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2016年2月13日 (土)

「ゴルゴ13」第559話「置き去りの街」を読む

米国フロリダ州のマイアミ・デート郡に、ケビンとマーロンという兄弟が住んでいました。兄のケビンは頭は切れるけど冷酷な男です。弟のマーロンは勉強嫌いで喧嘩だけは強い単細胞の男でした。

7年前、兄のケビンは娼婦と遊んでいてクスリの過剰摂取で娼婦を殺してしまいました。ケビンは弟のマーロンに身代わりになってくれるように泣いて懇願しました。

気のいいマーロンは許嫁のリタを兄に任せて兄の身代わりとして服役しました。そのマーロンが7年間の刑期を終えて出所してきました。

7年ぶりにマーロンが見た街は様変わりしていました。街は寂れ果て、かつてマーロンが住んでいた家も取り壊されてなくなっていました。

兄ケビンは"慈善事業団体"を悪用してぼろ儲けをしていました。今では富裕層が住む"新しい街"に引っ越していました。

ケビンはマーロンの許嫁だった美貌のリタを自分の女房にしていました。ケビンにとって弟のマーロンはもはや邪魔者です。ケビンは出所したマーロンに殺し屋を差し向けました。殺してしまうつもりです。恩を仇で返す……これが卑劣な人間の常套手段です。
 
しかしマーロンを亡き者にしようとしたケビンの計画は失敗しました。今度はケビンが殺される番です。ケビンの暗殺をゴルゴ13に依頼したのはマーロンの許嫁だったリタでした。リタは無理やりケビンの女房にさせられていました。本当はリタはまだ弟のマーロンを愛していたのです。

しかしリタの想いはマーロンには伝わりませんでした。リタを兄に奪われて絶望したマーロンが選んだ道はリタとの無理心中でした。
 
 「リタ……行こう、2人っきりの"世界"へ……」

 
「ゴルゴ13」シリーズには、たまに詩情豊かな読み切りの短編があります。この「置き去りの街」も、ラスト5ページに注目してほしいです。水平線に沈んでいく夕日を背景に、マーロンとリタが心中するシーンなど、まるで名作映画のワンシーンようではありませんか。
 
 
 
 

さて、第559話「置き去りの街」には富裕層が住む"新しい街" というのが出てきます。作中の新しい街"リトルサンシャイン"というのは架空の街だと思いますが、それでも解説で語られている二極化する米国の現状は事実であり深刻です。

2005年にジョージア州フルトン郡から、サンディ・スプリングス市が独立したのを皮切りに、全米各地で富裕層が元の所属する郡部から"新しい市"を独立させる動きが広がっている。

多額の税金を納める富裕層が住む"独立市"だけが、保安、医療、公衆衛生など手厚い行政サービスを享受し、取り残された"旧市"地域の住民は、納税額の低下による予算不足で、必要なサービスが受けられなくなっている。

米国では、まさに1%の富裕層が99%の貧困層を切り捨てようとしています。富裕層の立場に立てばその憤懣やるかたない気持ちもわからないではないですが、なんだか殺伐とした気分になってきます。富裕層がエゴをむき出しにしている米国の現状を考えると、日本はまだまだ貧乏人に優しい国だといえます。

詳しくは → http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3488_all.html

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