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2013年8月30日 (金)

主演・夏帆の深夜ドラマ「悪霊病棟」第6話を観る

●坂井愛美(高田里穂)は尾神琉奈(夏帆)のたったひとりの親友でした。琉奈が来門市の隈川病院に移ってきたのも、来門市には愛美がいたからです。
 
たったひとりの親友だった愛美を喪ったショックで琉奈の心は崩壊寸前です。琉奈は、元気だった入院患者の石川勲(高橋長英)が死んでしまったのも、突然愛美がビルの5階から転落死したのも、自分のせいだと考えています。
 
 「あたしが来てから病院でおかしなことが起きてる……ナースのみんなはそう噂してます」
 
 「あたし、みんなが自分のことどう言ってるかわかんないほどバカじゃないです」

 
琉奈は怪異現象の疑惑が自分に向けられていることを知っていました。
 
 
 
●丑寅プロダクションの斑目和也(鈴木一真)は、愛美の転落死は自殺ではないと睨んでいました。
 
斑目は隈川朝陽(大和田健介)を丑寅プロダクションの事務所に呼んで、鈴木彩香(川上ジュリア)を撮影した映像を見せました。彩香の背後に尾神琉奈が映っているあの映像です。
 
 「この映像は警察もまだ知りません。でも、坂井は飛び降りる前にこれを見ていた」

 「それが何だって言うんですか」

 「坂井には自殺する理由なんてなかったんだ」

 「尾神琉奈が呪い殺したって言いたいんですか」

 「じゃあこれは一体何なんだ。説明してくれ。一体何なんだよ!!」


 「……」

 「病院の取材の許可をいただければ、この映像がオモテに出ることはありません。ただし、拒むようなら、隈川病院の怪異としてネットに流す」

 「金儲けのための脅しですか!」

 「違う。俺が知りたいのは、なぜ坂井が死ななければならなかったのか、それだけが知りたいんだ。なあ、キミの病院でいったい何が起きてる。尾神琉奈は何者なんだ」

 「……わかりました。その謎を解く方法がひとつだけあります」

 「何だ?何でも言ってくれ」

 「荒っぽいやり方ですが、ひとつだけ方法がある」

 
隈川朝陽のいう荒っぽい方法というのは、映像を直接尾神琉奈に見せてしまうことです。琉奈がこの映像を見れば、誹謗中傷に近いような彩香の発言も聞くことになります。

 「尾神さんが来てからなんです。2週間前に、尾神琉奈っていう人がうちの病院に来たんです。そのころから頻繁におかしなことが起こり始めて、元気だった石川さんも、尾神さんのせいで死んだんじゃないかと思って」
 
この発言を聞かされる琉奈の胸中を考えるとちょっと残酷です。それでも、直接映像を琉奈見せて問い質すのが一番手っ取り早い方法ではあります。たしかに荒っぽいです。
 
 
●隈川朝陽と斑目和也は尾神琉奈を公民館に呼び出して鈴木彩香の映像を見せることにしました。最初はあまりの仕打ちに取り乱していた琉奈ですが、隈川朝陽に説得されて真剣に映像と向き合うことにしました。琉奈は、何かわかることはないかと、必死に映像を見詰めていました。
 
 「最近になって、不可解なことが頻繁に起こるんです。幽霊とか……あたし、不安なんです。不安で不安で、あの病院でなにかおかしなことが起こり始めているんじゃないかと思って……」
 
そのときです。突然琉奈が倒れて痙攣を始めました。あわてて隈川朝陽は琉奈を抱き起こしました。琉奈は白目を剥いて獣のような唸り声をあげました。そして呟きました。
 
 「キヌ……女の人」
 
「キヌ」というのはおそらく白い着物を着た黒い歯の女の名前です。旧病棟の最上階に封印した悪霊です。
 
 「キミにとり憑いているのか?」
 
問い質す斑目に琉奈が答えました。
 
 「あたしじゃない」
 
琉奈は突然起き上がるとパソコンの画面を指差して言いました。
 
 「鈴木…鈴木彩香」
 
どうやら悪霊がとり憑いたのは鈴木彩香だったようです。
 
 
旧病棟の最上階に封印されていた悪霊は霊感の強い尾神琉奈を利用して封印を解いてしまいました。自由になった悪霊は鈴木彩香にとり憑きました。鈴木彩香はそのことに気がついていません。悪霊は怪異現象の疑惑をすべて尾神琉奈に押し付けて、石川勲と坂井愛美を死の世界に引きずり込みました……まあ、こんなところだと思います。
 
