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2014年1月16日 (木)

吉川洋の「デフレーション "日本の慢性病"の全貌を解明する」(日本経済新聞出版社)を読む

●この本のテーマは「デフレと金融政策」です。財政問題については考察の対象外です。内容を大雑把に要約すると次のようになります。
 
高度経済成長期は金融を引き締めてもインフレだった。今は金融を緩和してもデフレだ。したがって、経済がインフレになったりデフレになったりするのは、(まったく無関係とはいわないまでも)金融政策とはあまり関係がない。
 
 
デフレは長期停滞の原因ではなく「結果」であるというのが吉川洋の見解です。結論として「(日本経済が)デフレに陥るほどの長期停滞を招来した究極の原因は、イノベーションの欠乏にほかならないのである」としています。



●この本を読んでいてよくわからなかったのはデフレの弊害についてです。1~2%程度の物価の下落が本当にそれほど大問題なのでしょうか。
 
そりゃあ物価が5%も10%も下落したら大変です(名目金利がゼロでも実質金利がそのまま5%とか10%とかになってしまいます)。しかし、通常の実質金利を1~2%程度と考えれば、名目ゼロ金利のもとで1~2%程度物価が下落しても特に問題はないのではないでしょうか。
 
素人感覚では、1~2%程度の物価の下落を問題視して大騒ぎしていることのほうがよほど問題に思えます。かりにデフレがインフレになったとしても(多少実質金利が下がったとしても)、それによって投資や消費が喚起されるとは到底思えません。
 
インフレにしさえすればすべて問題が解決するかのような論調がありますが、日本の経済を強引にインフレにしたところでそのインフレが持続する保証はありません。それにインフレが持続したとしても、今度は1~2%程度の物価の下落とは比較にならない新たな大問題が浮上してくるのではないでしょうか。
 
日本経済に長期停滞を招来した究極の原因がイノベーションの欠乏にあるのだとしたら、重要なのは(プロダクト)イノベーションを喚起する長期的視点に立った政策です(足元のインレフ、デフレはあまり関係ない)。



●この本では貨幣数量説についても批判的にかなり詳しく検討されています。批判の要点を素人の常識で述べさせてもらうと次のようになります。 
 
 1.貨幣の流通速度は一定とする。
 
 2.モノとサービスの供給量に増減はないものとする。
 
 3.モノとサービス以外の株や不動産などは存在しないものとする。
 
 
こうした仮定のもとで貨幣の数量を増やしたらどうなるか……そりゃあ物価が上がりますよ。
 
 「それごらん。貨幣の数量を増やせば物価が上がるではありませんか。したがって貨幣数量説の正しさが証明された」
 
素人は貨幣数量説というのをこのように認識しております。非現実的仮定を設けないと成立しない仮説というのは、何かの参考にはなっても現実には成立しないということです。
 

それから、市況性の強い一次産品と消費者物価を構成しているモノやサービスとでは、その価格の決定プロセスがまったく違っているというこの本の指摘はまったくその通りだと思います。深く納得です。

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