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2013年7月20日 (土)

深夜ドラマ「町医者ジャンボ!!」を観る・頑張れMAKIDAI

このドラマのヒロインは馬場飛鳥(忽那汐里)という新米看護師です。馬場医院の前院長の娘でしたが、父親が亡くなって馬場医院を鶴田正義(MAKIDAI)に乗っ取られてからは、新院長の鶴田に役立たずの無能よばわりされてこき使われています。
 
突然現れて馬場医院の院長になってしまった鶴田正義は態度が横柄で口も悪いです。でも、実は天才的な名医です。なにげない兆候から患者の病状を的確に判断するし、町医者にとって何が大切かを知り尽くしています(なんだか「獣医ドリトル」のドリトル先生みたい)。
 
  
鶴田正義役のMAKIDAIの演技があまにも下手すぎるということでネットで話題になっていますが、MAKIDAIにはうまい役者になるよりも 
 
 「こいつだけは棒読みでも許す」
 

といわれる役者になってほしいです。あそこまで徹底的に棒読みだとかえって味があるともいえます。MAKIDAIの棒読みには妙な魅力があります。悔しかったら真似してみろと開き直ってもいいのではないでしょうか。MAKIDAIのファンの人は風評に惑わされることなく、MAKIDAIの役者としての魅力をもっと積極的に評価してあげてほしいです。
 
 頑張れMAKIDAI! 意地でも上手くなるな!!

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2013年7月18日 (木)

脚本・坂元裕二の「Woman」第3話を観る

●3年前のことです。小春(満島ひかり)の夫だった青柳信(小栗旬)は痴漢の疑いがかけられていました。その後ゆくえがわからなくなったという被害者の女子高生はおそらく栞(二階堂ふみ)です。信にかけられた痴漢の容疑は栞が仕組んだワナでした。ただ、信が線路ら転落して轢死してしまったのは、栞にとっても想定外の出来事だったかもしれません。栞が小春の夫である信に悪意を抱いていたとしても、殺意まで抱いていたとは考えにくいです。
 
栞にとって、信の死亡事故はおそらく想定外の出来事でした。しかしそのきっかけを作ったのは栞です。その後、栞が誰にも言えずに罪の意識に苛まれていたとしても不思議はありません。栞はどこか精神を病んでいるようなところがあります。
 
  

●なまけもので甲斐性なしの植杉健太郎(小林薫)も気持だけは善人です。小春と紗千(田中裕子)のこじれてしまった親子関係を何とかしたいと気を揉んでいました。
   
健太郎は紗千にないしょで小春のアパートを訪ねました。健太郎は小春に、小春が働いている間テーラーウエスギで望海(鈴木梨央)と陸(髙橋來)の二人の子どもを預からせてほしいと申し出ました。小春も、健太郎にはそれほど感情的なわだかまりがありません。子どもを預かってもらえれば大助かりです。
 
早速テーラーウエスギに望海と陸を預けることにしました。ところが、子どもを預かるという話を紗千は聞かされていません。紗千は、仕事から帰ってきたら望海と陸がいるのでブンむくれてしまいました。おまけに健太郎は望海と陸を紗千に押し付けて用事があるといって外出してしまいました。
 
紗千は、娘の小春のことをいまだに恨んでいます。でも孫の望海と陸に罪はありません。孫というのは孫というだけでかわいいものです。最初は渋い顔をしていた紗千でしたが、だんだん打ち解けてきて望海と陸をお風呂に入れたり浴衣を着せたりしてすっかり気のいいおばあちゃんになっていました。
 
紗千はかわいい孫と過ごせて内心嬉しかったはずです。でも、小春の前では依然として不機嫌な態度を続けていました。この人相当強情っぱりだね。
 
 
 
●小春は今まで知らなかった事実を紗千の娘の栞から聞かされました。紗千も健太郎もあえて小春には伏せていた事実です。
 
世の中には人生が思い通りにいかなくて飲んだくれては自分の女房に暴力を振るう男がいます。そのくせ子どもにはやけに優しくて人気があったりします。売れない小説家だった小春の父親もそういうタイプの男でした。妻の紗千には日常的に暴力を振るっていましたが娘の小春にはやさしい父親でした。幼かった小春は紗千が夫の暴力に苦しんでいた事実を知りませんでした。小春の記憶に残っているのは男手ひとつで自分を育ててくれた優しかった父親の思い出だけです。