 

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2013年8月27日 (火)

脚本・坂元裕二の「Woman」第7話を観る

カルメン・マキが歌っている「時には母のない子のように」という曲があります。作詞は寺山修司です。
 
この曲が似合うのは、栞(二階堂ふみ)でしょうか、それとも小春(満島ひかり)でしょうか。ちょっと聴いてみてください。

 

 
「Woman」第7話では、3年前に轢死した青柳信(小栗旬)の薄幸の過去が明らかになりました。「時には母のない子のように」は、栞でもなく小春でもなく、まさに青柳信のテーマ曲です。
 

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2013年8月25日 (日)

朝ドラ「あまちゃん」のキャスティングのセンス・うわぁ、マキタスポーツだ!!

●フレッシュな能年玲奈と元アイドルの小泉今日子の熱演で大人気の「あまちゃん」には、深夜ドラマのヒーローが続々と登場してきます。

 
まず、最初に出てきたのは「まほろ駅前番外地」の行天こと松田龍平です。松田龍平は芸能プロダクションのスカウトマン兼マネージャーの役で出てきました。今は芸能プロダクションを辞めてアキ(能年玲奈)の専属マネージャーをしています。あの行天がメガネかけちゃって専属マネージャーです。

 
次に出てきたのが「間違われちゃった男」のテルさんこと古田新太です。古田新太は大和ハウスのコマーシャル(「ベトナムにも」編)の印象が強烈ですが、「間違われちゃった男」ではあの顔(?)でこそ泥役の主演でした。その古田新太が「あまちゃん」では芸能プロダクションの社長兼敏腕プロデューサーに大変身です。それにしても踊っているだけで絵になる男というのも珍しいです。

  
深夜ドラマのヒーローといえば、「みんな!エスパーだよ!」の輝さんことマキタスポーツを忘れてはいけません。ここまできたらマキタスポーツも「あまちゃん」に登場させるのが筋というものです。でも、「みんな!エスパーだよ!」はエロドラマだったし、たぶん無理だろうと思っていました。ところがです。

 
本日、撮りだめしていた「あまちゃん」の録画をまとめて観ていたところ、ようやく8月12日(月)の115回まできたときです。ついに出ました!!マキタスポーツです。「橋幸夫」歌謡ショーで司会役をやっていました。



 
 
 
 
●安部ちゃん(片桐はいり)は、北三陸の郷土料理「まめぶ汁」を全国に広めようと、東京に出てきて「まめぶ汁」のお店をやっています。あんまり美味しくないせいかさっぱり人気がありません。苦難の日々が続いています。

 
ある日のことです。安部ちゃんのお店にまめぶ汁が大好物という風変わりな男がやってきました。まめぶ汁を注文して美味しそうに食べてくれるので安部ちゃんは大喜びです。この男は近くで屋台のラーメン屋をやっていました。まだ独身です。安部ちゃんはまめぶ汁を通じてその男とすっかり仲良くなってしまいました。そしていつのまにか一緒に暮らうようになりました。

 
蓼食う虫も好き好きです(そんなこと言っちゃいけない?)。安部ちゃんといっしょに暮らすようになったこの男こそ、マキタスポーツにうってつけの役です。

 
安部ちゃんだって一応女です。男がいないのは寂しいです。体が夜泣きします。できれば、マキタスポーツは安部ちゃんの恋人役(?)で出てきて欲しかったです。橋幸夫の歌謡ショーは回想シーンです。そこで司会をやっていても回想シーンが終わってしまえば次の出番がないではありませんか。

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2013年8月23日 (金)

追悼・圭子の夢は夜ひらく

演歌はあまり好きじゃないけど、この歌はいいよね。まさに怨歌です。

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主演・夏帆の深夜ドラマ「悪霊病棟」第5話を観る

●丑寅プロダクションのディレクター斑目和也(鈴木一真)は坂井愛美(高田里穂)の上司です。斑目は「隈川病院の怪異」について、都内の番組制作会社からしっかりした裏づけが取れれば大物タレントを使ってゴールデンタイムに全国放送してもいいといわれていました。
 
田舎の小さな番組制作会社でくすぶっていた斑目にとって、うまくいけば東京の会社にカンバックできるチャンスです。隈川病院の取材にはいやが上にも熱が入ります。斑目は部下の愛美に、隈川病院に知り合いがいるなら何とかしろと檄を飛ばしていました。
 
