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2015年11月13日 (金)

「ゴルゴ13」第557話「33+G」をより楽しむための参考資料

Wikipediaは、「コピアポ鉱山落盤事故」について、「事故の発生」と閉じ込められた作業員の「耐久生活」を次のように解説しています。

事故の発生
8月5日作業員は2つのグループに分かれて作業をしていた。まず地下460メートル地点で落盤事故が発生した。落盤による大量の土砂は、作業員の3メートル手前まで押し寄せた。事故発生当時、坑道出口付近で作業していたグループは速やかに脱出したが、坑道奥で作業していた33名は坑内に閉じ込められた。事故に遭遇した労働者は皆男性で、32名のチリ人と1名のボリビア人であった。閉じ込められた作業員は通気孔からの脱出を模索したが、通気孔にはステップが無く脱出は不可能であった。その後、8月8日にも地下510mの地点でも落盤があり、坑道は闇に包まれた。鉱山のオーナーは、事故発生後9日間行方をくらまし、8月13日にやっと人々の前に姿をあらわし「私たちにとって最も重要な事は、労働者とその家族だ」と述べたが、逆に被害者家族より非難を受けた。

 事故後18日目の生存確認
生存は絶望視されていたが、救助隊は確認のために地下700mにある避難所まで直径8センチのドリルで穴を掘った。22日にドリルを引き上げたところ、先端に赤い文字で「我々33名は待避所で無事である」旨をスペイン語で手書きされた紙が括りつけられているのを発見、坑内に閉じ込められた33名が地下700mの避難所で生存していることが確認され、さらにはこの中にはある従業員による妻宛に自分が元気であることを伝えるラブレターなども含まれていた。そして救助隊が直径10センチとなった穴にファイバースコープを挿し込むと地下の鉱員の顔が映し出された。翌23日には音声での通話に成功している。救出活動を現地で見守っていたチリ大統領セバスティアン・ピニェラはこの生存確認を受けて、現地に集まっていた鉱夫の家族たちに対して拡声器で生存確認を報告、現地は歓声に包まれ、首都サンティアゴでもラッパが吹かれるなど歓喜の渦に包まれ、チリ各地で広場に集まったり、車のクラクションを鳴らしたりして生存を祝った。

 地下での被災状況
避難所には通風口が繋がっていたため、彼らは生存していたが、食料や水はわずかにしかなく、1日おきに1人当たり小さじ2杯分の缶詰のマグロ・牛乳1口・ビスケット1枚を分配してしのいでいた。彼らが発見された時の備蓄食料は、あと2日分しか残っていなかった。保健相によると作業員は、1人あたり平均で体重が10kg落ちた。避難所の広さは約50平方メートルだが、長さ約1.8キロの坑道に通じており、地下620mの作業場(ワークショップ)や坑道最深部まで自由に歩き回ることができ、排泄物も場所を決めて坑道奥に廃棄していた。33人は坑道内のトラックのバッテリーを使ってヘッドライトを充電し、光源にしていた。

耐久生活
鉱夫たちは50平方メートルほどのシェルターにいたが、通気性に問題があったため、坑道に移らざるをえなかった。シェルターのほか、動きまわるスペースのある2キロメートルほどの地下通路があったのである。鉱夫たちはバックホーを使って地下水を確保している。鉱山シャフトの内側にある搬送機のラジエーターからもある程度水を得ることができた。食料は限られていたため、一人あたり8キログラムほど体重を落としている。緊急時にと残されていた食料はわずか2、3日分であり、彼らはそれを分け合って、発見されるまでの2週間をやりくりしたのだ。彼らが口にしていたのは「48時間ごとにマグロの缶詰を小ぶりのスプーンに2杯、牛乳を一口、ビスケットを1枚」、桃の一切れであった。明かりにはトラックのバッテリーを使ってヘルメットのランプを灯している。

退院後のマリオ・セプルベダの言葉によれば33人は「一人一票制の民主主義を採用していた。脱出口を探したり、士気を高めようと皆で頑張った」。またこうも言っている。「もし関係が破綻したら、みんなお仕舞いってことは誰もがわかってた。毎日別の人間が何かしら不始末をやらかしたけど、そういうときはいつでも、みんながチームとして士気を維持しようとしていた」。セプルベダはじめ古参の鉱夫は若い人間をよく助けたが、鉱山内で起こったことの詳細、特に絶望的だった最初の何週かに起こったことについては口を閉ざすよう皆で誓った、と彼は言った。そういった出来事の中には、仲間が死亡した場合にその肉を食べることも真剣に検討したことも含まれていた。