「あなたがいい父親だと思っていた人は人間のクズ。死んだ人のことをきれいな思い出にして、生きている人間傷つけて……そういうのって、ああ星がきれいだなあって言いながら足元の花踏みまくっている人のパターンでしょ」
 
「うちのお父さんあなたからお母さんとってないですし。お父さんはお母さんのこと助けただけ、あなたの父親の暴力から」
  
「あなたの父親、お母さんのこと毎日殴ったり蹴ったりして。キズ残ってるの。お母さん前歯何本も折られて差し歯なんですけど。おなか蹴られて入院したこともあるんだよね」
 
「お母さんが家族捨てたとか言っているけど、全然違うし。あなたがそんな可哀想なお母さんを捨てたんだし。あなたがそんな人間のクズみたいな男を選んだんじゃないんですか!」

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2013年7月16日 (火)

原作・池井戸潤の「半沢直樹」第2話を観る

原作の小説に出てくる半沢直樹はドラマの半沢直樹と違ってクールな人物らしいです。でも、堺雅人が演じているホットなんだかクールなんだか、善人なんだかワルなんだか、はっきりしない半沢直樹も悪くありません。人間臭くてなかなか魅力的です。

 
●このドラマには笑えるシーンというのがあまりありません。意識的に笑いを封印しているみたいです。とにかくシビアなシーンが続きます。
 
それでも、第2話で、一箇所だけ、(おそらく勘違いをして)大笑いしてしまったシーンがありました。さて、どこでしょうか?
 
半沢直樹(堺雅人)はいつもは標準語でしゃべります。ところが、竹下金属の社長・竹下清彦(赤井英和)と協力して東田満(宇梶剛士)を探し出そうという話になったとき、突然慣れない大阪弁で、
 
 「こちらこそ。お願いしまっせ。社長はん」
 
と言ってしまいました。すると竹下社長が思い詰めたような表情で半沢直樹に言いました。
 
 「ひとつお願いがあるんやけどな」
 
 「はい
(なんでしょうか?)
 
 「気色悪い大阪弁はやめてくれへんか」

 
このときの半沢直樹の顔といったらありません。大笑いです。

 
しかし、よくよく考えてみると、ここは笑ってはいけないシーンだったのかもしれません。
 
半沢直樹は竹下社長に自殺した父(笑福亭鶴瓶)の面影を見ていました。半沢直樹の父親も朴訥でコテコテの大阪人でした。半沢直樹は父親を思い出して思わず大阪弁が出てしまったのかもしれません。半沢直樹の複雑な胸中を思うと笑うどころか感動的シーンでした。
 
 「いいか直樹、どんな仕事してもええ。人と人とのつながりだけは大切にせなあかん。ロボットみたいな仕事だけはしたらあかんぞ」
 
竹下社長を見ていて半沢直樹は自殺した父親が遺してくれた言葉を思い出していたのかもしれません。
 
 
 
●第2話では西大阪スチールへの融資資金を回収しようとする半沢直樹と東田満の脱税を摘発して税金をむしりとろうとする大阪国税局の統括官・黒崎俊一(片岡愛之助)のデッドヒートが繰り広げられました。
 
半沢直樹がやっとの思いで抑えたと思った5000万円のハワイの別荘を国税局の黒崎俊一に横取りされてしまいました。泣く子と国税には勝てません。半沢直樹の奮闘努力も最後は徒労に終わることになりました。それでも半沢直樹は黒崎俊一に宣戦布告をしてしまいます。
 
 「この借りは倍にして返します。やられたらやり返す。倍返しだ!
 
これが半沢直樹の流儀です。相手がお上でも泣き寝入りはしません。粘着質でおネエ言葉の黒崎俊一よりも本当は半沢直樹のほうが執念深いのかもしれません。負けん気の強い半沢直樹はいつになったら越前さんのような悟り(?)の境地に達することができるのでしょうか……。
 
  
越前さんというのは「泣くな、はらちゃん」に出てきた薄幸で地味で自閉的な女性のことです。麻生久美子が演じていました。次のようなテーマソング(?)があります。

  

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2013年7月10日 (水)

原作・池井戸潤の「半沢直樹」を観る・今どき高視聴率なのに面白いドラマというのも珍しい?