 
●愛美はかつて隈川病院に入院したことがあるという女性から貴重な証言を聞きだしました。
 
50年前、今は使われていない旧病棟ができて間もないころの話です。当時小学6年生だったその女性は隈川病院に入院していました。隈川病院はできた直後から不可解な現象がしょっちゅう起きていました。近所では「お化け屋敷」という噂が立ち始めていました。
 
さすがにまずいと思った当時の院長は、有名な祓い師を呼んでお祓いをしてもらいました。そして病棟に憑いていた悪霊を閉じ込めて最上階に隠し部屋を作って壁で封印したというのです。
 
子どもの好奇心からその女性は本当にそういう隠し部屋があるのかどうか確かめようとしました。しかし院長先生に見つかってしまいました。結局隠し部屋があるのかどうかは確かめられませんでした。
 
 
●隈川病院の看護師・鈴木彩香(川上ジュリア)から丑寅プロダクションに電話がかかってきました。取材に応じてもいいというのです。これまで隈川病院の関係者にはことごとく取材を断られてきました。これでようやく病院の関係者からも話を聞くことができます。
 
鈴木彩香は人目を気にしていました。斑目と愛美は人目につかないように彩香とは来門市の公民館で会うことにしました。収録したビデオは編集で顔も声もわからなくするという条件で、綾香には思っていることを自由に話してもらうことにしました。
 
 「最近になって、不可解なことが頻繁に起こるんです。幽霊とか……あたし、不安なんです。不安で不安で、あの病院でなにかおかしなことが起こり始めているんじゃないかと思って……」
 
彩香は親しかった入院患者の石川勲(高橋長英)から丑寅プロダクションの連絡先を聞いていました。彩香が取材に応じて隈川病院の不可解な現象について話す気になったのは、恐ろしくてたまらずに誰かに話さずにはいられなかったからです(たぶん)。綾香の不安と恐怖は極限に達していました。彩香は露骨に尾神琉奈(夏帆)を疑っていました。
 
 「尾神さんが来てからなんです。2週間前に、尾神琉奈っていう人がうちの病院に来たんです。そのころから頻繁におかしなことが起こり始めて、元気だった石川さんも、尾神さんのせいで死んだんじゃないかと思って」
 
 
●取材を終えてから、愛美はオフィスに戻って収録した鈴木彩香のビデオを繰り返しチェックしました。斑目が帰ってからも、愛美はひとりで夜遅くまでビデオのチェックを続けました。
 
 「尾神さんが来てからなんです。2週間前に、尾神琉奈っていう人がうちの病院に来たんです。そのころから頻繁におかしなことが起こり始めて、元気だった石川さんも、尾神さんのせいで死んだんじゃないかと思って」
 
ふと気がつくと、泣きながら訴えている鈴木彩香の背後に最初はなかったはずのもやがかかっていました。おかしいと思いながらも愛美はパソコンのスイッチを切りました。ところがいつのまにかまたスイッチが入っていました。
 
 「尾神さんが来てからなんです。2週間前に、尾神琉奈っていう人がうちの病院に来たんです。そのころから頻繁におかしなことが起こり始めて、元気だった石川さんも、尾神さんのせいで死んだんじゃないかと思って」
 
変だと思いながら愛美は画面を凝視しました。すると、ぼんやりしていたもやがだんだんハッキリしてきました。誰かの顔です。繰り返し観ているとさらに画面がハッキリしてきました。それは紛れもなく尾神琉奈の顔でした。鈴木彩香のうしろにこちらをジッと見詰めている尾神琉奈の顔が映っていました。
 
愛美は恐ろしくなってパソコンのスイッチを切ろうとしました。しかしどうやってもスイッチが切れません。依然として同じ箇所の映像が流れ続けています。
  
 「尾神さんが来てからなんです。2週間前に、尾神琉奈っていう人がうちの病院に来たんです。そのころから頻繁におかしなことが起こり始めて、元気だった石川さんも、尾神さんのせいで死んだんじゃないかと思って」
 
愛美はあまりの恐ろしさにパソコンのモニターを払い除けるとオフィスを飛び出しました。丑寅プロダクションは雑居ビルの5階にあります。愛美は恐怖と闘いながら今か今かとエレベーターが来るのを待っていました。すると突然明かりが消えました。暗闇の中で愛美のケータイに「さえこ」からメールが届きました。
 