アバロスもまた、地下で生き残るため空腹に打ち勝とうと力をあわせた。「まとまりになれば、頑張りとおせる。希望をもっていられる。生き残るとみんなが信じなければいけなかった」と語っている。かつてプロのサッカー選手だったフランクリン・ロボスは自分たちが素晴らしいサッカーチームであるかのように行動したという。「酷いことが起きたけど協力しあった。何もなかった、水が飲みたくても飲み物なんてどこにもなかった時も。僕らは協力しあったんだ。食べるものもなくて、スプーン一杯のツナ缶を口にしたぐらいだった時も。それで本当に結束することができた」。


さらに、「ロケットニュース24」というサイトでは「チリ落盤事故を奇跡に導いた5つの理由」と題して、アメリカの科学情報サイト「クリスチャン・サイエンス・モニター」が挙げている救出成功の要因を紹介しています。

チリ落盤事故を奇跡に導いた5つの理由

2010年10月15日

世界中がかたずを飲んで見守ったチリのサンホセ鉱山落盤事故の救出作業。33名の作業員は全員無事に救出され、チリ国内だけでなく世界に感動をもたらした。

しかし落盤事故発生当初は、17日間も連絡の途絶えていた作業員たちの安否は絶望的とされ、全員死亡したものと考えられていたのだ。救出の奇跡はいったいどのようにして起こったのだろうか?アメリカの科学情報サイトが救出成功の要因について5つの理由を挙げている。

今回の救出作業は、まず作業員たちを発見することから始まっている。地中のどこに彼らがいるのか、地上からはまったく判断できなかった。30回以上の失敗が重ねられた後に、無事に彼らのいるポイントを確認、同時に生存が確認されたそうだ。

地下700メートルの位置に彼らを発見したものの、そこからが本当の戦いの始まりだった。地質学者は当初、「700メートルの地中に、救助用の穴を開けるのは至難のわざ。それは散弾銃で蚊を打ち抜くのと同じくらい難しい」と語り、作業の難しさを予測していた。

その困難な作業を成功に導いた理由ついて、科学情報サイト「クリスチャン・サイエンス・モニター」は次のように分析している。

1.献身的な家族の力
事件発生後、鉱山会社から報告を受けた作業員たちの家族は、すぐに政府と政治指導者たちに働きかけ、早急な救助を求めた。そして、作業員たちとの交信が可能になると、外部から会話を通じて作業員たちを励まし、必要な物資を送り続け、支援の手を一切緩めなかった。

2.冷静であり続けた作業員たち
生存確認された後に、鉱山大臣のロレンス・ゴルボルン氏は、作業員たちとの交信を試みた。その際、第一声に「助けてくれ!」と悲鳴の声が上がると信じていた。ところが交信に応じた人物は「今、チーフに代わります」ととても冷静で、まるで地上にいるのと変わらない対応だったという。作業員らは常に冷静であり規律正しく生活し、重機械を使って生活環境をより快適なものにするように作業を続けていたという。

3.最新鋭の作業機器
現場で用いられた機器は、すべて最新技術によって開発されたものだ。メーカーが提供していたドリルは、救助専用に開発されたもので、困難な救出作業は、迅速かつスムーズに進んでいった。

4.政府の積極的な対応
救出のために政府は支援を惜しまず、セバスティアン・ピニェラ大統領とロレンス鉱山大臣は、危機を機会に変えるように積極的に努めた。大統領は支援を得られるように企業や他国に働きかけ、ロレンス大臣は家族とともに現場に野営し、現場で指揮をとった。また、ジェイム厚生大臣は作業員の健康管理と支援物資提供プログラムを監督。地元自治体は家族の野営のために、清潔な環境と料理、カウンセリングを受けられるように、専用の人員を派遣していたそうだ。

5.惜しみない支援
救出には莫大な資金がかかったのだが、政府はその拠出をまったく惜しまなかった。救助のために3つの採掘会社を雇い、国営会社を通じて約12億円の予算が投じられた。作業員の生存が確認された後には、民間企業もこぞって支援に参加し、電話会社は家族と現場作業員、現地リポーターのために携帯電話を寄付。政府は無線通信環境を整え、チリの南部の漁業関係会社からは、山で不足しがちな海産物が大量に供給されていたのだ。またチリで活動している大道芸人や歌手が現地を訪れ、家族に芸を披露し現場の雰囲気を明るく保つように努めていたという。

ちなみに、現場では宣伝広告活動を自由に行うことができたそうだ。作業員たちにサングラスを提供していたオークレー社は、約33億円の広告効果を得ている。

まさに奇跡というに相応しい救出劇であったが、国連の国際労働機関は次のように指摘している。「サンホセで発生した落盤事故は、世界的に見て珍しいことではない。全世界の1パーセントの人たちが、鉱業に関する仕事に携わっており、毎日6,300人の人が鉱業労働関連の事故や疾病に遭遇し、年間230万人が命を落としている」として、チリの教訓に学ぶように呼びかけている。

33名の生還は惜しみない支援の連鎖によるものだったのではないだろうか。これを教訓に、世界中の鉱山作業者がより安全に作業できることを願う。

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