最近のテレビドラマは高視聴率でも内容的に首をかしげたくなるようなドラマが多かったです。(個人的には)高視聴率が必ずしも面白いドラマとは限りませんでした。
 
ところが、7月7日にスタートした原作・池井戸潤の「半沢直樹」は、高視聴率なのに大変面白いという珍しいドラマです。とにかく主演の堺雅人の存在感が際立っていました。大河ドラマ並みの豪華キャストも適材適所といった感じで、個性豊かな俳優が次から次へと登場してきます。
 
 
●平成4年(1992年)、80年代のバブルの余韻がまだ残っていた時代です。就職活動をしていた半沢直樹(堺雅人)は、融資を打ち切って父親(笑福亭鶴瓶)を自殺に追い込んだいわば父親の仇である産業中央銀行を就職先として志望していました。半沢直樹は面接で嘘八百を並べ立ててあっさり内定を取り付けてしまいます。迫真の演技力です。産業中央銀行に就職してどうやら頭取になるつもりでいるみたいです。
  
平成14年(2002年)、バブル崩壊後の失われた十年といわれていた時代です。巨額の不良債権を抱えて経営が行詰まっていた産業中央銀行は、生き残りを賭けて東京第一銀行と合併することになりました。合併後の行名は東京中央銀行です。
 
半沢直樹は現在、東京中央銀行大阪西支店の融資課長をしています。上司と部下の板挟みの中で悪戦苦闘している中間管理職です。もっとも大阪西支店の好業績は半沢直樹の手腕によるところが大きいとの評判がもっぱらです。できる男なんですね。
 
半沢直樹は曲がったことが大嫌いな直情型の人間です。個人を圧殺しようとする組織には徹底的に抗って筋を通そうとします。納得できないことには絶対に妥協しない男の美学があります。
 
 
●同じ会社で長く働いていれば、あまりの理不尽さにブチ切れたくなることが一度や二度ではないと思います。そのとき、本当にブチ切れて会社を辞めてしまう人の多くは人生をこじらせてしまいます。運が悪ければ派遣社員を経てホームレスです。会社を辞めて成功する人というのは、才能と運と仲間に恵まれた極めて希な人です。
 
ほとんどのサラリーマンはブチ切れたくても我慢して長いものにはまかれていると思います。打算的といわれようが、事なかれ主義といわれようが、組織の理不尽さにいちいちブチ切れていたのではサラリーマンは勤まりません。
 
  成功すれば上司の手柄、失敗すれば部下の責任 
 
所詮世の中そんなものと割り切っている人がほとんどではないでしょうか。しかし割り切ったつもりでいても内心穏やかではないのも事実です。
 
  やられたら倍返し!
 
これが半沢直樹のモットーです。半沢直樹は理不尽な仕打ちに泣き寝入りしているサラリーマンの代弁者でもあります。
 
 
●半沢直樹には同期で入行した親友が二人います。渡真利忍(及川光博)と近藤直弼(滝藤賢一)です。
 
渡真利忍は半沢直樹とは対照的な冷静沈着な男です。情報通でもあります。上司と闘う半沢直樹を応援しつつも行内で半沢の立場が悪くなることを心配してくれてもいます。まあ渡真利忍は中庸の精神を重んじる出世するタイプの男です。本店の融資課に勤務しています。
 
  
銀行には余剰人員を融資先の企業に押し付ける悪しき慣行があります。いわゆる出向です。押し付けられた企業はえらい迷惑です。しかしこれも金利の一部だと思って諦めるしかありません。出向を拒否すれば融資を打ち切られてしまう恐れがあります。
 
近藤直弼は繊細な男です。ノルマの厳しい営業職には向いていません。出世コースを外れた近藤直弼は余剰人員とみなされ、融資先への出向を命ぜられてしまいます。二度と銀行には戻れない片道キップです。