 いま3階
 
何かが階段を上がってくる気配がします。またメールが届きました。
 
 いま4階
 
恐ろしくなった愛美はケータイを投げ捨てると、オフィスの固定電話で警察に110番しました。しかし繋がりません。受話器の向こうから少女の声がしました。
 
 もう開けたよ
 
気がつくと閉まっていた非常口のドアがいつの間にか開いていました。いくら閉めても閉めたはずのドアが開いています。逃げ惑う愛美の前に血だらけの女子中学生が現われました。「さえこ」です。
 
「さえこ」に突き落されたのか、自ら飛び降りたのか、愛美は雑居ビルの5階から転落していました。

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2013年8月18日 (日)

月9ドラマ「SUMMER NUDE」の楽しみ方

●このドラマは、女に逃げられた男と男に逃げられた女の物語です。どちらかというと男に逃げられた女のほうが感情移入しやすいです。
 
千代原夏希(香里奈)は、結婚式の最中に夫となるはずだった幸太(福士誠治)に逃げられてしまいました。夏希は人に借りを作ったり、人から同情されたりすることを極端に嫌う勝ち気な女です。見方によってはサバサバしていて今でいうオトコマエの女性ですが、夏希のことを知れば知るほど気弱な幸太は結婚するのが恐ろしくなってしまったのかもしれません。
 
逃げ出した幸太から夏希に一通のメールが届きました。
 
 こんなことになってしまって
 申し訳ない気持で一杯です。
 
 ただあのまま一緒になってい
 たら今以上に迷惑を掛けること
 になっていたと思います。

 
 弱い俺を許してほしい。
 
逃げた男が辛いか、逃げられた女が辛いか……微妙なところです。
 
 
夏希はイタリアンレストランで店長をしていました。しかし結婚が決まって寿退社してしまったため、結婚生活もダメ、仕事もダメになってしまいました。今では完全なプーです。
 
幸せの絶頂から不幸のどん底へ……夏希が気の弱い女性だったら人生をはかなんで断崖絶壁から身を投げていたかもしません。さすがにそこまでは考えなかったものの、負けん気の強い夏希もしばらくは立ち直れないほど落ち込んでいました。
 
 
●三厨朝日(山下智久)は、内房線の海辺の町にある小南写真館のカメラマンです。三年前に突然いなくなってしまった一倉香澄(長澤まさみ)がいまだに忘れられずに帰ってきてくれると信じて待ちつつけている変な男です。夏希とは結婚式の写真撮影を頼まれたのが縁で知り合うようになりました。
 
夏希は、朝日から、地元の海の家「青山」で店長をやってくれないかと誘われます。海の家「青山」は、名前はレストランですが、実際は掘っ立て小屋のようなお店です。それでも地元の人たちに愛されているかけがえのないお店です。ところが今年は店長の下嶋勢津子(板谷由夏)が出産のため、毎年かならず開かれていた「青山」の開店が危ぶまれていました。だれか助っ人を捜さなくてはなりません。
 
変人の朝日にはどうしても「青山」を開店してもらわなくては困る事情がありました。香澄も海の家の「青山」が大好きでした。今年の夏もしかしたら香澄が帰ってきてくれるかもしれません。そのとき「青山」が開店していなかったら香澄が悲しみます。香澄を悲しませないために、朝日には何が何でも「青山」は開店しておく必要がありました。
  
朝日は結婚式の様子から夏希がイタリア料理店の店長だったことも、かなり腕のいいシェフだったこともわかっていました。夏希こそは「青山」の店長として勢津子の代役が務まる貴重な人材です。朝日は藁をもすがる思いで夏希を海辺の町に呼びました。騙してまで。
 
夏希は誘われるままに気晴らしのつもりで朝日の住む海辺の町にやってきました。ところがどうも話が違います。レストランと聞いていたのに実際は掘っ立て小屋のような海の家だし、一日だけといわれていたのにいつのまにかひと夏ということになっていました。
 
