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2016年7月12日 (火)

「ゴルゴ13」第563話「ラブバード」を読む

過激派のテロが多発する今日、テロリストの入国を警戒してどこの国でも入国審査が厳しくなっています。入国審査の厳しい折、ゴルゴ13はどのようにして各国に出入りしているのでしょうか。第563話「ラブバード」は、こうした疑問に対する回答の話でもあります。まあ、密入国です。
 

 
●米国バージニア州に仲の良い中年の夫婦がいました。夫の名前はジョン、妻の名前はメアリーです。この夫婦は二人とも政府のインテリジェンス機関のエージェント(情報諜報員)です。

夫のジョンは世界中の船舶の動向と船主の情報を収集している"国際海洋インテリジェンスセンター"に勤務しています。一方妻のメアリーは衛星からの画像分析や世界各地の精密な地図を作製している"NGA(国際地球空間情報局)"で働いています。
 
 

●米国メリーランド州のボルチモアにジェントルマン・カンパニーという海運会社(?)があります。この海運会社が所有する"小型バラ積み貨物船"の動向に数年前からジョンは奇妙な符合を発見していました。
 
この小型貨物船が寄港して数日または数週間後に、近隣国で"重要人物"の殺害などの事件が起きるというのです。そして起きた事件はいつも迷宮入りです。

殺害事件は明らかにプロのスナイパーの仕事です。ジョンはこの小型貨物船はプロのスナイパーを乗せた工作船に違いないと考えました。しかし、上司に進言しても個々の殺人事件は守備範囲外だと言われてしまいます。
 

一方、妻のメアリーは国際地球空間情報局でテロリストのアジトを発見する仕事を担当していました。メアリーが気になっていたのはテロリストというよりもある"ガンマン"のアジトでした。アジトは世界中にありました。しかし、アジトが発見・摘発された後もそのガンマンが捕まったという報告がありません。大物であることに間違いないのに正体不明です。
 

●ジェントルマン・カンパニーの小型貨物船が動き出しました。小型貨物船はマイアミのエバーグレーズ港に入りました。この小型貨物船の動きを追っていたジョンは独力でその正体を突き止めてやろうと考えました。上司に報告しても相手にされないからです。ジョンはマイアミに行くつもりです。

一方、妻のメアリーも正体不明のガンマンのアジトの候補が複数マイアミにあることを発見していました。メアリーもマイアミに出かけて行ってアジトの詳細を確かめたいという衝動にかられていました。

ジョンとメアリーの夫婦は週末を利用してマイアミに旅行することにしました。よせばいいのにそれとは知らずにゴルゴ13に近づいていきます。

ジェントルマン・カンパニーの"G"、ガンマンの"G"、二人が追いかけている人物のコードネームは期せずして"G"です。その"G"の正体がゴルゴ13とは……。

ゴルゴ13はマイアミでゴルフ中の不動産王を狙撃した後、ジョンとメアリーの夫婦も交通事故に見せかけて葬り去りました。もっと早く"G"の正体がゴルゴ13だと気がついていれば、深追いすることもなくこの夫婦も殺されないで済んだかもしれません。

 
●ジョンとメアリーがマイアミに旅行に出かける際、ペットショップで知り合った謎の老紳士につがいのインコ"ラブバード"の世話をお願いしていました。

この老紳士は"国立媒体発掘センター"のゴルゴ13専門のエージェント(情報諜報員)でした。ジョンとメアリーの夫婦と老紳士はお互いが政府機関のエージェントだとは知らずに、ただラブバードという小鳥が縁で知り合いになっていました。

老紳士はラブバードの世話を引き受けたため、自分がゴルゴ13専門のエージェントだということをゴルゴ13に知られてしまいました。ラブバードの世話をしている老紳士の前にゴルゴ13が現れました……。

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コメント

先日は、ていねいなお返事をありがとうございました。

「Gの遺伝子」のエピソードがいつもより長いなと思っていたら、今回は逆に短かったけれど、やっぱり楽しめました。結末はいつものGの原則どおりで、非情とは思いますが、納得です。
読後心配になったのは、あの小鳥たちがちゃんと保護されたのかということです。フィクションなんだから、心配してもしかたないんですけどね。

投稿: きょうこ | 2016年7月21日 (木) 12時28分

ゴルゴ13の読み切り(1回完結作品)は気が利いていて味があります。悲恋を描いた第559話の「置き去りの街」もよかったです。

 >読後心配になったのは、あの小鳥たちがちゃんと保護されたのかということです。

大丈夫です。ゴルゴ13は律儀な男です。今回のストーリーから推測すると、ゴルゴ13はあの小鳥たちを憎からず思っているはずです。捕まえて、鳥かごに入れて、こっそりペットショップに届けてあげたのではないでしょうか。

お店の前に置かれている鳥かごを見つけて、ペットショップの主人が怪訝な顔をしているシーンを想像しましょう。

投稿: むぎ | 2016年7月22日 (金) 20時15分

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