●大阪に西大阪スチールという鉄鋼会社(?)があります。東京中央銀行との間に5億円の融資話が持ち上がりました。
 
西大阪スチールの社内にはやる気のない空気が充満しています。社長の東田満(宇梶剛士)は横柄で暴力団の親分のような雰囲気の男です。こんな会社に5億円もの運転資金を融資していいものか、その危険性を半沢直樹は肌で感じていました。
 
ところが、支店長の浅野匡(石丸幹二)は入行2年目の中西英治(中島裕翔)に作らせた詰めの甘い稟議書を融資課長の半沢直樹に無断で本店の審査部に送ってしまいました。結局、大阪西支店は、本店の審査部を丸め込んで実績作りのために無謀な無担保融資に踏み切ってしまいます。
 
案の定、融資直後に西大阪スチールは不渡りを出して倒産してしまいました。計画倒産です。西大阪スチールは脱税の容疑で国税にも目をつけられていました。社長の東田満は不正で得た金を懐に入れて行方をくらましてしまいました。
 
焦げ付いた5億円の責任は半沢直樹に押し付けられました(そんなバカな!)。責任はすべて自分が取ると言っていた支店長も審査能力の欠落した本店審査部もまるで他人事です。
 
半沢直樹は行方をくらませた東田満を見つけ出して融資した5億円を奪い返さなくてはなりません。それだけが東京中央銀行で生き残るための唯一の道です。なんとも理不尽な話です。うまくいくでしょうか?
 
まさに、
 
 クソ上司め、覚えていやがれ!
  
です。

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2013年7月 7日 (日)

小田急沿線自然ふれあい歩道・「海老名駅~厚木駅コース」を歩く

「海老名駅~厚木駅コース」は何度も歩いています。今では地図なしでも楽勝です。「勝手知ったる他人の庭」です。初めて歩いたときはケヤキ屋敷林の手前で道がわからなくなって困ったものでした(拡大図はあるもののそれでも迷った)。
 
ひさしぶにこのコースを歩いてみてびっくりしました。なんと、JR海老名駅の北側の田圃が消滅していました。再開発ということで工事中です。コースに含まれていた田圃の畦道もなくなってしまいました。
 
「海老名駅~厚木駅コース」は、迂回して田圃の畦道を歩いたり、保存樹木の屋敷林を眺めたりしますが、メインは相模三川公園です。相模三川公園は開園が2004年3月ということでまだ新しい公園です。古い地図には載っていません(この公園も樹木のネームプレートがけっこう充実しています)。
 
この相模三川公園からはあつぎ鮎まつりの花火大会で打ち上げられる花火がかなり近くで眺められます(河川敷で打ち上げられる花火を上流から眺めることになる)。花火を見るには絶好のロケーションです。おそらく地元の人にはよく知られている穴場です。遠方から花火を見に来る人も、芋を洗うような相模大橋やあゆみ橋方面は避けて、相模三川公園に行くといいです。海老名駅から徒歩で約20分です。
 
この相模三川公園では何やら拡張工事が行われていました。どうやら花火大会に備えているみたいです。そのうち何年かすると、相模三川公園にも花火の見物客がドッと押し寄せるようになっているかもしれません。
 
 
相模三川公園を一周したら相模川沿いの遊歩道を歩きますが、有鹿神社から先の遊歩道は圏央道の工事のためこれまでは通行規制が敷かれていました。以前歩いたときは、まるで工事現場の中を歩いているような感じでした。ここにきてようやく圏央道も開通して通行規制も大幅に解除されました(橋桁の下ではまだ工事が続いている)。
 
圏央道沿いの住宅街からゴールの厚木駅までの約1.5kmは単なる帰り道といった感じです。見るべきものはほとんどありません。平凡な住宅街の中を歩きます。
 
コースが短過ぎて物足りないという人は、厚木駅に向わずに、相模大橋(またはあゆみ橋)を渡って本厚木駅を目指すといいです。橋の上から眺める相模川もなかなかのものです。遠方に丹沢の山が見えます(富士山は見えない)。

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2013年7月 4日 (木)

脚本・坂元裕二の「Woman」第1話を観る

ドラマ「Woman」は、ヒロインが満島ひかりで、その母親役が田中裕子です。これはもう坂元裕二が脚本を書くしかありませんね。
 
 
●最初にこのドラマにひとこと文句を言わせてもらいます。4歳までの望海はなにをしゃべっているのかよくわかりません。いくらなんでもしゃべらせ過ぎです。聴き取ろうとして聴き取れないとイライラしてきます。
 
