役をやっているのをおちょくっていたんですね。和平(=中井貴一)は「意味がわからない」ととぼけていましたが、わからなくてもこればかりはドラマの中で説明するわけにいきません。

 「あんた、中井貴一でしょ」
 「いいえ、わたしは長倉和平です」

 

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2012年3月 4日 (日)

「バクマン。2」・第22話<ヒントとベスト>を観る

サイコーとシュージンは変装して服部さんを1日尾行することにしました。別に探偵ごっこで服部さんの弱味を握ろうとしているわけではありません。シュージンのアイデアで、こっそり尾行することによって服部さんに言われた「シリアスな笑い」のヒントを見つけようと考えたのです。

服部さんは自宅のマンションを出て電車に乗ると遊栄社に出勤しました。しばらくしてから遊栄社を出て書店に立ち寄りました。そして何やら真剣に立ち読みを始めました。服部さんは何冊か本を買いました。買った本のタイトルは、

 「恋する女性のツボ」、「恋愛マナー・初級編」、「主導権を握る恋愛術」

どうやら恋愛に関するハウツー本を買ったようです。服部さんは書店を出るとファミレスに入りました。誰かと打ち合わせのようです。そこに、いつになく厚化粧の岩瀬愛子(秋名愛子)が現れました。

テーブルをひとつ隔ててシュージンの背後に服部さんと岩瀬愛子がいます。シュージンの位置からは二人の姿は見えません。シュージンの向いに座っているサイコーには服部さんの背中と岩瀬愛子の顔が見えます。サイコーは帽子とサングラスで変装しているので気づかれる恐れはありません。

岩瀬は新潟の女子高生のようなヒザ上30センチの短いスカートをはいています。岩瀬が座るのを見て、サイコーが声を殺して言いました。

 「おおっ、みじけ、あれ見えちゃうだろ(見えちゃってるよ)」

 「(オレも見たい)サイコー、振り向いていい?」

 「絶対ダメ!香耶ちゃんに言うぞ」

 「……(おまえだけずるい!!)」

世の中には運不運というのがあります。シュージンは座った向きが悪かったです。
 
 
打ち合わせが一段落してから服部さんが岩瀬愛子に言いました。

 「岩瀬くんのほうで何か訊きたいことはあるか?」

 「服部さん」

 「どのヘンだ?」

 「きょうのわたし、綺麗ですか?」

 「ブーッ!!」

岩瀬がコートを脱いで突然立ち上がりました。胸元の大きく開いたドレスと短いスカートが扇情的で服部さんは目のやり場に困っています。

 「どうでしょうか?」

 「い、岩瀬くん、座れ」

 「質問に答えてください。綺麗ですか?」

 「綺麗というか……若さが眩しいよ」

サイコーとシュージンは二人のやりとりを聴きながら身体を捩って笑いをこらえていました。

 

服部さんは何とか話を逸らそうと必死です。

 「さ、さあ打ち合わせに戻ろう」 

 「今度の休みの日に、映画に連れて行ってもらえませんか?」

 「まあ、編集と作家としてなら…」

 「いえ、交際を前提に」

 「そんなことよりこの原稿だが…」

うろたえている服部さんがあまりにもおかしくて笑いをこらえるのが限界になってきました。サイコーとシュージンはたまらずにひとまずその場を退散することにしました。

服部さんと岩瀬は真剣そのもので別に誰かを笑わそうとしているわけではありません。でも、こっそり聴いていたサイコーとシュージンはおかしくてたまりません。こういうのを「シリアスな笑い」というのでしょうか。

退社後、服部さんは雄二郎さんと港浦さんといっしょにバーでミーティング(?)を始めました。サイコーとシュージンがこっそり聴いていると、話題が亜城木夢叶に及んできました。

 雄二郎 「あのふたりには頑張って欲しいよなあ。最近てっぺん取ってやろうって新人いないんだよなあ。でも、あの二人からはその野心を感じる。なあ服部」

 服 部 「そうですね。持ち込みに来た時から、すごいやる気と野心、原稿からも感じ取れました。亜城木夢叶は必ず大作家になる、このふたりに賭けてみようって思いましたよ」

 港 浦 「ボクが担当になっちゃってすみません」

 服 部 「誰が担当かなんて関係ない。オレは自分の編集としての目に間違いはなかった、それを(あの二人に)証明してもらいたいだけなのかもしれない」

面と向かってはなかなか言ってもらえない雄二郎さんや服部さんの本音を聞いて、サイコーとシュージンは万感胸に迫るものがあったと思います。世の中には期待の大きさに押し潰されてしまう人もいれば、期待の大きさをバネにますますやる気と野心を膨らませていく人もいます。サイコーとシュージンはもちろん後者です。
 
 
その日、服部さんは午前3時少し前に帰宅しました。サイコーとシュージンの尾行も無事終了です。ストーカーは困りますが、バレるかもしれないというドキドキ感を味わいながら誰かを尾行するというのも完全犯罪的なエグイ楽しさがあります。

シュージンが思いついた次の作品は完全犯罪マンガです。完全犯罪といっても本当の犯罪ではありません。小さないたずらや親切をバレないようにやって楽しむ小学生を主人公にしたマンガです。

