月9ドラマ「恋仲」・第6話を観る
●「恋仲」は第9話が最終話だそうです。それなのに第6話にしてドラマの内容が早くも優勝が決まった後の消化試合みたいになってきました。ドラマとしてはすでに終わっています。それでも、翔太(野村周平)を、猛反省をした善人に仕立てて、何とか第9話まで話を引っ張るつもりらしいです。
最初にあかり(本田翼)をめぐる葵(福士蒼汰)と翔太のフェアな戦いがあって、追い詰められた翔太がルール違反をして、それがバレてハッピーエンドというのがドラマとしては自然な流れです。ところがこのドラマは、最初に翔太のルール違反があって、それがばれてもすぐにはハッピーエンドにならないで、まさに蛇足のような翔太の悪あがきが後半戦になるみたいです。後半戦ではもう翔太はルール違反ができません。偶然による誤解が味方してくれることを祈るしかありません。
●第6話では、すべてを打ち明けようと意を決した翔太が葵を訪ねてきました。
以前バーベキューをやっていた場所は、葵の部屋の外にある屋上みたいなところでした。部屋を出るシーンが省略されていたので、てっきりベランダだと思っていました。なるほどベランダにしてはやけに広かったです。その場所で、翔太が葵に「ワンピース」の51巻とあかりの手紙を渡しました。
「ずっとわかっていたよ。葵の気持ち。7年前からずっと。あかりの気持ちも」
それがわかっていたなら、二人を祝福して男らしく身を引くべきでした。潔く身を引いた瑠衣子(市川由衣)のように。大切な手紙を盗むなんて言語道断です。翔太があかりの手紙を盗んだことが物語の発端なら、翔太は最後まで悪役に徹していないといけません。何だか無理やりシナリオを変更したような気がしないでもないです。
●「こんな日が来るなんて、思ってなかった。この5年間、何だったんだろうなあ」
あかりの心は揺れいました。あかりは翔太といるときは葵のことが気になっていました。ところが葵といると今度は翔太のことが気になってきます。何があっても一度本気で好きになった男(翔太)のことを忘れるのはそう簡単ではないのかもしれません。
あかりは教員採用試験に合格したことをまず葵に伝えました。次に翔太にも報告に行きました。合格できたのはこの5年間、翔太の支えがあったからでもあります。家庭教師をしていた入院患者の中学生・山城心音(大友花恋)にも自慢げに教員採用試験に合格したことを伝えました。そのとき、心音が発作に見舞われました。緊急事態です。あかりは荷物を病室に残したまま、病室を追い出されてしまいました。いつまでたっても病室に入ることができません。それにしても、5分や10分ならともかく、何時間も緊急事態が続いて病室に入れないなんてありえないんですけど。たとえ自分が病室に入れなくても出入りしている看護師さんに頼んで荷物を持ってきてもらうくらいできるよね。
葵は、合格祝いの準備をしてあかりを待っていました。ところが約束の時間になってもあかりはやってきません。電話をしても留守電です。音信不通でいつまでたっても現れないあかり……これは7年前の「ワンピース事件」のときと同じパターンです。葵は不吉な予感がしていたかもしれません。
●このドラマは、前半はあかりをめぐる葵と翔太の三角関係、後半は翔太に退場してもらって、葵をめぐるあかりと瑠衣子の三角関係で話を盛り上げたほうがドラマチックでよかったと思います。もっとも第1話で、あかりをめぐる二人の「アオイ」の物語であると宣言して結末の結婚式のシーンをやってしまったため、もう一人のアオイ(蒼井翔太)を退場させるわけにはいかなくなっているのがこのドラマの宿命でもあります。
このドラマは、わかりきっているラストをいきなり第1話で紹介してしまうという「悪手」をやってしまいました。いくらベタなラブストーリーでも、多少は思いもよらない結末が待っているかもしれないという謎めいたところが欲しかったです。
それにしても最初のころに比べて翔太のキャラがあまりにも変わり過ぎです。突然変身した翔太の善人ぶりには違和感を感じます。第1話から観ていると「いまさら何だよ」と言いたくなります。このドラマは事情をよく知らないで途中から観た人のほうが楽しめるかもしれません。
それからこのドラマに出てくる女優さんは本当に美人が多いです。ヒロインの本田翼も「美貌」だけで勝負すると、三番手か四番手ぐらいになってしまいます(個人的な好みとして)。
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