朝日にウソをつかれたことに気がついた夏希は極端に不機嫌になりました。勢津子の夫の賢二(高橋克典)が土下座して勢津子のピンチヒッターをお願いしても無駄でした。
 
帰るといってきかない夏希に、朝日は言ってはならないことを言ってしまいます。夏希を駅まで送っていくクルマの中でのことです。
 
 「男がもっとも苦手な女性のタイプって、気が強くって強情な女だって、ご存じでした?」
 
 「女からしたら、ウソをつく男なんて論外ですけどねえ」
 
 「……だから逃げられるんだよ」

 
売り言葉に買い言葉です。朝日は夏希の傷口に塩をすり込んでヤスリでこすってしまいました。激怒した夏希は途中でクルマを降りて歩いて帰ると言い出しました。しかしそれが運のつきでした。歩くと駅までそうとう距離があります。夏希は終電に乗り遅れてしまいました。
 
 
●谷山波奈江(戸田恵梨香)は父親が経営する谷山酒造の役員です。ほとんど仕事はしていません。それでも待遇だけは役員待遇です。若くしてお金に困らないリッチな生活をしています。波奈江は10年間朝日に片想いを続けている変な女でもあります。
 
終電に乗り遅れた夏希は仕方なく波奈江のところに泊めてもらうことになりました。運命のいたずらです。波奈江のところに泊った夏希は、一途で単細胞(?)の波奈江が気に入ってしまいました。二人はまるで古くからの親友のように意気投合してしまいました。
 
翌日、波奈江に連れられて夏希はお産で入院中の勢津子に会いに行きました。そこで、建物はボロでも「青山」というお店がどこにでもあるようないい加減な海の家ではないということを知らされます。勢津子のピンチヒッターを頼まれるということは、シェフとしてむしろ光栄であり誇らしいことでさえあるんだということを悟らされます。
 
何だか状況がなし崩しになってきました。既成事実が積み上げられて地元の人たちは夏希がすでに「青山」の店長を引き受けてくれたつもりになっていました。夏希としても、勢津子に会ってからというもの、どうせヒマなんだし、みんながそんなに喜んでくれるなら店長を引き受けようかという気になっていました。
 
 
●夏希は最初、朝日に10年間片想いを続けている波奈江を本気で応援してあげたいと思っていました。ところがです。朝日とは喧嘩もするけど折に触れて見せる朝日のさりげない優しに夏希は心を奪われていきます。夏希はやがて朝日に特別な感情を抱くようになっていました。
 
朝日と波奈江が親しくしていると、夏希は嫉妬まじりの寂しさを感じるようになります。夏希の朝日への想いは、波奈江に対する裏切りです。結果的に波奈江を騙したことになります。しかし、いけないとわかっていても恋心というのは理屈ではありません。夏祭りの花火大会の夜です。あまりの切なさに夏希は泣き出してしまいます。
 
これ以上この町に長居はできない……勢津子も「青山」に復帰したことだし、夏希は東京に帰ることにしました。

 「あたし、この町が大好きです。今日ますますこの町のことが好きになりました。この町のみんながホントに大好きだし、ホントにホントに大切だから、あたし、東京に帰ります」
 
 「苦しいんです。ここにいたら、もっともっと、もっともっと好きになっちゃいそうで、苦しいんです」

 

恋愛感情というのは隠そうとして隠しきれるものではありません。年の功で賢二や勢津子は夏希の秘めた想いにすでに気づいているかもしれません。あるいは朝日のことに関してはやたらと敏感な波奈江もそれとなく気づいているかもしれません。朝日も自分の心の空洞を埋めてくれるのは波奈江ではなく夏希だと無意識に思いはじめているかもしれません。
 

 
 

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2013年8月10日 (土)

主演・夏帆の深夜ドラマ「悪霊病棟」第4話を観る

●入院患者の石川勲(高橋長英)の臨終のとき、尾神琉奈(夏帆)は石川勲の幽霊を見ました。石川勲の幽霊は「ミツコ」という名前を呼びながら消えていきました。
 
琉奈は、それとなく「ミツコ」という名前の人が石川勲の家族にいないかどうか、鈴木彩香(川上ジュリア)に訊ねてみました。そして「ミツコ」というのは数年前に亡くなった石川勲の奥さんの名前であることを知らされました。
 
知っているはずのない石川勲の奥さんの名前をなぜ聞いたのか……琉奈は激しく動揺しました。琉奈は自分は本当に石川勲の幽霊を見たのではないかと思い始めていました。
 
それでも、幽霊のことを彩香に話すことはできません。どうせ信じてもらえないし、変人扱いされて怖がられるだけです。琉奈は病気が再発してまた幻覚を見るようになったんだと自分を納得させようとしました。
 