舌足らずな4歳児の言葉が聴き取れないというのはリアルには違いありません。でも、テレビドラマなんだから視聴者をイライラさせる演出は遠慮してもらいたいです。
 
 
●さて第1話です。青柳小春(満島ひかり)は6歳と3歳の幼い二人の子どもを抱えた27歳のシングルマザーです。最愛の夫・信(小栗旬)を不慮の事故で亡くしています。
 
母子家庭で世話の焼ける幼い子どもが二人もいたら、母親は思うように働くことができません。だからといって、保育所や託児所に子どもを預ければその費用だけでもバカになりません。時給900円のパートではいくら掛け持ちして働いても食べていくのがやっとです。
 
生活に困窮した小春は生活保護を受けようと考えました。シングルマザーの小春が生活保護の申請を受理してもらうためには、
 
 「援助してくれる身内、親類がいない」
 
という条件が必要です。
 
小春の両親は小春がまだ幼いときに離婚しています。小春を育ててくれた父はすでに亡くなっていて、小春と父を捨てて別の男と再婚した母親の紗千(田中裕子)とは20年間絶縁状態が続いています。
  
小春は、福祉事務所の職員から、20年間絶縁状態の紗千が援助の意志を示していることを告げられ、生活保護の申請を断られてしまいます。
  
小春は自分を捨てた(と思っている)母親の紗千を今でも恨んでいます。紗千の援助などありがた迷惑です。それに自分を捨てた母親の紗千が援助の意志を示すなんて小春にとっては信じられないことです。
  
いったいどういうつもりなのか、小春は紗千の真意を確かめるために20年ぶりに母親の紗千に会いに行くことにしました。
 
 
●紗千の再婚相手の植杉健太郎(小林薫)は仕立て屋(呉服屋じゃないのか?)をしています。お店を開いてはいるものの訪れる客はありません。開店休業状態です。健太郎は甲斐性なしの典型的なダメ男です。今では紗千が外で働いて健太郎を養っています。
 
小春は20年ぶりに母親の紗千に会いました。このときまで、小春は信が紗千を訪ねていたことを知りませんでした。いっぽうの紗千は信がすでに他界していることを知りませんでした。20年ぶりに会ったふたりの話はかみ合いません。
 
小春は、紗千に生活保護が受けられなくなるから援助の話は取り下げて欲しいと要求しました。紗千は福祉事務所からの問い合わせそのものを知りませんでした。援助の意志は、お人好しで心にやましいところのある夫の健太郎が勝手に福祉事務所に伝えていたようです。
 
小春にとって、援助の話を取り下げてもらえればもう紗千には用事がありません。小春の言葉には母親に愛されなかった恨み辛み込められていました。いちいちトゲがあります。
 
しかし母親の紗千にも言い分があります。
 
  わたし捨てたんじゃないから
 
  あの子がわたしを捨てたのよ

 
 
 
●紗千と健太郎の間には栞(二階堂ふみ)というひとり娘がいます。栞は写真館に飾られていた青柳一家(信、小春、望海)の写真を見ながら、不慮の事故で亡くなった信の顔をスケッチしていました。
 
三年前、信は小春にないしょで小春の母親の紗千に会いに行きました。できれば絶縁状態の小春と実の母親である紗千との仲を取り持ちたいと考えたからです。このとき栞も信に会っています。栞は信のことをどう思ったでしょうか。
 
栞は信に会うまでは、自分に種違いの姉(小春)がいることを知らなかった可能性があります。突然現われた信は、栞にとって植杉家の平和を乱す迷惑な訪問者だったかもしれません。あるいはその逆で、栞はイケメン(?)で好青年の信に一目惚れしてしまったのかもしれません。いずれにせよ、栞は信の不慮の事故について何かを知っています。
 
植杉家を訪問した信は、紗千から小春が大好きだった梨をたくさん貰いました。その梨を小春に届けて小春を喜ばせてあげようと思っていた矢先、駅のホームで抱えていた梨を落としてしまいました。信はころがる梨を拾おうとして線路に転落しました。運悪く電車が来ました……轢死です。
 

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