たとえば、ケーキの中にこっそり鼻くそをねじ込んでおいて、それをおいしそうに食べるのを観察するというのはどうでしょうか。バレなければ実害はありません。「このケーキ塩味が効いていて甘さが引き立ってるね」と言ってもらえれば大成功です。

 「いかに華麗に完全犯罪(的イタズラ)をするか。そこに生じる緊張感、ギリギリ感、ハプニング。一見バカなことでも真剣にやればやるほど笑える。そこからシリアスな笑いが生まれてくる」

シュージンのアイデアでは、完全犯罪的なイタズラを楽しむという同じ趣味を持つ小学生が手を結んで同好会的な闇組織を作ることになっています。作品のタイトルは「完全犯罪クラブ」です。ラストチャンスの12月の連載会議はこの作品で勝負です。
 
  
ところで、2013年11月5日は亜豆美保の二十歳の誕生日でした。ちなみにこのアニメに出てくる4人の誕生日は以下の通りです。

 高木香耶 1993年 6月25日生
 亜豆美保 1993年11月 5日生
 高木秋人 1994年 1月25日生
 真城最高 1994年 2月18日生

NHKにとっては不都合な事実ですが、変装してバーに出入りしていたサイコーとシュージンはまだ未成年でした。服部さんは1980年4月27日生まれの33歳(2013年11月現在)です。

続きは → http://mugigicat.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/post-63d9.html

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2012年3月 2日 (金)

テレビドラマ「最後から二番目の恋」はタイトルもギャグってる?

たとえば、①から⑩まで数字が並んでいたとします。先頭が①で最後が⑩です。

  ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧

このとき⑨の位置に注目してください。ほとんどの人は⑨は「最後から二番目」と思うはずです。

「最後」というのは「一番後ろ」という意味です。最後のその先はありません。したがって「最後から二番目の恋」の「最後から」を文字通りに解釈すれば、最後を基準にして過去に遡るしかありません。これが世間の常識というものです。ところがこの常識がこのドラマのタイトルには通用しないかもしれません。

吉野千明(小泉今日子)は、はるか昔に「最後の恋」をしました。この「最後の恋」はより正確には「最後だと思っていた恋」です。ところがその最後だと思っていた恋の次にもまた恋をしました。長倉真平(坂口憲二)との恋です。さらに最後だと思っていた恋の次の次にも恋をしました。長倉和平(中井貴一)との恋です。この「最後だと思っていた恋の次の次の恋」のことを「最後から二番目の恋」と言っているような気がします(たぶん)。

このドラマは、小泉今日子と中井貴一のダブル主演ということになっています。坂口憲二はあくまでも脇役です。だとすれば、タイトルにも千明と和平の関係が投影されているはずです。 
 

さて、このドラマもいよいよ第8話になりました。

ある日の夜のことです。「カフェ・ながくら」に大橋秀子(美保純)と大橋知美(佐津川愛美)の親子がやってきました。秀子53歳、知美23歳(?)です。秀子と知美は隠し事はしないことにしていて何でも話せる友達のような母娘です。ふたりとも和平に好意を抱いています。和平によれば、

 「この世で一番不思議なのは君たち親子の関係だよ」

だそうです。

秀子と知美は食事をしに来たのですが「カフェ・ながくら」は夜はやっていません。和平は招かざる客をなんとか追い返そうとしました。しかし真平はふたりを招き入れてしまいました。

 「もしよかったらどうぞ。簡単なものなら作れますから」

真平は誰に対しても親切です。その日は食事を作るのがめんどうになった隣の千明と典子(飯島直子)も「カフェ・ながくら」にやってきました。ここに来れば何かしら食べさせてもらえると考えているみたいです。最初、秀子と知美は、和平との関係を疑って千明のことを警戒していました。でも千明は真平の彼女だということを知って少しホッとしたみたいです。


千明も来てくれたことだし、こうなったらパーッといこうということになって「カフェ・ながくら」主催(つまり真平の奢り)ということで宴会が始まってしまいました。和平と千明は酒に強いのが自慢です。ふたりとも酔っ払うと陽気になるタイプです。大橋親子が帰ってからも言いたい放題のことを言っては大笑いしていました。和平と千明はそのまま酔いつぶれて寝てしまいましたが、翌朝に「事件」が起きました。

自閉症気味の万理子(内田有紀)はレズの気があるのか千明に恋をしていました。ひそかに「千明様」と呼んだりしています。翌朝、その万理子が二階から下りてきて千明の寝顔をうっとり眺めていたところ、寝ぼけていた千明がいきなり万理子にチューをしてしまいました。びっくりした万理子よりももっとビックリしたのはその様子を窓の外から見ていた真平です。双子の姉弟が千明をめぐって変態的な三角関係になりそうです。

 
鎌倉市役所観光推進課の田所勉(松尾諭)がファミレスでバイトをしていた典子のことを何だかいやらしい目つきで見ていました。この人、お見合いがうまくいかなくてもう女ならだれでもいいという気分になっています。お互いの顔がわからない出会い系サイトで典子と知り合いになったりするのではないでしょうか。きっとそうなります。

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