ナースという仕事は自分に向いていないのかもしれない、ナースをやっているから病気が再発してしまった、もうナースを辞めたい……患者には嫌われるし琉奈は現実から逃げ出したい気分になっていました。それでも、病気が再発したことを父親に話せば父親を心配させることになります。父親を心配させたくなかったら、辞めたくても頑張るしかありません。
 
 
●主任ナースの木藤純子(森脇英理子)は、隈川病院に広がりだした幽霊の噂話を苦々しく思っていました。木藤純子は幽霊などまったく信じないタイプの女性です。ところが幽霊など信じていないはずの木藤純子も、とうとう自分が幽霊を見てしまうことになりました。ポケットに隠し持っていた琉奈の心霊写真が影響したのかもしれません。
 
純子は、新病棟の階段の途中でジャージを着た男子が背中を向けて立っているのを見ました。ジャージの背中には「若月高校」と書かれていました。通り過ぎてから患者かと思って振り返ると男子高校生は消えていました。同じ場所で同じジャージ姿の血だらけの幽霊を見たという韓国女性の入院患者もいました。
 
気になりだした木藤純子は、ネットで検索してみました。そして次のような若月高校の幽霊に関する記事を見つけました。
 
 都市伝説
 
 若月高校の幽霊
 
若月高校には昔、階段から転落して死んだ男子のジャージ姿の幽霊が階段や踊り場に出るという噂があり、今でも霊感の強い生徒は絶対にその踊り場には近づかないという。
 
同校は杉並区浦紀文三丁目にあり、ここは戦前死刑囚を収容する施設があった場所だ。この施設は実際に死刑を執行する場所ではなかったが、収容されていた死刑囚の中には、劣悪な環境の中で精神が崩壊し、無念の死を遂げたものも少なくない。今でも彼らの社会に対する強い怨念は残り続けているのだろうか。終戦後にこの施設は取り壊され、現在の高校が建てられた。

 
 
若月高校というのは尾神琉奈が卒業した高校でした。最近隈川病院で目撃されるようになった幽霊はすべて尾神琉奈が以前に見たことのある幽霊です。まるで尾神琉奈が幽霊を引き連れて隈川病院に移ってきたかのようです(実際そうなのかもしれません)。
 
木藤純子は、尾神琉奈の履歴書を見て、尾神琉奈が若月高校の卒業生であることを確認しました。幽霊など信じていなかった木藤純子も、尾神琉奈が隈川病院に来てから頻発するようになった幽霊の目撃談が本当であることを信じざるを得なくなったと思います。
 
 
 
●琉奈のところに中学時代の親友の坂井愛美(高田里穂)から電話がかかってきました。
 
愛美は、最近「さえこ」という人から変なメールが頻繁に送られてくるようになったというのです。「さえこ」といわれても愛美には心当たりがありません。「さえこ」という名前で唯一愛美が思い当たるのは中学時代に事故で亡くなった「くすやまさえこ」です。でも「くすやまさえこ」はすでに死んでいます。
 
死人からのメールかもしれない……愛美の話を聞いて琉奈は胸騒ぎがしました。愛美から最近何か変わったことはないかと聞かれても、恐ろしくて答えることができません。琉奈は愛美の身の上に何か不吉なことが起こりそうな予感がしました。
 
 
 
●今はまだ研修医ですが隈川朝陽(大和田健介)の専門は心療内科です。琉奈は、いつも優しくしてくれる隈川朝陽に、思い切って自分の苦しい胸の内を打ち明けることにしました。
 
尾神琉奈は小学1年のころから幽霊を見るようになっていました。癌で亡くなった母親の魂が抜けていくのを見たのが始まりでした。琉奈は中学のとき2年間心療内科に通っていました。幽霊が見えるという心の病気を治すためです。
 
その後、幽霊を見なくなり病気はすっかり治ったはずでした。ところが、2週間前に隈川病院に移って来てから、琉奈はまた幽霊を見るようになりました。琉奈に異変が起きたのは、旧病棟の最上階に行ってからです。
 
