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2013年12月19日 (木)

小池真理子原作のテレビドラマ「恋」を観る・その5


 

 

 

 

 

 
余命1ヶ月の矢野布美子(原田美枝子)はノンフィクション作家の鳥飼三津彦(渡部篤郎)を病室に呼んで、これまで誰にも話さずに伏せていた40年前の殺人事件の真相を話すことにしました。鳥飼の著作を読んで鳥飼が信頼できる作家であることを確信したからです。矢野布美子は墓場まで持っていくつもりでいた秘密を鳥飼に話し始めました。
 
鳥飼三津彦は誠意には誠意を持って応える男です。鳥飼は死期の迫っている布美子に鎌倉で仲睦まじく暮らしている片瀬夫妻の幸せそうな姿をひと目見せてあげようと考えました。年老いた信太郎と雛子が今でも幸せに暮らしている……布美子にとっては最高のプレゼントです。
 
布美子が殺人を犯してまで守ろうとしたのは信太郎と雛子という理想のカップルです。このドラマのタイトルの「恋」というのは、布美子の片瀬夫妻に対する思いのことです。
 
 
 
 
 
おまけ
 
「恋」を観ていたら最近観た三つのテレビドラマが浮かんできました。
 
●ひとつはドストエフスキー原作の「カラマーゾフの兄弟」です。「カラマーゾフの兄弟」は舞台を日本に移し変えたドラマでしたが、ドラマの内容よりも使われている楽曲のほうが気になってしまうという不思議なドラマでした。「恋」もBGMに1970年前後の名曲が数多く使われていました(ちょっとやりすぎです)。
 
それでもマルメロの苗木を抱えた矢野布美子(石原さとみ)が草原の丘を上っていくラストシーンで流れていたレッド・ツェッペリンの「天国への階段」はよかったです(この曲は「カラマーゾフの兄弟」でも使われていた)。名曲はみだりに使わないでここぞというところでビシッと決めるのがいいです。
 
「カラマーゾフの兄弟」で黒澤家の長男役を演じていた斎藤工がこのドラマでもダークな役で出てきました。よくよく考えてみると、斎藤工が演じていた大久保勝也という青年は特に何も悪いことをしていません。態度がちょっと横柄なだけです。それなのに布美子の理想とする世界観にとって邪魔だという理由で一方的に殺されてしまいました。何だか気の毒です。
 
 
 
●次に思い浮かんだドラマは大石静脚本の「蜜の味 ~A Taste Of Honey~」です。禁断の物語という以外「恋」と「蜜の味」に共通点はありません。それでも「恋」がテレビドラマの許容範囲を超えている(?)特異な設定のドラマだっただけにどうしても「蜜の味」を思い出してしまいました。禁断つながりです。
 
「蜜の味」で姪の直子(榮倉奈々)と禁断の恋に陥る雅人役を演じていた井浦新がこのドラマでも禁断の夫婦生活を続ける片瀬信太郎の役で出てきました。信太郎にあえて井浦新を起用したのは、このドラマの最大の謎にたいするささやかなヒントだったのかもしれません。
 
 
●三番目に思い浮かんだのは坂元裕二脚本の「Mother」です。「Mother」では雑誌記者の藤吉駿輔(山本耕史)が真実を突き止めながらも発表をためらって自分の書いた原稿を没にしていました。
 
このドラマでもノンフィクション作家の鳥飼三津彦(渡部篤郎)が末期癌の矢野布美子(原田美枝子)から事件の真相を聞かされながらその事実を作品として発表することを断念していました。
 
  世の中には真実を暴くことよりももっと大切なことがある
 
「Mother」と「恋」には共通したメッセージが根底に流れていました。

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