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2016年6月26日 (日)

「ゴルゴ13」第562話「Gの遺伝子 後編」を読む

「ゴルゴ13」シリーズは情報の宝庫です。外務省の職員が「ゴルゴ13」を読んで国際情勢の勉強をしているという噂もあなかち冗談ではないかもしれません。
 
6月24日、英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票は事前の予想を覆して離脱派の勝利に終わりました。離脱ショックで世界の金融・資本市場は大混乱です。日本でも株式市場は大暴落、円は急騰して一時1㌦=100円を割り込みました。
 
EUを離脱して孤立することになる英国はどこへ行くのでしょうか。「ゴルゴ13」第561話「The Great Game ザ・グレートゲーム」では、英国と中国の良好な関係が描かれていました。

英国は米国の反対を押し切って中国が主導するAIIB(アジアインフラ投資銀行)に加盟、さらには約7兆4000億円(中国製原子炉の導入を含む)におよぶビジネス案件の契約を中国と締結しました。
 
今後、英国が経済的に衰退すれば、中国にとってはかつて煮え湯を飲まされたアヘン戦争(1840~42)の復讐をするチャンスです。中国は英国の弱みにつけ込んで無理難題をふっかけてくるかもしれません。
 

 

 
 
さて、第562話「Gの遺伝子」もいよいよ完結編です。

 「あなたは……私のお父様なのね?」

と訊ねるファネットにゴルゴ13は父親であることを否定して次のように述べました。

 「お前の血中から、俺と共通するDNAが見つかったとある……10年前、俺がお前に輸血した幹細胞がわずかに混じっていて、お前の血中で細々と、俺の遺伝子を持つ血液を、作り続けた……それはごく微量な割合だが、現代のDNA鑑定は精度が高過ぎ……逆に、間違った結果を出してしまった(中略)……俺は、お前に血を与えただけだ……血縁者ではない」
 

この説明を誰が信じるでしょうか?ゴルゴ13は養育費が払いたくなくて親子関係を否定したのではありません。父親が殺し屋ではファネットが不憫だからです。ファネットの幸せのためには裏街道を行く自分のことは忘れたほうがいいと考えたのです。

 「お前を育ててくれた、今の両親を大切にする事だ……」

このセリフはスナイパーのセリフではありません。娘を愛する父親のセリフです。
 
ゴルゴ13の真意はファネットに伝わったでしょうか?

車で走り去るゴルゴ13を見送りながら、ファネットが

「お父様……お母様……」

とつぶやくシーンがあります。このお父様とお母様はゴベール夫妻の事ではありません。ゴルゴ13と自分を生んでくれたスザナのことです。ファネットはゴルゴ13が自分の本当の父親であることを確信していました(たぶん)。

 

PART 5 試合終了
最終章です。ホワイトハウスはトカゲのしっぽ切りを始めました。ゴルゴ13にホワイトハウスを襲撃されたら軍隊を出動して大統領を警護しなくてはなりません。襲撃される前に、ホワイトハウスは敵対する意思がないことをゴルゴ13に伝える必要があります。

(ホワイトハウスの指示で)国家安全保障局のマクレラン長官は自殺に見せかけてPRISM管制局のカーク局長を始末しました。"試合終了"の意思表示です。しかし、マクレラン長官がカーク局長に引導を渡すときのやり取りは読唇術によってゴルゴ13に読まれていました。長官と局長がグルだったことは明白です……長官はゴルゴ13に射殺されました。

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コメント

「俺はおまえに血を与えただけだ。血縁者ではない」
わたしはこのせりふ、そのまま信じました。
でも、「このセリフはスナイパーのセリフではありません。娘を愛する父親のセリフです」とおっしゃる感想にも説得力があります。

ゴルゴが行きずりの女性と関係をもつエピソードはたくさんあるので、世界のどこかに彼の子がいても不思議はないですね…

投稿: きょうこ | 2016年7月 8日 (金) 09時09分

コメント、ありがとうございます。

「俺はおまえに血を与えただけだ。血縁者ではない」

ゴルゴ13のこのせりふ、ゴベール夫妻とのエピソードもあるし素直に読めば信じるのが正しいと思います。作品もそのような設定になっていると思います。

でも、それではつまんないです。たまには、"驚愕の事実"が実は本当に驚愕の事実であったというストーリーもお願いしたいところです。


子供がいるなんて"ゴルゴ13の美学"に反するかもしれませんが、世界のどこかにGの娘がいたとしても不思議はないです。読者の希望として、「ファネットは間違いなくGの娘」というシナリオにしてほしかったという意味を込めてわざと曲解しました。

投稿: むぎ | 2016年7月 8日 (金) 20時22分

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