幽霊を見るようになったのと同時に琉奈は悪夢にうなされるようになりました。
 
 満月の夜、暗いところで、白い着物を着た獣のような女が、じっとうずくまっている……女がこちらを振り返って口を開くと、口の中の歯は全部真っ黒……
 
琉奈が繰り返し見るようになった悪夢は、隈川朝陽が昔から見ている夢と同じでした。そのことを確かめると、琉奈はつぶやきました。

 あたし、病気じゃないかもしれない……
 
 
●その夜のことです。救急車のサイレンが鳴って隈川病院に急患が運ばれてきました。琉奈が救急車に駆け寄ると、運ばれてきたのは坂井愛美でした。愛美はビルの五階から飛び降りていました。琉奈の不吉な予感が的中しました。愛美は「さえこ」に呼ばれたのかもしれません。
 
愛美は琉奈のたった一人の親友でした。取り乱して泣き叫ぶ琉奈の目の前に、担架で運ばれていく愛美とは別に、血だらけでうらめしそうに琉奈を見ているもう一人の愛美が現われました。琉奈以外の人には見えない愛美の幽霊です。
 
 

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2013年8月 6日 (火)

深夜ドラマ「悪霊病棟」第3話を観る

●隈川病院には石川勲(高橋長英)という老人の入院患者がいます。移動はいつも車イスです。石川老人は元カメラマンです。妻に貰ったという立派なカメラをいつも大事そうに抱えています。
 
石川は看護師の鈴木彩香(川上ジュリア)がお気に入りです。彩香を見ていると死んだ妻を思い出すなどといやらしいことを口走ったりします。
 
石川が写した何枚かの写真の中に、鈴木彩香がひとりだけで写っている写真が1枚ありました。よく見ると彩香の背後にぼんやりともやがかかっていました。そして時間とともにそのもやがだんだんハッキリしてきました。どうやら人間の顔のようです。それは、なんと、尾神琉奈(夏帆)の顔のようでした。時間とともにぼんやりしていた顔がハッキリしてきます。明らかに琉奈の顔です。彩香の写真にまるで背後霊のように琉奈の顔が写っていました。
  
石川は恐ろしくなって写真を丸めてゴミ箱に捨ててしまいました。ところが病室にもどってみると、捨てたはずの写真が病室のベッドの上に置かれていました。ますます恐ろしくなった石川はその写真を細かく引き裂いてトイレに流してしまいました。
 
以来、石川は不気味な雰囲気を漂わせている尾神琉奈を極端に恐れるようになりました。琉奈が病室に入ってくると、恐怖で顔を引きつらせて琉奈を拒否します。琉奈が石川の世話をしようとしても、
 
 さわるな! 頼む。あんた以外の誰かにしてくれないか。
 
などと懇願したりします。
 
 
どこまでが現実でどこからが石川の幻覚かわかりませんが、とにかく奇怪な現象が続きます。
 
引き裂いてトイレに流したはずの写真が、いつのまにかきちんと貼り合わされて石川のベッドに戻っていました。これを見た石川は恐怖のあまり気が動転してしまいます。慌ててもう一度写真を引き裂くと病室の窓から投げ捨てました。しかしムダでした。いくら捨てようとしても写真は戻ってきてしまいます。
 
あまりの恐ろしさに石川の病状が急変してしまいました。駆けつけた隈川朝陽(大和田健介)の緊急措置もむなしく病状が悪化した石川はそのまま死んでしまいました。まるで心霊写真に呪い殺されたかのようです。
 
石川の臨終の場に居合わせた琉奈は、ベッドに横たわっている石川勲とは別に石川勲を見詰めているもう一人の石川勲の姿をはっきりと見ていました。もう一人の石川勲は自分の死を悲しんでいるかのようでした。しばらく佇んでいましたが亡くなった妻の名前を呼びながら虚しくその場を去っていきました。亡霊です。石川勲の亡霊には誰も気がついていません。亡霊を見てしまったのは琉奈だけです。
 
 
●かつて石川勲は、妻に貰ったカメラで隈川病院の旧病棟の写真を何枚か写したことがありました。まだ旧病棟が新しかったころの話です。夏の暑い日でした。写真をとっていると病棟の方から呻き声が聞こえてきました。それは人間の声ではありませんでした。獣の声です。
 
石川は声の方向にカメラを向けて夢中でシャッターを切りました。すると石川は金縛りにあったように動けなくなってしまいました。そのままその場で気を失ってしまいまい、気がついたときはもうあたりは夕暮れでした。
 
石川は気を失う前に誰かが耳元で、
 
  く ろ い は
 
と囁くのを聞いていました。石川にはその意味がわかりませんでした。
 
石川は旧病棟の写真を何枚か写していました。石川が写した旧病棟の写真には、どの写真にも、誰もいなかったはずの最上階に白い着物を着た女が写っていました。ところが、その後、石川が写した旧病棟の写真は、ネガもろともに消えていました。石川の手元には一枚も残っていません。
 
 
研修医の隈川朝陽は夢の中で白い着物を着た女の後姿を見ていました。琉奈が夢の中で見た女も白い着物を着ていました。琉奈は女の顔も見ています。振り返ったその顔は黒い歯をしていました。琉奈が旧病棟で見た亡霊(?)もおそらくこの女です。
 
 

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深夜ドラマ「悪霊病棟」を観る

「みんな!エスパーだよ!」ではセクシーなパンチラの女子高校生だった夏帆が、この「悪霊病棟」では背中をまるめてテコテコ歩く陰気な看護師になっていました。ヘアスタイルが地味でメガネをかけています。見事な(?)変身ぶりです。
 
夏帆だと気がつかなければ、このメガネをかけたおばあさんみたいな看護師がこのドラマの主人公だとは思いもよらない事です(たぶん)。むしろ別の看護師の鈴木彩香(川上ジュリア)のほうがかわいらしくて主人公っぽいです。
 
 
●尾神琉奈(夏帆)には、死んだ人の霊が見えるという特殊能力があります。しかし死んだ人の霊が見えることを話しても誰にも信じてもらえません。子供のころから気持悪がられて変人扱いされてきました。琉奈自身も自分に特殊能力があることに気がついていません。小さいときに母親を亡くしたショックで幻覚を見るようになったのだと思い込んでいます。
 
琉奈はこのドラマの舞台である隈川病院に2週間前に転勤してきました。前の病院で何があったのかわかりませんが、琉奈にとっては慣れない土地での初めての一人暮らしです。それまでは父親といっしょに暮らしていたようです。
 
隈川病院は静岡県の来門市というところにあります。10年前に新病棟ができて現在は新病棟で開業しています。使われなくなった旧病棟も建物はまだ残っています。旧病棟は幽霊が出るということでかつてはお化け屋敷と呼ばれていました。旧病棟の老朽化ということを口実に新病棟が建てられたのも、旧病棟にまつわる悪いうわさを払拭するためだったようです。
 
ところが、何ごともなかったはずの新病棟にも最近になって幽霊が出るようになりました。2週間前に琉奈が隈川病院にやってきてからのことです。
 
新病棟で最初に幽霊を見たのは看護師の鈴木彩香です。病院の廊下で落とした備品を拾って振り返るとセーラー服姿の女子中学生が立っていました。顔もセーラー服も血だらけです。患者だと思って声をかけるとその女子中学生は消えてしまいました。
 
入院患者の間でも幽霊を見たといううわさが出始めました。夜中にランドセルを背負った小学生の男の子が廊下を歩いていたとか、黒人女性が女子トイレで首を吊っていたとか……ことごとくかつて琉奈が見たという「幻覚」と同じです。
 
 
●坂井愛美(高田里穂)は琉奈の中学時代の親友です。丑寅プロダクションというテレビ番組の制作会社でAD(アシスタントディレクター)をしています。その愛美が頼みごとがあるといって琉奈を訪ねてきました。かつてお化け屋敷と呼ばれていた隈川病院に取材を申し込んでも断られてしまうので何とかならないかというのです。
 
愛美は琉奈が心を許せる唯一の親友です。いつもは陰気な琉奈も愛美の前では明るく振舞うことができます。琉奈はこれまで自分をかばってくれた親友の愛美のために何とか情報を提供してあげたいと考えました。そこで今では廃屋となっている夜の旧病棟に志願して入ってみることにしました。
 
夜の旧病棟はいかにも幽霊が出そうな建物です。そこで琉奈は恐怖の体験をしました。
 
暗闇の中で誰かが琉奈の名前を呼んでいます。琉奈は声の主を確かめようとして恐るおそる声のするほうに近づいていきました。名前を呼ぶ声に導かれて最上階まで来たときです。琉奈が、落としたお守りを拾おうとすると、突然ドアが開いて誰かが琉奈の腕を掴みました。
 
びっくりした琉奈は命からがら新病棟に逃げ帰ってきました。恐ろしさのあまりただただ泣き崩れるだけで要領をえません。琉奈は過去の苦い経験から幽霊を見ても人には見たとは言わなくなっていました。あくまでも自分は心の病気で幻覚を見ているのだと思い込んでいます。

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